eラーニング専門家資格から広がる世界 「eラーニングプロフェショナル資格」取得者インタビュー Vol.2

このコーナーでは、eラーニングプロフェッショナル資格(eLP資格)を取得された方が、どのような活躍をされているかをご紹介いたします。

資格取得者プロフィール

株式会社ジョヴィ

株式会社ジョヴィ 川村和美氏

川村 和美

取得資格:『eLPシニア』資格 「マネージャー」「ラーニングデザイナー」 『eLPプロフェッショナル』資格 「エキスパート」「コンサルタント」「コンテンツクリエイター」

株式会社ジョヴィ 管理本部 管理部 人材育成・教育支援室 室長
薬学博士、経営倫理士、(公社)薬剤師認定制度認証機構 認定制度委員、(公社)日本薬学会 代議員、(公社)日本薬剤師会 国際委員、(一社)日本医療薬学会 代議員、日本経営倫理士協会 主任フェロー研究員、熊本大学教授システム学研究センター 連携研究員。
同社は1970年(昭和45年)創業。全国に約4000店舗が加盟する薬局・薬店のボランタリーチェーン本部で、調剤仕入・OTC仕入をはじめ、プライベートブランド・推奨品、薬局薬店向けPOSレジ等様々なサービスを提供している。
株式会社ジョヴィ https://www.jovy.co.jp

「eLC資格が活かせる職場への転職を決意!」

eラーニングプロフェショナルの資格者である川村和美氏は、保険薬局・ドラッグストアチェーンの教育担当者として15年の経験を重ねる中で資格を取得し、2019年5月株式会社ジョヴィに入社した。「薬剤師が地域住民のセルフメディケーションまで支援するためには、調剤を補助する人材を育成することが必須」と考える同社において、「ファーマ・アシスト制」推進のプロジェクトリーダーとして着任し、『ファーマ・アシスト養成プログラム』を開発する。以後、新卒研修、トレーニングアシスタント研修、全社員研修等を内製化するなど、社内外の教育全般を担っている。

保有しているeLP(eラーニングプロフェッショナル)資格を教えてください。

シニアマネージャー、シニアラーニングデザイナー、エキスパート、コンサルタント、コンテンツクリエイター資格です。来年4月には新たな経験を以て、シニアコンサルタントの資格取得に挑戦したいと思っています。

入社直後にプログラム開発を担うことになって、大変でしたか?

全国4000近い加盟店に勤務する方々が学習対象者となること、かつ薬事関連法規や調剤報酬の改定に沿って教える内容を随時変更しなければならないことから、最初のプロジェクト会議で「教育プログラムはeラーニングで設計したい」旨を提案しました。社長が「川村さんがええと思うようにやったらええ」と即答くださり、LMS(学習管理システム)を導入してもらうことができました。

年が明けてからまもなくコロナウイルス感染症が蔓延し、2020年3月に予定されていた全社員が集う決起大会が開催できなくなりました。そこで、各管理職による方針発表をビデオ撮影し、eラーニングとしてコンテンツ化して全社員に配信、同年4月には、誰もが視聴ができるオープンコンテンツ、ならびに「ファーマ・アシスト養成プログラム」として27のコンテンツと、各コンテンツに沿ったテストを制作し、5月から配信を開始しました。 eラーニングによる教育プログラムの設計を望んで転職をしたわけですから、大変というよりも楽しく仕事ができている印象が圧倒的に強いです。eラーニングの導入に関して、企画、設計、運用を一任してもらえたことから、eLPシニア資格を取得する要件となる一通りの経験を積むことができたと、会社には深く感謝しています。

資格は役立ちましたか?

私が教育プログラムの開発や研修講師を本業とするようになって18年が経ちます。数多くの研修開発の経験から、どんな内容にしたら学習者は楽しめるか、何を取り上げたら業務に役立つか、研修参加による達成感が感じられるかといったコツは掴んでいましたし、長年の講師歴の中で、学習者の満足度を上げる自信がありました。

私には「倫理」という稀有な領域について26歳時から非常勤講師として大学で教えてきた事績があります。また、大中小の病院、保険薬局、ドラッグストアに勤務した薬剤師経験、社会学を学び定性的定量的調査が実施できる知識を以て、求めに応じて研修を設計したり講師を務めるようになっていきましたが、教育学を修めてはいませんでした。教育担当者として学問的裏付けのない点に不安があり、どこかで学習者に後ろめたい気持ちがありました。

eLP資格取得の学習を進める中で、自分の体感覚的な確証には根拠があることを知りました。教育学ならびに教育工学を学習し、資格を付与いただけたことで、専門分野の知識のみならず、教育担当者として真の自信を持つことができたように思います。私には「資格取得によって後ろ盾を持てたこと」が、もっとも役に立っていると感じています。

どういった点に気をつけてコンテンツを制作されていますか?

eラーニングコンテンツは集合研修以上に見えにくい学習スタイルであり、学習者本人のヤル気が求められます。そこで、タイトル画面の次に「このコンテンツを視聴したら、こんなことが理解できるようになります!」という学習目標を必ず提示します。最後には「こんな学習をしましたね、理解できましたか?」と、学習目標に到達したかどうか、学習者自身に確認してもらうようなメッセージを投げています。

インストラクショナルデザインは、学習者の現状とゴールを明確にした上で、そのゴールに到達できる教育戦略を考えますが、学習者側も学習前にゴールを認識した上で、見通しをもって学習を進められることが、eラーニングだからこそより重要だと考えています。

学習者を飽きさせないよう、コンテンツのサイズは最長で15分以内、1枚の画像で説明する文字数は200文字以内と決めています。脳は賢くて「聞いたことあるな」と思うと咄嗟に集中力が失せ、理解できないことは無自覚的に飛ばすという習性があります。無駄な説明、繰り返しの言葉は極力避け、耳から入ったときにスッと理解できる文章となるよう心掛けています。

それを評価するテスト問題は、どう考えて作成していますか?

