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■ iTeachers関連セミナー・イベント
日 時:2014年10月16日(木) 15:40~16:40
場 所:大宮ソニックシティ (埼玉・大宮)
タイトル    : タブレット教育活用の最前線 生き残る「教育ICT」のカタチとは
講 師    : iTeachers発起人/教育ICTコンサルタント 小池 幸司 氏
文教ソリューションフェア2014
http://event.otsuka-shokai.co.jp/14/1016bunkyo/

日 時    : 2014年11月13日(木) 10:40~11:30
場 所    : ソラシティ カンファレンスセンター (東京・御茶ノ水)
タイトル    :広尾学園 次世代へのICT戦略

講 師    :広尾学園中学高校 教務開発部 教務開発統括部長 金子 暁 氏

eラーニング専門イベント|開催概要|eラーニングアワード2014フォーラム
http://www.elearningawards.jp/program2detail.html#24
 

eラーニング導入ガイド(企業編)

企業へのeラーニング導入方法をストーリー仕立てでご紹介します。

【1】eラーニングって何?

「よし、来年度からうちも新人研修にeラーニングを導入しよう。高山くん、準備を進めてくれ」――
ABC商事の人事部で新入社員教育を担当する高山さんにとって、田中常務の発言はまさに“寝耳に水”だった。 「eラーニング」という言葉なら知っている。インターネットを使う学習法だ。だが、それ以上のことは何もわからない。 ABC商事では今まではずっと新入社員全員を本社に集め、座学中心の研修を行ってきた。それをすべてインターネット学習に切り替えるのか? eラーニングって? 導入するとどんなメリットがあるというのだろう。 準備期間は約8カ月。途方に暮れた高山さんはまず、上司の佐藤課長と相談し、とにかく疑問を解消することにしたのだった。

1、企業内教育に浸透するeラーニング

2000年代前半から急速に導入が進んだeラーニングは、学校だけでなく、大企業を中心に社員教育に取り入れる企業が目立って増えてきました。しかし、これを成功させるには、導入への準備段階でその特徴やメリット、必要な機材やシステム、実施体制などを十分に把握しておかなければなりません。

2、ICTとインターネットを活用した学習方法

eラーニングとは、「パソコンとインターネットを中心とするICT技術を活用した教育システム」の総称です。 1990年代、CD-ROMやビデオ教材、衛星通信などの活用から始まった新しい学習スタイルは、2000年代に入り、インターネットを主な通信手段として教材を配信し、LMS(Learning Management System)と呼ばれる学習管理システムを用いるものを指すのが一般的となり、ウェブを通じて教材を提供するeラーニングは、特に「WBT(Web-Based Training)」と呼ばれていました。2000年代後半には、このWBTだけでなく、小型ゲーム機を利用したオフラインでの学習コンテンツのブームや、その後のiPhone、iPadをはじめとする、スマートフォン、タブレットを活用した「モバイルラーニング」と呼ばれる学習形態も普及し、急速な拡がりを見せています。 

3、eラーニング導入の3つの方法

ひと口にeラーニングといっても、その実施方法はさまざまです。まず第一に、これまで行われてきた集合型の研修に替えてeラーニングを活用する方法。業務を進めるうえで必要となる知識や技能を身につけることが、社員研修の目的です。このなかには全員で集まって学ばなくても、個人的な学習でまかなえるものも数多くあるはずです。そこにeラーニングを当てはめ、より効率よく研修を行います。次に、通信教育などを用いて自己啓発のために行われてきた学習をeラーニングに置き換える方法。たとえば、パソコンスキルや語学修得、資格取得などのコースをeラーニング教材として揃え、各自の目標や希望に応じて選らんでもらいます。3つ目の方法は、ただ単に知識や技能を身につけるためにeラーニングを利用するのではなく、そこから一歩進んで人材開発戦略の一環にeラーニングを位置づけることです。「タレント・マネジメント」「ナレッジ・マネジメント」や「コンピテンシー・マネジメント」を取り入れる企業が増えていますが、これらとeラーニングを融合させ、HRM(Human Resources Management)またはHCM(Human Capital Management)として管理運営するわけです。

