第36回 上流から見たeラーニング 18 「資産管理とインフォーマル・ラーニング」(後編)

2011/12/19

“お金が減っていく!!どうする?”
 

"E*TRADE Investor Education Day Event" (投資家教育1日セミナー)

前編でご紹介したキャロルさんにインタビューしたのは5月で、それから世界の経済状況は大荒れになった。アメリカの非常事態がちょっと落ち着くと、今度はヨーロッパ、今週はまたアメリカの失業率レポート、どこにいても大波がやってくる可能性があり、ベービーブーマー達は心休まる暇がない。「お金はどんどん減っていく、どうする?」と、近い将来の見通しがつかず不安に襲われていた矢先、いいタイミングで、"E*Trade Investor Education Day Event"という教育セミナーの案内がきた。「売るにも売れず」わらにも掴みたい思いの人達が多かっただけに、この1日セミナーには千人以上の参加者がいた。
 
このセミナーは、オンライン投資専門の取引会社E*Tradeがクライアントに対して各地域で年に4回ぐらい主催するもので、全米では60回以上ある。クライアントにはすべて無料である。会場はちゃんとした一流のホテルを使い、8時45分から4時15分までで、その間朝食、昼食、休憩時間には飲み物、スナックが出る。写真は、8月にサンフランシスコのハイヤットホテルで行われたときの朝の様子である。講師は、投資のセミナー会社、投資アドバイザー機関のプロが来る。この一日は、まさに、いたれりつくせりであった。E*Tradeは、なぜここまでクライアントにお金をかけるのであろうか?
 
筆者がこのようなE*Tradeの一日セミナーに参加したのは、これで2回目であるが、ベービーブーマーだけでなく20代から80代と広い年齢層の人達が参加していた。何よりもびっくりしたのは、「女性が半分近いこと」である。それも、70代以上の女性の数が少なくないのである。今回も、休憩時間に、コーヒーを飲みながら、高度なテクニカル分析ができる投資用ソフトのデモサイトをのぞいていると、85歳ぐらいの女性が「これをやったことがあるの?」と話しかけてきた。この女性は、90%の資産はブローカーにまかせているが、10%は自分の「投資遊び」に使っているという。子供たちには、「遺産の一部は、この遊びで少なくなる可能性もあるので覚悟しておいてねと伝えてあるの」と楽しげに話していた。
 
85歳の女性さえもひきつけるE*Tradeの魅力は何なのだろうか?

15年前のオンライン投資
E*Trade( https://us.etrade.com )は、AmeriTrade(アメリトレード)に並ぶオンライン投資専門の取引会社で、1992年に設立されオンライン専門の投資会社としては歴史がある。ニューヨークに本社があり、全米に28の支社があり、従業員数3000人である。
 
「なぜオンライン投資?」という質問に対し、15年前であれば、単純に「取引コミッション費が安価だから」であった。証券会社のエージェントを通すと、一つ株式を買ったり売ったりするのに、200ドルぐらいかかるのに対して、オンラインサイトは、7ドル99セント、8ドル99セント、9ドル99セント(E*Tradeの場合)とほとんどが10ドル以下である。この安さと手軽さと目新しさに惹かれて、多くの人達がこの新しい投資市場に飛び込んだ。
 
しかし、飛び込んだはいいが、何を買ったらいいのかがわからない。自分の好きな企業、何となく将来性があると思われる企業をともかく買うというような、いい加減な「バイヤー」ばかりであった。また、買ったはいいが、いつ売ったらいいのか、判断がつかない。証券会社のブローカーを通した投資の場合、担当のブローカーが少なくとも月に一度は電話をくれ、売り時、買い時の株を指摘してくれる。しかし、オンライン取引サイトは、自分が動かない限り株の状況については何も言ってこない。完全に自己責任で管理することが基本である。結果として、買いっ放しで何年も放りっぱなしになってしまうのである。
 
恥ずかしながら、実は筆者もご多分にもれず15年近く放りっぱなしにしていたクライアントの一人で、多くても1年に一度ぐらいしか口座を見ることはしていなかった。口座名はあっても、実際の資産運用はすべて夫まかせで、投資とか運用とかいうことがよくわからなかったことと、コミュニティーカレッジに行ってまでして学ぼうという気持ちもなかったからである。日本の女性と比較し、アメリカの女性は「資産管理」に疎い人が多い。このような無知な筆者に対して、以前より、夫はブローカーから送られてくるレポートをもとに、意識して筆者に資産状況を説明してくれてはいたが、あまりにわからないことが多すぎて、「右の耳から左の耳」で終わっていた。このように当時は投資について学ぶには、コミュニティー・カレッジのような学校のクラスをとって学ぶか、本で独学するより方法がなかったのである。
 
