2012年から専門学校で通信制学科が制度化されます。専門学校においてeラーニングがどのように活用されるのか、その可能性について連載しました。

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回
 
著者のプロフィール
米澤 豊
株式会社ビーアライブ 代表取締役
【専門学校と経営】事務局長
大手広告代理店でプロデューサーとして長く勤務した後、富士通ラーニングメディアの販促・広告宣伝を担当。その後、Linax資格団体の再生などを行う。2007年、株式会社ビーアライブhttp://www.b-arrive.jp/ を設立。現在、財団法人専修学校教育振興会と連携し、【専門学校と経営】http://setten.sgec.or.jp/ を企画、運営や株式会社日経HRと【日経HR ITSS人財NET】の企画運営なとを展開中。

第1回 「新たな文教マーケット」

はじめまして。(財)専修学校教育振興会「専門学校と経営」事務局、株式会社ビーアライブ代表の米澤と申します。
2012年に専修学校において、通信制学科が制度化される見込みとなっています。この通信制学科では、多くの学校がeラーニングを導入すると予測されてい ます。そこで、暫くの間、専修学校・専門学校に関する情報を皆様にお伝えする為に、日本イーラーニングコンソシアムのサイトをお借りしてお伝えさせて頂き ます。このような機会をお作り頂きました小松会長、関係者の皆様には深く感謝いたします。この場をお借りいたしまして御礼申し上げます。
では、早速専門学校とは何か?・・・記述させて頂きます。
えっ?知っている??ご存知の方は読み飛ばして下さいね。ただ、各種学校や予備校などとよく間違えられますので、一応お話しいたします。

◆専門学校とは?

専門学校とは専修学校の一つのカテゴリーであり「専門課程」を置く専修学校だけが称することができる学校群です。高等課程や一般課程を置く専修学校 であっても、専門課程を置いていなければ「専門学校」と称することはできない。wikipediaから引用いたしますと『専門課程さえ置いていれば、高等 課程を置いていても一般課程を置いていても、使用できる名称である。』と記述されています。専修学校の中で専門課程を持っている学校群が多いことから専修 学校=専門学校、若しくは専門学校がカテゴリーのように扱われています。まぁ大した問題でもございませんが・・

とある大手企業に伺った折、このような会話がございました。
「うちの会社は、高等学校や大学は文教営業部が管轄しているのですが・・専門学校はよく判らないので法人営業部が担当しています。」
また、別の会社では「専門学校という名前は知っていますがマーケットとして見ていません、大学マーケットを主眼にしていますので」
・・驚きました。同じ学校法人なのに。ただ、大学の300万人に迫る勢いの大学生を有する大学業界と64万人足らずの専門学校業界では当然企業大学を狙いますよね。
それはもっともだと思います。

では、大学業界と専門学校業界を単純に比較してみましょう。

■大学の数

  国立 公立 私立
学校数
(H21.4.1現在)
86校 77校 595校 758校
在学者数
(H21.5.1現在)
621,788人 136,914人 2,087,263人 2,845,965人
出典【学校数:全国大学一覧、在学者数:学校基本調査】

■専門学校

総数は約3300校。在籍学生数は64万人と言われています。学校数は、大学の3倍以上ありますが学生数で比較すると4~5分の1程度となります。1校平均で計算すると専門学校は200人程度の学校となります。
ただ、実際には最低40名から設立できますし、また、100名以下の小規模校もありますからこの平均値となります。500~1000名の学生を有する中堅 校以上はかなり設備も整った学校と言えるでしょう。大学から比べると小規模で資格獲得支援、就職支援など手厚い教育を提供している学校群と言えるでしょ う。
その他の違いとしては、監督官庁の違いもあります。大学は文部科学省が監督し、専門学校は都道府県となります。

◆変革する専門学校の役割

専門学校関係者が読んだらお叱りを頂く事となるでしょうが、私が持つ専門学校のイメージとは余り良いイメージではありませんでした。
高校生の時「専門学校でも行こうかな・・」という友人が結構いましたが、そのような事を言っている奴は不真面目で、高卒で働く勇気も大学に進学する努力も しない中途半端な奴が多かったと記憶しています。当然、総てではなく、目的意識を持って高い目標に向かい専門学校に進学する高校生も多かったと思います が、私のイメージとはそんなものでした。一方で、わが身を振り返ると強烈な目的意識を持って大学に進学した訳でもないので、彼らとなんら変わらないと後で 気づきましたが・・。
では、今はどうなのか?大学でもそうですが真面目な学生もいればそうでない学生もいる。ただ、まず20数年前と専門学校業界を取り巻く環境は大きく変わりました。
私が感じる一番の変革事項は、【高校生人口の減少】【大学の増加と全入時代】と思います。この2点から始まる専門学校業界の変革は目を見張るものであります。
その辺は次回・・