4、eラーニング導入のメリット

1つは、集合教育と比べて時間と場所の制約を受けないという利点があります。
集合教育の場合、会場の広さや講師の人数には限りがありますし、全国に展開する企業になれば出張が必要になることもあり、研修のために多くの時間やコストがかかります。その点、個人がその場で好きな時間に学習を進めるeラーニングであれば、限られた時間を有効に活用することができ、場所の移動もともないません。一人ひとりが同時期に同じ内容の学習を始められるわけですから、それだけスピーディに必要な情報を全員に行き渡らせることが可能になります。
2つ目は、“One to One”の教育が実現すること。複数の社員が受講する集合教育では、理解度や能力、到達目標は人それぞれで異なるにもかかわらず、ある程度画一的に進めざるを得ません。しかし、eラーニングでは、自分にとって必要な部分だけを選び、自分のペースで納得がいくまで学ぶことができます。わからないことは何度でも繰り返して学習すればいいのです。
3点目として、さまざまな人材開発システムと組み合わせることにより、人材管理の一元化、省力化が進むことが挙げられます。たとえば、業績評価や人事配置、昇級昇格などの個人情報が蓄積されたデータベースと研修のための学習管理システムを統合することが実現すれば、より大きな視点から個々の社員の能力開発を考えることができるでしょう。

コラム eラーニングのメリット
  • 各自の職場で学習することができるため、集合教育に比べて時間とコストが節減できる
  • 適切な配信方法をとれば最新の情報や学習内容をいち早く、低コストで配信できる
  • 多くの学習者が同じように必要とする情報や教材を一律に提供できる
  • 個人の進度や理解度に応じて効率よく、何度でも繰り返して学習できるようなコース設計が可能
  • 一人ひとりの学習の進み具合や成績を電子的に一括管理することができる
  • 講師の「質」の違いに影響されることがない
  • 会社の戦略に沿った人材開発や、個人ごとのきめ細かな能力開発が実現可能
  • 講師から学習者への一方的な知識の伝達から、社員個々の主体的な学びへと変わっていく
  • 個人学習と集合教育の組み合わせにより(ブレンディング)、教育の効率性が増す
  • BBSやテレビ会議システムなどのコミュニケーション・ツールの併用で、距離の制約を超えた協調学習・グループ学習を行うことができる

【2】eラーニング導入までの流れ

セミナーや書籍でeラーニングについて徹底的に調べた高山さん。どうやら特徴やメリットについてはほぼ把握できたようである。 「といっても、いったい何から準備を始めればいいものやら。第一、新入社員教育のどの部分をeラーニングに切り替えるのかさえ決まっていないわけだし。それに、どれぐらいの予算が降りるのかもわからない……」高山さんは再び頭を抱えてしまう。とにかく、eラーニングに必要な環境や条件を洗い出し、目標を明確にしよう。そう気を取り直した高山さんは、関係がありそうな社内の各部署との話し合いを進めるかたわら、導入までの流れと実施計画をつくることにした。

1.eラーニングに必須の環境とツール

第一に、eラーニングの導入に欠かせないのがネットワーク環境です。eラーニングは多くの場合、学習者が自分のパソコンから会社のサーバに置かれた教材コンテンツにアクセスして学習します。このため、社内のイントラネットが必要です。 なお、イントラネット方式ではなく、業者のサーバに置かれたシステムやアプリケーションを、インターネットを通じて使わせてもらうクラウド型で受講する方法もあります。 教材コンテンツも必要です。研修の内容や目的により、既製の教材を購入する場合と自社用にオリジナル・コンテンツを開発する場合があります。 さらに、学習者にコンテンツを提供し、学習者一人ひとりの学習課題や進捗状況、理解度、成績などを一元的に管理するためのLMS環境が必要となります。 以上のような環境や機材を準備するためには、当然お金がかかります。さまざまな導入事例を研究して、的確な予算組みを行いましょう。そのうえで、eラーニングを導入するまでのスケジュールと課題を検討し、実施計画を練り上げます。導入してからのシステム運用や学習支援のための体制づくりも準備段階での重要な課題となります。