クライアントに投資して稼ぐビジネスモデル
ところが、この15年の間にオンライン投資サイトは大きく様変わりし、筆者のような素人の女性でも、わざわざカレッジのクラスをとりに行かなくても、投資について気楽に学べるようになっている。筆者自身、15年ぶりにE*Tradeをあけてみて、教育プログラムが豊富なのに驚いた。もう一つ驚いたのは、高度な分析テクノロジーで調査ができることである。まるで、プロの投資家と同じようなことをさせてくれるのである。
 
こんなにすごい教育プログラムと環境が無料で使えるなんてことは、筆者も今年になるまで知らなかった。昔であれば学校に行くか、莫大なお金をかけてソフトを買うしかないとあきらめてできなかったことが、無料で好きなときに好きな所でできるのである。さらにびっくりさせられたのは、冒頭でご紹介したような質の高いフォーマルラーニングの機会をすべて無料セミナーという形で提供していることである。
 
E*Tradeはなぜここまでクライアントの教育に投資をするのであろうか? 最初は大きく疑問に感じたが、E*Tradeを使い始め、今は、その答えがわかるようになった。それは、「クライアントは、投資について学べば学ぶほど投資をしたくなる」からである。E*Tradeは、「クライアントの投資意欲」と「学び」が正比例していることに気づいたのである。投資についてサイトの中で安心して遊びながら学べるような場、すなわち安全なインフォーマルラーニングの場を提供することによって、クライアントは投資家としての学習意欲を高め、セミナーのようなフォーマルなラーニングにも参加したいという気持ちになる。投資家としての自信がつけばつくほど、投資意欲は高まり、取引数が増加する、するとE*Tradeの収益が増加するというわけである。
 
E*Tradeのビジネスモデルは、昔のように単に安価な取引コミッションを売り物にしてクライアントを増やすのではない。質の高い「投資家」を育成することでクライアントを拡大し、取引回数を増加しているのである。質の高い投資家育成に力を入れれば入れるほど、E*Tradeの収益は上がるのである。
 
では、どのようなしくみの中で「投資家」を育成しているのだろうか?
 
ハードルが低い入り口
筆者が、実際に自分で資産管理に取り組んでみようと思い始めたのは、今年の4月にRothIRAをE*Tradeで買うかどうかを夫より相談されたことがきっかけであった。3月、4月は米国は税金の確定申告の時期で、RothIRAは税金の控除の対象となる退職金積み立てプログラムIRA の一つで、引き出すときに利益に対して税金がかからないということで、人気のある新しいプログラムである。E*TradeでもRothIRAは商品として取り扱っており、金額的にも資産全体からすると小さいという気楽さもあって、自分でやってみることにした。
 
購入のしかたがわからないまま、すでに夫がオープンしたRothIRAの口座を開けると、何のことはない、税金の確定申告の時期なので、「今年のRothIRA」という商品名が大きく出ている。クリックし、積み立てしたい金額を決め、自分の登録してある銀行から電子送金をすることを支持するだけだった。商品の購入と同時に、税務署に必要な税金の処理をすべて自動的にしてくれるしくみになっているのだ。夫に聞く必要もなく、一分もかけずに購入ができた。このようにして、「なんだ、こんなにも簡単なんだ」と気を良くした筆者は、次のステップである「投資」に進むことになったのである。
 
入り口をシンプルに入りやすくするのは、女性、高齢層のクライアントを獲得するのに大事なデザインである。
 
ITアレルギーの女性でも安心して遊べる
少し自信がついて「投資をしましょう」とばかりに「取引」サイトに入ったはいいが、スクリーンの上には株式、ミューチュアルファンド、ETF(投資信託の一種)、債券、国債というタブが出てきてどれからスタートすべきで悩んでしまった。これらの用語は何となく聞いたことはあるが、基礎知識のない筆者には、「自分にとって何に投資すべきか?」の判断ができない。株式にすべきかどうか、もし株式にするとすればどの企業?安定した優良企業は?これも判断がつかない。
 