第2回 「企業から見た専門学校」

専門学校の概要に関しましては、前回お書きいたしました。
弊社が(財)専修学校教育振興会(以下専教振)とコラボレーションして【専門学校と経営 http://setten.sgec.or.jp/】と言うサイトを運営する中で、「専門学校業界の可能性と抱える問題」に関して良く判った事があります。今回は、その"活きた実態"に関して書かせて頂きたいと思います。

①『誤解だらけの専門学校』

専教振の名刺を持ち、連携を依頼する為に様々な企業に訪問しました。
『専門学校業界を統括している団体ですが、専門学校と連携しませんか??』と行く訳です。知り合いの会社やHPの問い合わせフォームから連絡を入れて訪問する・・色々とやりました。企業側の対応は、1stアポイントメントにも拘らず会って頂ける確率は高い。
(結構上の役職の方が出てくる事には驚きましたが・・。)

お話ししてみると 専門学校に関して殆ど理解されていない事に改めて驚きました。
反応は、大体下記に大別されます。
『ECCも専門学校ですよね?』『代々木ゼミナールさんとは取引あります』
専門学校のカテゴリーさえ正しくされていないのが現状です。
そして、必ず言われる事は・・
『大学と比較すると小さいですよね』
『大学全入時代ですから専門学校は辛いでしょう』。

この言葉を言われますと逆に『よしよし』と思います。
実は真逆なんですよ、専門学校業界は。
本題に行く前にお断りしておきますが、総ての専門学校が成長経営をしています・・と言う事ではありません。大学と同じように経営に行き詰っている専門学校も多く存在している事はまた事実です。
では何故、専門学校業界にはフォローウィンドが吹いていると言われているのでしょうか?

②何故、今"専門学校"なのか?

A,労働人口の減少


B,非正規雇用者の増大

上記の問題に加えて、ニート という新たな問題も出てきました。

このような背景の下、中心校では90%後半という高い就職率を武器に
確実に就職する=専門学校 というブランドを着実に付けてきました。
また、文部科学省・経済産業省などの行う職業人育成、雇用対策などの指示を受けて、入学生の増加と社会インフラとしての役割の確立と共に専門学校は大きくその役割を延ばしてきています。
つまり、大学より高い就職率(平均値)が高校生、その親に浸透し始めた。
そして、フリーター・ニートの就業の要の教育機関としての役割・・社会的なインフラとしての認知などにより今注目される業界になりつつあります。

文科省では、専門学校業界に対して大きな3つの変革を加えようとしています。
【学校教育法第1条への記載】
【通信制学科の正式導入の認可】
【単位制の導入】
これにより更に変革は加速化し、大きな潮流となっていきます。

次回は、この3つの大きな流れに関してお話しいたします。

第3回 「専門学校業界の大きな3つの変革(1)」

前回の予告では、専門学校業界における大きな3つの流れについてお伝えすると申し上げました。
今回は、その中の【通信制学科の正式導入の認可】についてお話し、それに関連する企業における専門学校へのプロモーション事例のご紹介を致しましょう。

①専修学校における「通信制学科」の制度化

今年の3月 に「専修学校教育の振興方策等に関する調査研究協力者会議(協力者会議)」の最終報告として文部科学省から公表された報告書の附属資料として、専修学校における「通信制の学科」及び「単位制による学科」の制度設計試案の資料が公開されました。

資料:「専修学校教育の振興方策等に関する調査研究報告」(PDF)
(リンク先:http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/senshuu/__icsFiles/afieldfile/2011/05/11/1305537_01_2.pdf
※上記資料のP.21以降

今回は、「通信制学科」についてお話します。専門学校においては、すでにeラーニングを導入している学校も多くござい ます。でも、それは在校生に対してサービスを追加する意味でのeラーニングです。復習ができる、欠席した授業の録画内容を見ることができる、資格対策のe ラーニングコースを受けることができる。。。これらは、学校の運営側の立場で考えると、同じ学費の中で対応しなければならないことでした。