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2.目的・目標を明確にする

社員教育の最終的な目標は、会社の経営方針や事業戦略に関する理解を徹底させ、業務に必要な知識や技能を向上させて業績アップに結びつけることにあるといえます。このことを前提として、なぜeラーニングを導入すべきなのかを最初に明らかにしておく必要があります。目的が決まらなければ、システムやコンテンツを選ぶことさえできないからです。また、eラーニングの成功にとって不可欠といわれる社内の理解と協力、そして十分な予算を得るうえでもこれは重要です。

3.導入までの準備にかかる時間

LMSなどの学習システムの開発と導入、コンテンツの準備と製作などには通常、最低でも3カ月は必要だとされています。その前後で実施計画を練り上げるための準備期間も考えに入れると、eラーニングを導入するまでの期間は少なくとも半年以上は見ておきたいところです。
また、多くの社員を対象としてeラーニングを実施する場合は特に、いきなりシステムを実稼働させることは危険です。開発の試作段階でテストを行うことはもちろん、パイロット版が完成したら、少ない人数で実際に使ってみて、微調整を加えながら成果が確認できた段階で本格導入を図るといいでしょう。

4.eラーニングにかかる費用

eラーニングにかかる費用を大別すると、LMSなどのシステム開発費、コンテンツの製作費、および導入後の運営費が挙げられます。とりわけシステムとコン テンツの開発に求められる初期投資は大きく、必ずしも安く手軽に導入できるわけではありません。 その点、ASP方式のLMSならシステム構築の費用がかからず、利用人数に応じて毎月決められた金額を支払うだけですみますから、安く上げたい場合に適 しています。 他方、コンテンツの場合、ITスキルや各種資格対策、語学など、どの業種や職種にも通じる汎用性の高いものは既製の教材で安くすませ、そのぶん自社なら ではのコンテンツの開発に予算を回すべきでしょう。一般に、学習者数やコース数など研修の規模が大きくなるほど、eラーニングのコストメリットは高くなる といわれています。逆に、少人数で地域間移動もなく、少ない科目を比較的短期間で学習する場合は、集合教育のほうが安く運営できるかもしれません。そうし たことも考慮に入れ、開発業者と相談しながら細かく費用項目を挙げて検討することが大切です。ほかに見落とされがちな項目として、学習サポートにかかる費 用があります。精神面や学習面で学習者を支える「メンター」や「チューター」と呼ばれるスタッフの人件費についても予算に入れておきましょう。

5.社内の体制づくりはトップの説得から

eラーニングの実施にあたっては、社内のさまざまな部署との連携が欠かせません。たとえば、LMSを社内のサーバで運用するにはシステム部門の協力が必要 ですし、コンテンツの開発では学習テーマに関連する部署から素材や知恵を提供してもらわなければなりません。そのため、eラーニングを導入する目標と目 的、運用方法、学習形態などが決まったら、関係する部署の担当者とよく話し合い、役割分担を明確にしておく必要があります。このような調整や交渉をよりス ムーズに進めるためにも、経営トップの理解と協力をまず最初に取りつけておくべきです。トップのお墨付きを得て、全社を横断する形のプロジェクトとして位 置づけてしまえば、導入準備の作業効率ばかりか、職場の支援や学習者の学習意欲も格段に高まるはずです。

【3】eラーニングに必要なシステムとは

eラーニング導入の準備を始めてからはや1カ月。高山さんは役員会議での説明も終え、全社的なプロジェクト・ チームを立ち上げることに成功した。パートナーとなるeラーニング専門の開発業者(ベンダー)も決まり、これからは来春の実稼働を目指して具体的な作業を 進めていくことになる。ベンダーの担当者が言うには、まず、「eラーニング全体をつかさどるシステム」を選ぶことが重要らしい。高山さんはベンダー側と何 度も打ち合わせを行い、eラーニングの実施形態や、それに合わせたシステムに対する理解を深めていった