15年ぶりにE*Tradeのサイトに入った筆者は、今のE*Tradeの中では安心して試しまわることができることを知らなかった。そこで、自分でいろいろと試してみる前に、夫に相談したところ、「特に投資したい企業がなければ安価で安全なのはETFである」と言われETFから見ることにした。恐る恐るETFをクリックしてみると、せいぜい50ぐらいしかないのではと思っていたのが、1430もある。何を基準に選択すべきかがわからない。そこでまた、夫に聞く。「将来性があって自分のパッションのあるカテゴリーを探してみたら」という夫のアドバイスで、地球環境に関心があるので、グリーンエネルギーのETFを探すことにした。サーチのしかたがいくつもあり、わかりやすいのを試している間に、いつのまにか、候補リストを作成できるようになった。ここまでくると、夫の助けは必要ない。だんだんと、いろいろとクリックしても安全なことがわかってきた筆者は、さらに勇気が出てそれぞれのETFをさらに詳しく見てみる方法を探し出し始めた。
 
現在のE*Tradeはサイトの中に入ってから、間違ったところをクリックしても問題がないようにしてくれている。だから、筆者のようにITに比較的疎い50歳以上の女性でも安心して「試しまわる」ことができる。若者はスマートフォンで「試す」ことに慣れていて、教えてもらわなくても試しながら学んでいるが、テクノロジーにアレルギーのある女性達のほとんどは、「これを押したらとんでもないことにならないかしら?」と、試すことを恐れている。しかし、安心して「試しまわる」ことのできる環境の中では、「これを押したらどうなるかしら?」と好奇心が沸き、「遊び心」が生まれ、知らない間に学びが進んでいる。ましてや、単なるフラットなテキストではなく、常時変化している生のデータで遊べる環境は、現実味があり興奮するものである。
 
E*Tradeは、言わば高度なテクノロジーの環境の中で、安心して遊びながら「投資」について学べる安全地帯である。現実の生活から離れたカシノのゲームとはちがって、自分の生活と密接した「お金」を使ったゲームは現実味が強く、銀行預金にはない面白いチャレンジが存在しており、学ぼうとする意欲を触発している。
 
「間違っても大丈夫」というインフォーマルラーニングの環境があるおかげで、クライアントは「学ぶ=遊ぶ」と感じているのである。
 
気の向くままに生の最新データーで遊ぶ
15年前であれば、個人で投資先に関する情報や資料を得るのは面倒なことであったが、現在のE*Tradeはリアルタイムで提供してくれる。例えば、グリーンエネルギーに関連した企業を集めたPUWというETF債券を見ると、今の値段、今日一日の値動き、この一年の値動き、リターン率のチャート、関連ニュースというように、ありとあらゆる情報が入っている。どんな企業がPUWに入っているのか知りたいので、ポートフォリオをクリックすると、企業毎の業績チャートや、比較チャートがあり、さらに一企業について知りたいと思うと企業名をクリックすると、ライブの企業の株サイトに入る。この一年の動きのグラフをクリックするとテクニカル分析サイトが表れ、5日間、3ヶ月、1年、10年というタイムラインの数字をクリックするだけで、即その時の値動きが出てくる。
 
筆者のような素人にも、即時に生のデータを出してくれる機能とそのスピードには圧倒させられた。また、情報はライブなので常に変化し更新されていてあきることがない。
 
使えば使うほど学びたくなる
ともかく、面白いので気の向くままにクリックしていると、いつのまにかチャートサイトに入っていた。大きなチャートが二つ出てくる。上の方は、1日、5日、1ヶ月、6ヶ月、1年、10年というように、自分で決めた期間の株の動きとピンポイントの株価を折れ線グラフで見ることができる。左側には、さまざまな指標ツール、チャートタイプ、チャートツールが並んでおり、条件をかえてグラフを作成することができる。何も知らずに「どうなるのかな」と、「ローソク足」の項目をクリックしてみると、赤と緑のローソクがいろんな形ででてきた。下側のチャートは株の数を示した棒グラフになっているが、赤と緑がでてくる。暫く遊んでいる間に、赤は「SELL」、緑は「BUY」であることがわかってきた。
 
次々とクリックして出てくる結果の面白さを楽しんだあと、筆者は大きな問題にぶつかった。「このチャートは何を意味するのだろう?」である。いろんなチャートが作成されるくるので「すごいことができるんだなあ」ということはわかったが、投資についての基礎知識のない筆者にとって、「ローソク足」のようなチャートのデーターの使い方が皆目わからなかった。クリックすればするほど、「いかに知らないことが多いのか、知っているとどんなに判断力がよくなるだろう」ということを痛感し、もっと使い方を学びたいという気持ちになってしまった。
 