ですが、2012年から「通信制学科」として制度化されるとどうでしょう。新しい学科の設立ということですから、新たな学生層を取り込むことができるわけ です。実際に、政府の考えとしては、専門学校の役割として、フリーター、ニートに対して、職業技術を身に付けさせて、社会へ送り込むための機能となること を期待しているとか。その方向もあるとは思いますが、専門学校が新たな入学対象として見ているのは、大学生のダブルスクールや、働きながら新しい技術を身 につけたい人です。
もちろん、通信制学科の制度案には、「メディアを利用して行う授業」という記載があり、eラーニングを視野に入れた内容となっています。
こうなると、今までサービスとしてのeラーニングだったのが、学科の教材、教室という位置付けで考えることができます。

このような状況下で、早い専門学校はプロジェクトチームを立ち上げて、検討に入ったそうです。

そこで、【専門学校に於ける通信教育導入】を見越して、専門学校に新しいeラーニングを提案していくため、セミナーを開催した企業が2社ございますので、ご紹介いたします。

■専門学校における通信制学科 認可に向けたノウハウ提供セミナー

初めにご紹介するのは、ソフトバンクテクノロジー様のセミナー。http://setten.sgec.or.jp/seminar/001.html 

7月と8月に、東京、大阪で計3回開催しました。テーマは、「スマートデバイスを活用した通信教育」。校長やシステム関連ご担当の先生、合計で約50名が参加しました。
学校市場では、iPhone、iPadのユニークな導入事例が数多く出てきています。これから通信制学科を検討する専門学校にとって、これらのスマートデ バイス活用は重要なポイントとなるでしょう。セミナーでは、最新の導入事例をVTRや実機での実演を交えて紹介。参加された皆さんも、かなり真剣にメモを とっていました。

スマートデバイスに対応したシステム、コンテンツについては、セミナー開催の要望が多いので、継続して企画していきたいと思っています。

次は、10月19日に開催したeLCの会員様でもあるレビックグローバル様とウィザス様によるセミナーです。
http://setten.sgec.or.jp/seminar/002.html
http://setten.sgec.or.jp/seminar/repo111019.html 

先般、私どもで専門学校様に通信制学科に関するアンケートをとりました。その質問項目の1つとして、「通信制学科を立ち上げるにあたっての課題は何か」を聞いたところ、最も多かったのは、「運営」に関することでした。

その中でも、通信教育と面接授業の組み合わせを運営面でどのように対応していくのか。それともうひとつは、学生のモチべーションをどのように維持して、卒業まで学習させるようにするかです。
このセミナーでは、これらの答えとして、通信制高校であるウィザス高校の事例を紹介していただきました。

専門学校の理事、校長などにご参加いただきましたが、このセミナーのポイントは、学校での事例を元に、その運営ノウハウについて話が聞けるということ。実際に学校で運用している内容なので、きっと専門学校の皆様には今後の運営のヒントとなったことでしょう。

いかがでしたか?
次回は、さらに「単位制」が導入されることによる影響についてお話したいと思います。

第4回 「専門学校業界の大きな3つの変革(2)」

 前回、【通信制学科の正式導入の認可】について、eラーニングを導入する観点で述べましたが、文部科学省の意図についても少しお話しておきましょう。その後に単位制の導入についてお話していきます。

「中教審、専門学校にも単位制・通信制を導入へ
文科相に答申、12年度から」


2011年1月31日、中央教育審議会は、職業教育の充実を目指し、専門学校などに単位制や通信制学科の設置を検討するよう高木義明文部科学相に答申しま した。この時点から、2012年度からの単位制・通信制の導入を目指して、文科省が関係法令などを改正していくことが明確になりました。

《「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(答申)》http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1301877.htm

専修学校の専門課程(=専門学校)では、通学せずに自分のペースで学習して資格が取得できるなど、社会人のキャリアアップにつなげるのが狙いとされています。答申の中では「多様なニーズに応じた、多様な職業教育が必要」と記されています。
いわゆるニート、フリーターの就労対策として、専門学校がより機能することを目的とした制度化、というわけです。しかし、実際にはこの改正により、働きな がら学びたい社会人や、高校中退者、不登校経験者など、様々な事情により学ぶことができなかった人にとっても、専門学校が利用できる教育機関となるため、 その重要性はより一層増していくと思われます。

その他にも、この答申の中では、若者の早期離職率が高いことを踏まえて、高校卒業者を対象とした職業教育に特化した新たな学校制度や、義務教育段階の職場体験学習の充実も盛り込まれています。

この、通信制、単位制についての答申をうけて制度設計試案として出されたのが、前回ご紹介した資料です。

資料:「専修学校教育の振興方策等に関する調査研究報告」(PDF)
(リンク先:http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/senshuu/__icsFiles/afieldfile/2011/05/11/1305537_01_2.pdf