1.eラーニングの開発業者

eラーニングを導入する際には開発業者(ベンダー)との連携が欠かせません。 eラーニングを専門に扱うベンダーには、LMSを開発するシステム・ベンダーのほか、コンテンツの開発や提供を手がける会社、集合教育からeラーニングまで幅広く社員教育をサポートする企業など、さまざまな種類がありますが、一般的にはシステム開発から運用まですべてのサービスをトータルに提供するベンダーが目立っています。

2.同期型か非同期型かを決める

eラーニングの実施形態を「同期型」「非同期型」の2つに分けて考えてみましょう。同期型とは「リアルタイム」を意味します。多くの場合、テレビ会議システムを用いて双方向性の高い研修を行ったり、ストリーミングLIVE放送のように実際の映像を逐次流したりするような使い方をします。たとえば、知識の獲得より意見の交換を重視する場合や、新製品の紹介など全社一斉に情報を配信したい場合に同期型は向いています。特に全国に展開する企業などでは、遠隔地とのコミュニケーションにおいて高い効果が期待できます。一方、非同期型とは、学習者が自分のペースに都合に合わせ、サーバに置かれた教材にアクセスして自由に進めるオンデマンド型の研修を指します。最近のeラーニングはこの非同期型が主流で、後述するLMSによって管理されます。どちらのスタイルを選ぶかは、研修の内容や目的によって変わってきますが、非同期型をeラーニングのメインにすえて、足りない部分を同期型で補う使い方をするケースが多いようです。 

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3.eラーニング全体を管理するLMS

非同期型のeラーニングにおいては、LMSがきわめて大切な役割を担います。 LMSは主として非同期型のeラーニングに用いられます。コンテンツの配信から学習者一人ひとりの学習状況の管理、チャットやBBSなどのコミュニケーション支援にいたるまでeラーニング全体を管理運営する、いわば心臓部にあたり、最近では人材開発システムと連動する機能をもつものもあります。LMSの規格は現在、SCORMなどの国際規格にもとづいて開発されるようになっています。
※SCORM認定商品はeLCのホームページでも紹介されています。 
コラム LMS(学習管理システム)の主な機能
学習者管理機能 学習登録、学習履歴、進捗状況、成績などの管理。学習者は自分が学ぶべき課題や進度がわかり、管理者は学習者一人ひとりの学習情報を一元的に管理することが可能
コンテンツ配信機能 サーバに保存された複数のコンテンツを学習者に配信。受講成績に応じて適切な教材を選んでくれる機能をもつものもある
コミュニケーション機能 チャット、音声送受信(ウェブキャスト)など、講師と学習者、または学習者同士のインタラクティブな交信を可能にする
 

4.ASPを活用したLMSの利用法

LMSの利用方法は大きく分けて2つあります。1つは、自社のイントラネット内にLMSを設置して運用する方法(イントラネット方式)。もう1つは、ベンダーのサーバに置かれたLMSにインターネットを通じてアクセスし、利用の規模に応じて料金を支払う方法です。 後者はクラウド型と呼ばれ、比較的短期間で手軽に導入でき、自社のネットワーク環境に負荷を与えず、サーバを管理する手間が省けるなどのメリットがあります。インターネットを利用するため、社内のイントラネット環境が十分に整っていなくても、職場や自宅で学習することが可能になります。研修の規模が比較的小さい企業では、初期投資を低く抑えられるASPの活用度も高くなるでしょう。
反面、外部のサーバーにある出来合いのシステムをレンタルして使うため、自社の事情に合わせたカスタマイズができないことや、使える機能がある程度限られてしまうため、たとえば、人材開発戦略とeラーニングを統合できない、といった弱点もあります。また、社外との交信が頻繁になるため、セキュリティを心配する企業もあります。 クラウド型の場合、学習者数やコース数によって利用料金が変わります。開発費用はかかりませんが、運用費は導入規模により異なるため、導入前に十分に検討しておく必要があります。