自然に謙虚な気持ちになって学ぼうとする姿勢になるのは、「無知であることを咎めない」インフォーマルラーニングだからこそ起こる心理的変化である。
 
学びたければいくらでもどうぞ:3分ビデオで気軽で気ままな学び
そこで、投資についての「基礎知識」を学ぶ必要があると痛感した筆者は、ホームページに戻って、教育サイトをみることにした。「教育」サイトは大きく三っつにカテゴリー化されている。一つは、テキストをベースとした「資料、記事のライブラリー」、二つ目は「ビデオとウェビナーのライブラリー」、三つ目は、ウェビナー、セミナー、研究会がライブで見れる「ライブイベント」である。
 
まず、ビデオを見ることにした。筆者がビデオを見る気になったのは、「3分ビデオ」という言葉が、「ビデオとウェビナーのライブラリー」の横に大きく出ていたからである。実際、各ビデオは3分くらいのものが多く、タイトルが「投資家がおかしやすいミス」というように自分の知りたいことばかりだった。もしこれが、15分以上のものばかりだと、「見よう」という気が失せていたかもわからない。3分は適当な長さである。ユーザーの学習心理をよく掴んでいる。「オンライン投資入門2分39秒」、「投資の神話3分33秒」と時間がかかれているので、気楽に見ようという気になる。中級コース、上級コースに行くほど、「テクニカル分析6分39秒」、「投資リスクを最小限戦略34分45秒」と時間は長くなり、1時間以上のものもある。
 
次から次へと、関心のあるタイトルをみつけてはビデオを見ていった。一つを見ると次を見たいと思うからである。知りたいと思っていたことに、プラスの情報が付加され、知りたいと思っていなかったが、結果として知ってよかったと思う内容のものでいっぱいであった。例えば、株の売買のしかたにしても、テクノロジーを使うので、「株の値動きに合わせて、自動的に売値も変わる」ようにできるトレーリング・ストップを設定できるなんてことは、思いもよらなかった売り方である。「損するリスクを最小限にして売るタイミング」を設定し、自動的に売ることができるのである。「リスクマネージメント」のビデオの中で学んだものである。投資は「資産を増やすこと」としか考えていなかった筆者にとって、「損をすることは当然で起こり、損をいかに小さくするかは資産管理の大事な基本であること」は、投資家として居住まいを正すいいチャンスとなった。
 
さて、じっくり見ていきたいと意気込んで見始めたのはいいが、さすが1時間近くするとやはり疲れてくる。もう見たいと思わなくなる。休憩を入れても、「今日はこれでたくさん」と、あまり次を見たいという意欲は出てこない。我ながら勝手だなあと思うが、意欲がないのだからしかたがない。それよりも今見て学んだことを実際にやってみたいとう意欲が出てきた。
 
このような勝手は、フォーマルなクラスに参加していてはできない。インフォーマルラーニングだからこそできる気ままな学び方である。インフォーマルラーナーは気ままで身勝手である。
 
調べたければいくらでもどうぞ:遊びながら養われるテクニカル分析スキル
「テクニカル分析」のビデオの内容は、「こんなことを素人にもさせてくれるんだ!」と筆者にとって「信じられないこと」の連続であった。テクニカル分析アプリケーションのある「調査」のサイトの上のバーには、US市場、ライブの株価の動き、ニュース、チャート、株、オプション、国債、というタブがある。
 
US市場のタブをクリックすると中にいくつかのタブがある。「市場を動かした株」のタブには、今日活発な値動きをした株のリストがある。「市場の統計データ」のタブをクリックすると、ダウ、ナスダック等の平均株価の比較が出てくる。「市場カレンダー」の中には、企業の業績発表の日、ダウングレード、アップグレードされた株のリスト、その他がある。「市場コメント」には、プロのアナリスト達の今後の市場についての分析情報がある。「業界、産業別」の中には、成長株のリストがあり、リストにある企業をクリックすると、個々の企業の情報を即把握することができる。
 
この「調査」サイトで遊べば遊ぶほど、「投資」の深さを知り、同時に「投資について自分がいかに知らないか」に気づいてくる。そうすると、また、もっと学びたくなる。投資はギャンブルのようなもので、知らなくてもできるが、学習しだいでギャンブルに勝つ確率もあがり、ギャンブルのしかたにもいろんなスタイルがあることもわかった。E*Tradeには、株のスクリーンをしたりするプロが使うような高度なアプリケーションが盛りだくさんである。「このようなアプリケーションを使いこなせたら、株の選択、タイミングの判断にどんなに役立つだろう?」とまた、学習意欲がわいてきた。
 
筆者にとって、このような学び方は、言われたからではなく自分が学びたいから学ぼうとする限りにおいて、「楽しい遊び」である。インフォーマルラーニングの良さはここにあるのではないだろうか?
 