さて、では単位制が専門学校に導入されるとどのような変化がおきるでしょうか。

単位制に関しては、実は高等専修学校(高等課程)のうち、大学入学資格付与指定校の指定を受けている学科は、現状でも35時間を1単位としたカリキュラム編成となっているため、実際に単位制を導入することになっても、問題なく進むと思われます。
一方、余り知られてはいませんでしたが、専修学校・専門学校の場合は、卒業する為には「出席日数」を基本としており、大学のように何単位以上を取得すると 卒業を認められるという単位制ではありません。単位制を導入していくには、ここをクリアする必要はあります。これは制度の問題なので、この件はここまでと しておきます。

しかし、単位制が導入されれば、大学との単位互換、他の専門学校との単位互換が可能となり、それを促進するのが通信制の導入となります。
この単位制と通信教育の導入が実現すると、自分の都合に合わせた時間に、自分にあった科目を、好きな時間に 好きな場所で授業を受けられる事となるのです。

どうでしょう。あらたな教育ニーズがたくさん見えてきませんか?

次回は、その後の動きについて、ご紹介していきたいと思います。

第5回 「専門学校業界の変革の具体案」

 2012年1月、専門学校における制度改革に関しての動きがございました。

学校教育法施行規則及び専修学校設置基準等の改正に関するパブリックコメントの実施について・・という内容で
e-Gav(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000557)に掲示されています。
詳細はHPをご覧いただけましたらご理解いただけますので、今回はその内容をかいつまんでご紹介したいと思います。

結論から申しますと、文部科学省として
平成23年 年度内:法令改正
平成24年4月:施行
を基本スケジュールとして、専修学校約3,300校に対して、通信制、単位制の制度化を実施するというものです。

まず、今回の制度改革に関して、日本eラーニングコンソシアム会員企業の皆様に関連するものとして【単位制・通信制の制度化】が挙げられますので、特化して今回はお話しいたします。
一部私見も入っていますが・・

高等学校や大学では早くから通信教育が認可をされてきましたが、専修学校・専門学校に於いては、実技重視の職業教育を行うという観点から中々制度化には至りませんでした。

しかし、今回非正規雇用者の増大や、通学が難しい学生、そして大学中退者や高卒者が働きながら学べる環境を整備するという狙いもあるのでしょう、今回の制度化に向けた動きとなっています。

今回のパブリックコメントを見てみますと・・

生涯学習機会の充実の観点から

●社会人等の多様な学習ニーズへの対応
産業・就業構造の変化に伴い、社会人においては、自分自身でスキルアップやキャリア変更 を行うことを求められる場面が増加。学習の時間や場所に制約を受けることが多い社会人が、 働きながら学習しやすくなるよう、多様な学習スタイルに係る環境整備が必要。

●短期教育プログラムの積み上げ・単位制導入による体系的な学習成果の評価の促進
専修学校の現行制度は、1年以上の授業時数制・学年制の教育課程を基本。学習者の多様 なニーズに応えるため、短期教育プログラム積み上げ方式の教育や、これらの教育の体系的 な学習成果の評価を促進。

となります。

『学習の時間や場所に制約を受けることが多い社会人が、 働きながら学習しやすくなるよう、多様な学習スタイルに係る環境整備が必要。』という1文を読み解くと、行政として、単なる専門学校の経営拡大を狙ったものではなく"社会人の学習機会の向上"というように読めて取れます。しかし、単に社会人が学習をする・・と言った場合、今では多くの選択肢があります。大学のオープンキャンパスに行くのもよし、また、学校ではない資格取得の為のスクールも数多くあります。では何故今になって専門学校なのでしょうか?

あくまでも私見ですが、制度化の背景には、就職直結の専門学校の学習システムや卒業資格、そして手厚い就職支援があるのではないでしょうか?

つまり、高卒(大学中退者含む)就業者を対象として更なる学習機会の向上を行うと共に専門学校卒業資格と相応のスキルを身につけさせ、専門学校の就職ノウハウを基本に正規雇用として就職させていく・・という事と考えられます。

つまり、対象者としては高校生ではなく社会人・・だと想定できます。

次回は、今回のパブリックコメントを受けて専門学校側の動きをご紹介したいと思います。

第6回 「専門学校業界のe-Learning動向」

 2012年1月、専門学校における通信教育の認可に関するパブリックコメント
【e-Gav(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000557)】
が発表され、そしてついに3月30日付けの官報で、2013年4月1日からの通信制学科に関する省令が施行されることが明記されました。

これを受けて4月以降、各専門学校にて具体的な検討に拍車がかかったように感じられます。

一方で、通信教育に対応しなくてはならない専門学校の状況はどの様になっているのでしょうか?