【4】eラーニング教材を選定・作成する

「学習システムについてはよくわかったけど、肝心なのは教材だよな。あと半年しか時間がないし、どうやって準備すればいいのだろう」高山さんの次なる悩みはコンテンツ、つまり教材の準備だった。WORDやExcel、PowerPointなどのパソコンスキルはまず必須だし、会社の事業方針や業務内容についての学習もある。できれば、集合教育のよさを残して討論会やチームワーキングも取り入れたい……。必要なコンテンツは膨大なものになりそうだ。これをすべてゼロから作成したのではあまりに効率が悪い。さて、高山さんはどんな方法を採用するのだろうか。

1.汎用コンテンツと自社コンテンツ

eラーニングの教材について、ここでは大きく「汎用コンテンツ」と「自社コンテンツ」に分けて考えてみます。 汎用コンテンツとは、業種や職種にかかわらず、どの企業の従業員でも学ぶことができる共通性の高い教材のことです。たとえば、WordやExcel、PowerPointなどIT系の基本スキルを身につけるもの、経理、営業業務などビジネス関連の基礎知識を学ぶものなどがこれにあたります。語学や資格試験対策などもあてはまるでしょう。 こうした汎用性の高い教材は、LMSに付属するものや、コンテンツベンダーが提供している既製品が安く入手できる場合がありますから検討してみましょう。 一方、どうしても自社オリジナルの教材がほしいということもあります。たとえば、自社製品に関する知識を養うもの、業務に関する専門的な技術・技能を身につけるもの、事業戦略や人材開発に関するものなどです。
これらのコンテンツは社内で、もしくはベンダーとの協力で自社専用に開発・作成することになるため費用はかなりかかります。汎用コンテンツと自社コンテンツを上手に組み合わせ、できるだけ多くの予算と労力を自社コンテンツの開発に振り向けられるようにするといいでしょう。なお、汎用コンテンツを選ぶ場合は、自社で採用したLMSで運用することができるかどうか、規格や仕様に気をつけましょう。 

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2.コンテンツを内製するか外注するか

自社コンテンツを開発するには、「内製」つまり社内のスタッフで作成する方法と、専門の開発業者に外注・委託する方法があります。最近では、eラーニングのコンテンツを比較的容易に作成することができる標準規格に対応したオーサリング・ツールも市販されていますから、大きな予算をかけずに自社で制作することは不可能なことではありません。外部に委託するよりも素早く、また業務に見合ったより専門的な知識を盛り込むこともできるでしょう。ただ、オーサリング・ツールを使いこなすには、それなりのスキルが求められるうえ、研修内容と関係の深い部署から材料を提供してもらうなど調整業務に時間と労力をとられます。音声や画像、アニメーションを交えてより教育効果の高い教材をつくるためには、多少の費用がかかっても専門のノウハウをもった業者に委託するのが得策かもしれません。長い目で見ると、コース数が増えるにしたがってコンテンツ開発にかかる費用は膨らんでいきます。導入当初は外注先ベンダーとの協力で社内にノウハウを蓄積し、徐々に内製化を進めていく方法が適切かもしれません。 

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3.セルフ学習と集合学習のブレンディング

集合教育で行われてきたことすべてが、eラーニングの教材に置き換えられるわけではありません。集合教育には、生身の交流や臨場感という、eラーニングでは得られにくい利点があります。学習者同士でコミュニケーションを図ることができるため、討論やグループワークを通じた学習が可能になり、また、実技をともなう研修にも向いています。そこで、このセルフ学習のよさをeラーニングと融合させ、互いの弱みを補完しあう「ブレンディング」と呼ばれる手法を採用する企業が増えてきました。組み合わせ方はさまざまですが、研修の始めと終わりに集合教育を行い、間にeラーニングを挟み込む方法や、逆に集合教育の前後にeラーニングを実施する方法などが考えられます。いずれにしろ、eラーニングで基礎的な知識や技能を身につけ、それを土台に集合教育でより発展性のある学習を行う方法が一般的です。 また、最近では、SNSやチャットやBBSなどのコミュニケーション機能やインターネット会議システムを併用し、交流重視の協調学習型eラーニングを導入する例も見られます。