フォーマルラーニング
「教育」サイトの三っつ目の「ライブのイベント」とは、ライブのウェビナーと実際のセミナーのことで、1ヶ月に15から20ぐらいある。オンラインカレンダーを見て参加したいセミナーにクリックするだけで申し込むことができる。また、本稿の冒頭でご紹介したような1日セミナーは、年に60回実施される。
 
セミナーの良さは、インフォーマルに学んだことを確認したり、投資家として次のアクションがとれるような自信を与えてくれることである。例えば、セミナーの講師は、「市場は個人投資家が動かすのではなく、大量の株を保有している大きな組織とコンピュータで、大きな組織の動きと、テクニカルな特性をつかむことが大事である」と、筆者が何となく感じていたことを明確化してくれた。また、「株式」のなかにある「株式スクリーナー」というチャートを使うと、短期投資に優良な大手企業のリスト、長期投資で配当が5%以上の外国株のリストというように、条件を入れて、自分が買いたい株式のリストを作ることができるということがわかるようになった。これでまた、「今度は、オンラインのチャートを使って投資をしよう」という気になるのである。

 
E*Tradeでは、取引回数の多いクライアントに、無料で3種類の投資ソフトウェアを提供している。プロが使うのと同じようなアプリケーションがあり、一つのスクリーンでいくつものアプリケーションを同時に見ることができ、CNBCのテレビの生中継から始まって、最新のストリームラインのオーダーチケットというように、証券取引場のプロ達が使っているのと同じようなソフトウェアが無料で使えるのである。このような高度なソフトウェアの使い方も、セミナーで指導してくれる。
 
 
 
 


コミュニティーでソーシャルラーニング
写真は昼休みに食事をしながらテーブルに座った人達と一緒に、自分達のオンライン投資の経験や、講師の話についての自分たちの意見を共有しているシーンである。オンラインサイトにもコミュニティーはあるが、やはり、顔を合わせて話し合うソーシャルラーニングはパワフルである。
 
 
 
 
 


教育会社のビジネスチャンス
このセミナーを担当した会社は、「プロ・マーケット・アドバイザー」という投資専門教育研修会社で、E*Tradeと専属契約している。セミナー会場では、DVDとプライベートセッション(個人向けコンサルティング)を売っており、DVDは、1枚20ドル、セットで80ドルというような売り方をしていたが、昼食時やセミナー終了後に長い列があり結構売れていたのにはびっくりした。「プロ・マーケット・アドバイザー」は、E*Tradeとパートナーとなることで、"Win Win"のビジネスをしている。
 
写真は、クライアントにスマートフォン、iPadというようなモバイル機器を使ってどう投資するかを説明しているシーンである。E*Tradeの次のステップは、このような機器を使いこなせる投資家を育成することで、教育プログラムを開発中である。今後もオンライン投資会社はクライアントのために、惜しげもなく高度で質の高い教育に投資していく。ここにも教育会社が参入できる大きなビジネスチャンスがある。
 
 





最後に
考えてみると、インフォーマルラーニングのビジネスは裾野が広い。世代によって異なるが、時代に合わせた人々の関心、興味がすべてビジネスチャンスになる。テクノロジーと組み合わせることで、インフォーマルラーニングのビジネスチャンスは限りなくある。スマートフォン、ワイヤレスのおかげで「どこでも」、「いつでも」、クラウドのおかげで「すごいことが無料で」できるようになった。ミュージック、映画、リフォーム、家探し、山登り、ガーデニング、ホームシアター、、、と限りなく続く「人の趣味、関心」がすべてラーニングビジネスのチャンスになる。
 
一旦、フォーマルラーニングという固定観念から離れて、そこらじゅうに潜んでいるインフォーマルラーニングの存在を見極め始めると、これからの時代は、ラーニングビジネスの天国ではないだろうか?


 

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