eラーニング専門家資格から広がる世界 「eラーニングプロフェショナル資格」取得者インタビュー Vol.6

このコーナーでは、eラーニングプロフェッショナル資格(eLP資格)を取得された方が、どのような活躍をされているかをご紹介いたします。

連載6回目の今回は、学校単位でeLP資格取得を進めてくださっている駿台電子情報&ビジネス専門学校の上沼校長先生、畔上先生にお話しを伺いました。

校長:上沼 弘之 氏(左) 講師:畔上 一郎 氏(右)
校長:上沼 弘之 氏(左) 講師:畔上 一郎 氏(右)
専門学校で学べるeラーニングの基礎知識と資格取得

コロナ禍により集合研修からオンライン研修への移行が加速しているが、コロナ禍以前より、eラーニングカリキュラムを情報ビジネス科に取り入れている専門学校がある。駿台電子情報&ビジネス専門学校だ。何故いち早く授業にeラーニングに関する教育を取り入れたのか?
また、なぜその際に『eLPベーシック資格』の取得も導入されたのか? 上沼校長と、畔上先生にお話を伺った。

学校の沿革をお聞かせ下さい。

(上沼校長)
本校は1970年に「駿台計算機専門学校」として東京・御茶ノ水に開校しました。1976年に専修学校の認可を得て、2014年「駿台電子情報&ビジネス専門学校」という現在の校名になりました。
その翌年、情報ビジネス学科において、エスエイティーティー株式会社と日本イーラーニングコンソシアムの協力を得て、1・2年にeラーニングを学ぶカリキュラムを入れた授業を開始、2017年にはその取り組みが認められ、文部科学大臣から職業実践専門職課程として認定をされました。

その後も、2019年にはAIコースを新設するなど、目まぐるしく変化するIT技術に、「愛情教育」の理念のもと、1人1 人の個性を活かし、学生達の好奇心を育む学校であり続けたいと考えています。

コロナ禍の3年間で、学習形態やその他に変化はありましたか?

(上沼校長)
劇的な変化がありました。専門学校は本来、対面による授業が義務付けられていましたが、国からの緊急事態宣言の発出を踏まえて登校ができない事態になりました。
IT技術はやはり実習が中心となるカリキュラムが多く、課題を出して自宅で行わせる事が非常に難しい分野です。当初は分散登校や、土日祝日・夏休みを返上して補講授業を行うなど、困難な授業運営を余儀なくされました。
講師はオンラインによる授業運営を迫られ、2020年10月からオンライン授業を開始しました。
当初はその取り組みに苦労していたのですが、授業をオンライン化するメリットもありました。台風・地震などで交通機関がトラブルになった場合や、講師が感染・濃厚接触者になった場合に、自宅から受講できる新たな学習手段が確立されたことです。また、非常に規則正しくスケジュールが立てるようになったことも利点です。

なぜ、学校全体としてeLP資格に取り組んでいらっしゃるのでしょうか?
『eLPべーシック』資格導入の経緯をお教えください。

(上沼校長)
今の学生は企業に入って、必ずeラーニングに触れる機会が多くなると思います。ですから、学校でその仕組みを知ることは将来役に立つだろうと考え、eラーニングカリキュラムを導入しました。
そして、ただ単に授業でeラーニングについて学ぶだけではなく、『eLPべーシック』の資格取得をすることで、学生が就職する際の企業側へのアドバンテージにもなると考えたためです。

学生さんは、どのようにしたら『eLPべーシック』資格を取得できるのでしよう

(畔上先生)
学生達はまず、『eLPべーシック』のeラーニングコースを受講します。
その後、コースの内容を学生たちが理解しているかを確認し、授業の最後に小テストを行っています。テスト問題には、実際の『eLPべーシック』の確認テスト、修了テストを使用しています。受講がすべて終了し、試験に合格すれば、『eLPべーシック』の資格が取得できるという流れです。
ただ、社会人経験の無い学生なのでeラーニングの意味もわからない学生も多くいます。そこで、『eLPべーシック』の受講前の最初の1時間は、「eラーニングとはなにか」についての基礎知識がわかるような授業を設けています。

学生さんの反響はいかがですか?

(畔上先生)
学生達は1年の後期に『eLPべーシック』のeラーニングコースを受講して資格を取得します。そして、2年の前期には「eラーニングコース」(教材)を制作してもらっています。『eLPべーシック』コースでeラーニングの基礎を学び、それを実際に実践してもらうことで、 ニング制作のおもしろさ、奥深さを体験してもらう趣旨です。

eラーニングの企画、設計、開発、評価を各自にやってもらっていますが、内容はもちろん、表現力、構成カ、改善力にすぐれたコンテンツを作ってくる学生が全体の中の2割くらいいま す。その学生達からは、もっとeラーニングに取り組みたいという意見をもらっています。

今後の展望をお聞かせ下さい。

(上沼校長)
就職活動の短時間の面接の中で、学生が企業に選ばれる理由に人柄というのも当然あるとは思いますが、授業をきちんと受けていることが、資格取得で裏付けられると考えています。就職活動を勝ち抜くためには、やはり資格は強い武器です。
本校では今後も、教育課程編成委員会やeLCをはじめとしたeラーニング関連の有識者からの意見を取り入れながら、最初に学ぶeラーニングの基礎知識などのアップデートを行っていきたいと考えています。

日本イーラーニングコンソシアムへのご要望をお聞かせ下さい

高校の授業でも「情報」は必ず勉強しなければならない分野になっていますが、eラーニングという言葉は学生にはまだまだ浸透していません。「情報」のインフラでもあるeラーニングを、もっと若い世代にも知ってもらえる働きをしていただければありがたいです。

(文献:菊野 ひとし

DLCメールマガジン購読者募集中

デジタルラーニング・コンソーシアムでは、eラーニングを含むデジタルラーニングに関するイベント、セミナー、技術情報などをメールマガジン(無料)で配信しております。メールアドレスを記入して『登録』ボタンを押してください。