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【5】さあ受講開始だ

4月1日、新入社員を迎えたABC商事でいよいよ導入研修が始まった。高山さんたちが採用した方法は、座学による集合研修を残しつつ、予習と復習の部分にeラーニングを活用したブレンディング方式である。万全の準備で期待を胸にこの日に臨んだ高山さん、実はまだ気がかりなこともあった。「eラーニングに対する社内の協力体制は十分だろうか。関係部署の理解がないとうまくいなかいという話もよく聞くし……」新入社員たちがちゃんとeラーニングをこなしてくれるかどうかも心配だ。修了率や成績が悪ければ、人事部の責任が問われることにもなりかねない。推進体制と学習促進、さてこの2つの課題はどう解決すべきなのだろう

1.社内の理解を獲得し、協力体制をつくる

人事部などeラーニングの運営を直接担当する部署は、大きく分けて3つの部署との協力関係を築いておく必要があるといえます。まず、学習者が所属する各職場との協力関係。ここでは課長・部長クラスの所属長にeラーニングの仕組みや利点をよく理解してもらわなければなりません。学習者が勤務中に自分のデスクのPCやタブレットなどを使用して学習することがあり得ること、また学習の進捗状況に応じて上司から適宜フォローしてもらう必要があること、などについて説明します。次に、社内のネットワークを管理するシステム部門との協力関係。イントラネット方式でeラーニングを運営する場合は特に、システム部門の技術的サポートが不可欠です。LMSを置くサーバの管理やセキュリティ上の対策も必要になるでしょう。
3つ目に、コンテンツの制作とかかわる社内の各部署やベンダーとの協力関係。eラーニングは社内に蓄積された知識を共有するためのツールでもあるわけですから、研修内容と関係する部署のスタッフにコンテンツ制作に協力してもらわなければなりません。このような関係を築くために、各部署との交渉・調整にあたる責任ある立場のスタッフを設けておくのもいいでしょう。

2.経営トップの理解を得る

多くの部署やスタッフがかかわるeラーニングをより円滑に運用するためには、役員クラスの経営陣から理解と協力をとりつけておくべきです。eラーニングは人事部だけでなく、会社全体に利益をもたらすということを説明し、全社的なプロジェクトとして推進してもらえるよう働きかけます。eラーニングを導入する企業の中には、各職場で学習者同士が集まり、学習内容や課題について話しあったり支え合ったりするためのグループを組織して成功を収めた例があります。このような仕組みを全社的に設ける場合にも、会社の方針としてトップダウン式に指示を出してもらうと有効です。

3.eラーニングの成否を分ける学習者サポート

個人で学習することが多い非同期型のeラーニングでは、一般に学習意欲の継続が難しいといわれています。そのため、学習者の動機づけを行ない、修了率が上がるようにしなければなりません。その方法のひとつが「メンタリング」と呼ばれるもので、学習者の進捗状況を見ながら、常に励まし、学習意欲を継続させる役目を担います。具体的には、eメールで定期的に学習を促すメッセージを流したり、進み具合が遅く成績がよくない学習者に対して上司を通じて働きかけたりするほか、「メンター」という専任のスタッフを置いてフォローを行う方法があります。一方、主として精神面から学習者を支えるメンタリングとは別に、学習内容に関する疑問や悩みに応えるための支援体制も欠かせません。これは「チュータリング」と呼ばれ、メンターが兼任する場合もありますが、効果的にすすめるには専任の「チューター」を設置するといいでしょう。さらに、eラーニングの実施と同時に学習者からシステムの使い方やコンピュータのトラブルなどに関する質問が数多く寄せられることが想定されます。このためのヘルプデスク機能を設けておくことも、見落とされがちな支援サービスのひとつといえます。 