『ファーマ・アシスト養成プログラム』は、調剤補助を担う者が知っておかなければならない知識・技術・態度について解説した教材に沿って、その内容を理解しているかどうか測る問題を1コンテンツにつき5問前後、出題しています。出題数の3倍程度のテスト問題を作成し、間違って回答した場合、問題形式が変わってランダム出題されるよう設定し、違う切り口からの出題となるように工夫しています。出題順や番号を覚えて正答しても意味がないですから。1年が経過した時点で資格更新試験を提供し、これに合格すれば翌年も認定者として認め、eラーニングの視聴は不要としています。合格しなければ、知識が定着もしくは更新されていないということになりますので、不合格の該当コンテンツを改めて視聴し、再度、テストを受けていただきます。合格となれば、認定者として認められます。なお、調剤を取り巻く変化に沿って、コンテンツは随時更新しており、現在は1つ増やした28コンテンツを配信しています。

ビジネスマナーをはじめとする社員向けのコンテンツは、まず視聴前の事前テストを設け、このテストに全問合格すれば、eラーニングの視聴は不要としています。事後テストは実施可能回数の制限を設けており、都度、異なる形式で出題されますので、確かな知識がなければ合格とはなりません。「緊張感があった」「楽しめた」といった感想が寄せられている一方、回数制限にあってしまい「実施回数を増やして欲しい」と言う申し出も毎回あります(笑)。課題には、学習した内容をどう業務に生かしたかというレポートを課したり、電話応対のコンテンツ視聴後は、オンラインテストに加えて実践テストを企画しました。頭でわかっていることが、業務に活かせる設計に拘りたいと思っています。

学習者の成長や感想を教えてください。

社内外いずれの学習者も「何度も見て習得したい」「繰り返し視聴できると安心する」と言ってくださいますし、制度の変更等に応じてオーサリングし直し、すぐに差し替えられるという点でも、eラーニングにした意味は大いにあったと感じています。想定外ではありましたが、コロナ禍前にオンラインで配信できる環境が社内にあったことも、タイミングとしてはよかったと思います。

特に、社員向けのビジネス研修は「社会人生活が長いほど、すべて自己流になっていることが再確認できて非常によかった」「上司・先輩・取引先の対応を見ながら学んできたことがほとんどだったので、大変勉強になった」「今後も是非お願いしたい」「学ぶ場が社内にあるのは嬉しい」といった感想が多く、次の教育プログラムを開発する私の原動力になっています。中には、全問正解する強者がいらっしゃいますが、免除されているにも拘わらず「楽しいから」「有意義な研修」とeラーニングを必ず視聴くださっている点も嬉しいですね。皆さんのこうした反応に応じた研修を、自由に設計できることが企業教育担当者の醍醐味であり、私のモチベーションを維持してくれています。

電話マナー調査表
これからeラーニングに取り組まれる方へ何かアドバイスはありますか?

コロナ禍が長期的に収束しない中、出勤が減る、あるいは完全なテレワークになるといったように、多くの企業で勤務形態そのものが変化しています。当社でも昨年に引き続き、今年の決起大会もオンラインで配信することになるなど、人が集う会社行事やイベントは開催できなくなりました。こうした中、教育戦略も必然的に大きな転換期を迎えたことは、紛れもない事実です。オンラインによる教育施策の導入は、もはや必要不可欠になったと言っても過言ではないでしょう。そんな現状に伴い、教育担当者のeLP資格取得も必要不可欠と考えます。

職務の立場上、必然的に教育ベンダーの方々と接する機会が多いのですが、インストラクショナルデザインやLMSという言葉すら、ご存じない方々が少なくありません。教育を生業とするのであれば、学習者のために自らがインストラクショナルデザインを学び、eLP資格を取得して、自信をもって効果的な研修を設計することが必須ではないかと思います。

今後、eラーニングをどう展開されようと考えていますか?

『ファーマ・アシスト養成プログラム』は、リリースしてから1年間で、約400名の方々がご登録くださり、300名近くの方が「ファーマ・アシスト認定資格」を取得しています。本件は「入職時の社員向け研修にも活用できる」「薬学生の実習に使いたい」といった感想を伺っておりますので、引き続き更新テストを配信するとともに、薬剤師向けのコンテンツ開発に着手したいと思っています。

社員向け研修では、ロジカルライティング①としてメール文章、ロジカルライティング②として手紙の書き方、電話応対、適切な言葉遣いについて取り上げ、配信をして参りました。加えて、全社員に知っておいて欲しい新卒に対するアプローチや、マニュアルで配布していたものを徐々にコンテンツ化して配信しています。

また近日中に、オンラインによるプレゼン研修をトレーニング形式で実施したいと考えています。今後はXRなどデジタル技術を活用して、より伝わりやすいコンテンツの制作にチャレンジしてみたいですね。将来的には、加盟店を対象に教育事業として展開できるよう、教育インフラ構築の実現に向けて取り組んで参りたいと思います。
 

 

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