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4.学習意欲の継続のために

「学習したことが評価される」という社内風土や仕組みを確立させることも、eラーニングの受講を継続させるうえで重要です。学習結果がきちんと上司に報告され、上司がそれを学習者の業績のひとつとして評価すること、もしくは学習の結果が日常業務に表れたのかを見きわめることが大切です。つまり、学習→能力向上→業績改善→評価→報酬アップ、というサイクルをうまくつくることで、eラーニングの成果が高まることになります。このようなコンピテンシー・マネジメントと結びつけた能力開発が、アメリカeラーニングの潮流となっています。なお、学習意欲の向上や修了率のアップのため、修了時に修了証を発行したり、ポイントを与えたりするなど、何らかの特典を設けている企業も見られます。

【6】eラーニングの導入効果を評価する

eラーニングを使った初めての新入社員研修も無事終了。受講後に行ったアンケート調査の件も上々で、ほとんどの学習者が「よくわかった」「学習しやすかった」と好意的な感想を挙げていた。ほっと胸をなでおろした高山さんは、新入社員以外の研修にもeラーニングを導入してはどうかと考えた。しかし、そのためにはもっと目に見える形でeラーニングの成果を報告し、会社を説得する必要がありそうだ。「全社的にeラーニングを導入するとなるとお金がかかるし、費用対効果を明らかにしないと簡単には予算が降りないな。何かいい手法はないだろうか」高山さんは、この手の評価分析で日本より一歩も二歩も進んでいるといわれるアメリカの事例を調べてみることにした。

1.eラーニングを評価するポイント

eラーニングを成功へと導き、継続していくためには、事後の評価がきわめて大切だとされています。そのポイントとして以下に4つの視点を挙げておきましょう。 

1:学習成績、2:学習時間、3:コスト、4:学習者の満足度

学習成績による評価は、従来の集合型研修と同じ内容のeラーニングを比べた場合や、いくつかのeラーニング教材を使い分けてみて効果の違いを見る方法、成績のよい学習者と悪い学習者を比較してその学習履歴を検討する、などの方法で行います。資格試験の合格率で判断する方法もあるでしょう。学習時間は、学習者がある研修課題や一定の課程を修了するまでにかかった時間を測定し、その妥当性を判断します。集合研修と比較した場合、この学習時間の短縮はeラーニング導入のメリットを明らかにするうえで非常に重要です。コストメリットはやはり、集合研修と比較してみることでより明確になる場合があります。システムや教材の開発費、運用費、メンターなどの人件費等も算入し、受講人数に応じて変化する経費の推移を割り出してみるといいでしょう。学習者の満足度は、受講中もしくは受講後のアンケート調査などによって分析します。これを定期的に繰り返すことにより、学習者のニーズが常にフィードバックされるような仕組みづくりを行うことが肝要です。 

コラム eラーニングの成果を見る視点(一例)
  • 学習者の成績(テスト得点、目標到達度、資格取得など)
  • 学習者の修了率
  • 学習者の満足度(アンケートなどから)
  • 学習時間
  • 導入・運営コスト(システム、教材、人件費など)
  • 教材の質
  • システムの質(使い勝手、管理のしやすさ、インターフェイスなど)
  • 業務の改善度合(質、効率性など)
  • 投資対効果(業績アップへの影響)
  • 社内コンセンサス(協力体制、理解)
  • 社内風土への影響(学習風土の醸成など)

2.効果測定の手法

eラーニングの成果をより詳しく評価・分析するための手法は、アメリカを中心にして発達しています。そのひとつがカークパトリック博士による「4段階評価法」と呼ばれる手法で、「学習者の満足度」「学習者の理解度」「学習者の行動変化」「学習で得られた成果」の4つのレベルで経時変化を見るものです。そのために学習者へのアンケートだけでなく、テスト、本人や上司への個別インタビューなどを行うほか、eラーニングと売上増加・コスト削減・品質向上などとの結びつきについても分析することが提唱されています。日本ではこれまでレベル2以降の「理解」「行動」「成果」に関する評価が欧米諸国に比べて弱く、今後の課題とされています。また、こうした評価方法を確立するために、最近では研修の計画や教材個々の質について教育工学的な手法を用いて科学的に分析する「インストラクショナル・デザイン」の考え方を取り入れる必要性も指摘されています。
段階  評価内容 
​第1段階:満足度  学習者の学習直後の評判、満足度
第2段階:理解度 学習者の教育目標に対する理解度
第3段階:行動変化 学習の結果として得られた学習者の行動の変化
第4段階:得られた成果 学習によって身に付けた知識・スキルを用いて得られた成果

3.業績と密着するeラーニングを

アメリカでは、カークパトリックの評価法をさらに進展させ、より業績と密着する形でeラーニングの効果を測定する企業も増えてきました。すなわち、経営指標のひとつとしてeラーニングの「ROI(Return on Investment)」を明らかにすることです。ROIは一般に投資対効果を意味します。つまり、eラーニングを導入したことにより事業の収益率がどれくらい上がったのかを、eラーニングにかかる総コストとの関係で割り出すのです。目に見えない教育効果を測ることは容易ではありませんが、たとえば事業計画と期待される売上目標から最低限必要とされる人員と能力を割り出し、実際に投入できる人員とのギャップをeラーニングによって埋めるという考え方を用いれば、その評価基準も比較的明確になるといえるでしょう。また、統計分析の手法を用いて、同じ学習課題に対して集合研修を行うグループとeラーニングを行うグループとを設定し、両者の学習成果やコストを比較することにより投資効果を割り出す方法も考えられます。
こうした観点からも、eラーニングの導入効果を測る姿勢が求められていくことになるでしょう。

ユーザー導入事例 <企業編>

『JMAMeラーニングライブラリ』と『Generalist/LM』によるグローバルモバイルラーニング
株式会社日本能率協会マネジメントセンター(東芝ソリューション株式会社)

グループ全体の研修システムを短期間で構築!決め手は“Mac対応”と“価格競争力”
株式会社イマジカ・ロボット ホールディングス(株式会社デジタル・ナレッジ)

ネット研修システムの導入で販売店へのバックアップ体制強化を実現 フランチャイズビジネスにおける教育の課題解決へ
出光興産株式会社(株式会社デジタル・ナレッジ)

新・情報伝達ツールで『コスト削減』『売上アップ』を実現
ミニストップ株式会社(株式会社デジタル・ナレッジ)

社員向け研修制度のeラーニング化
株式会社すかいらーく(株式会社デジタル・ナレッジ)

OJTと連動した“実践型eラーニング”で研修の効率化・売上アップを実現   
ドミノ・ピザ ジャパン株式会社(株式会社デジタル・ナレッジ)  

「5分の空き時間でもストレスなく学べる」eラーニング研修を確立!  
大塚製薬株式会社(株式会社デジタル・ナレッジ)

専門性の高い資格取得学習にこそ、eラーニング!  
シグマベイスキャピタル株式会社(株式会社デジタル・ナレッジ)

ユーザー導入事例 <学校編>

iPadを活用した資格試験対策指導を実現
独立行政法人 国立高等専門学校機構 国立米子工業高等専門学校(株式会社デジタル・ナレッジ)

コンテンツ作成の費用問題をクリアして医療教育をeラーニング化
学校法人 西野学園  札幌医学技術福祉歯科専門学校(株式会社デジタル・ナレッジ)

インターネット上での受講だけで卒業・学位の取得が可能な、日本初のeラーニング大学  
八洲学園大学(株式会社デジタル・ナレッジ)

「学校危機メンタルサポートセンター」を中心に取り組む安全教育
大阪教育大学附属 池田小学校(株式会社デジタル・ナレッジ)

ユーザー導入事例 <教育ビジネス編>

“先生が隣にいるような感覚”で学べる、懇切丁寧なラーニング
株式会社明光ネットワークジャパン(株式会社デジタル・ナレッジ)

自社の教育ノウハウを活かした個別指導システムを実現
株式会社市進ホールディングス(株式会社デジタル・ナレッジ)

通学が難しい受講希望者向けに、高品質な教材と学習環境を提供
デジタルハリウッド株式会社(株式会社デジタル・ナレッジ)

教員採用試験の受験生向け学習サイト
株式会社時事通信出版局(株式会社デジタル・ナレッジ)

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