現在、専門学校における通信教育の状況を調査しています。その一部を抜粋してお知らせいたします。

【専門学校における通信教育(e-learning)導入調査】
■調査校数 30校
■調査方法 聞き取り調査
■対象者 校長、教務部長等

まず、大手専門学校における通信教育導入に向けての各校の取り組みは、以下に大別されます。

①正科の学科の補助として試験的に導入。その後、通信制学科を設立
②現在実施中の社会人向け研修に対して導入。状況に応じて通信制学科を設立
③他校の動向を様子見
④文科省等の委託研究事業でカリキュラムを開発。その後、実施
⑤あまり興味なし

<システムとコンテンツ>
・系列校や地域がぶつからない友好関係のある複数の学校と共同でLMSを作りたい
・ヒューマンスキル系等、共有できるコンテンツは複数校が集って共同で作成したい
といった、初期費用を共同で負担するプランまで考えている学校も多くありました。

コンテンツ制作に関しては、自校で既存カリキュラムをデジタルドキュメント化することを基本に、文部科学省委託研究事業による開発等幅広い回答が聞かれました。

<課題>
・運営ノウハウがない
・通信制の場合の講師スキルは、本科と何が違うのか
・本科の学生募集と対象が異なるので、募集方法も要検討

このように、通信制学科の運営面の具体的課題について、各校とも情報収集を行っていることがわかりました。

その他に、品質、学生管理(本人確認等)についても、多くの学校が知りたい点としてあげていました。

文部科学省の所見によると、2013年4月からの制度化となっているが専門学校各校の現場にはまだまだ情報が無く、各校とも情報収集をし始めたという段階です。

同時に都道府県の対応も、まだ整っていないところも多く、学科としての立ち上げのボリュームゾーンは2014年・15年辺りになるのでは・・と感じました。また、校長以下教員に関してもe-learningに関して見識が無く、これから調査を行い、見積等詳細な打ち合わせを行いたい・・との希望が多かった事をご報告いたします。

第7回 「専門学校業界のe-Learning動向」

2013年4月に専門学校における通信教育の認可が正式発表された事はご報告させて頂き、前回は導入に関する調査結果についてお話しました。

しかし、よく、eLC会員様含めe-learning関連企業様から質問される事があります。 
 
『導入する学校はやはりIT系専門学校なのでしょうか?』
 『3000余校の専門学校のうち何校がe-learningを導入するのですか?』
 『2013年4月から導入されるのでしょうか?』
 『LMSやContentsは一から作るのですか?』
 等々・・

このような質問に関して正直にお答えするのですが・・結論としては【判りません】なのです。
 ただ、このように回答してしまうとeLC様HP内 私のコーナーも終わってしまいますので全体の方向性(一部私見)をお話しいたします。

■何校が導入するのか? 通信教育と親和性の高い専門学校とは?

何校が導入するのか・・・正直判りません。ただ、これに関しては正直私も意外でした。私もIT系やビジネス系、クリエイティブ系・・つまりPCベースの専 門学校が中心と想定していました。しかし、e-learningの勉強会を実施しました所、『理美容』『調理』『自動車整備』など、一見e- learningには親和性の少ない学校が積極的に参加されていた事に驚きました。座学ベースの基本的カリキュラムだけでなく、e-learningでプ ロフェッショナルの手元を映像で見せたい等という意図があるようです。
約3200校のうち何校が導入するのか?その回答は誰も判りませんが私の私見としては、
1500~2000校ではないでしょうか。その時のkeywordは、どの位協会や関連NPOが通信教育のインフラを整えられるか・・だと思います。

■いつから導入するのか?

当たり前ですが、専門学校は全て別法人であり共通の指針の下、歩調を合わせ動く事はありません。商工会議所に登録をしている中小企業が一定の法則や指針の下経営を同調させる事が無いのと一緒です。
  2013年から正課として通信学科を設立する学校は少ないでしょう。10校かその前後だと推測いたします。
 しかし、正課として通信教育学科(e-learning導入)までは、まず通学制カリキュラムの補助教材として導入。担当教員に通信教育実施にノウハウ を持たせてから、2014年・2015年~随時導入・・という学校は結構あると聞き及んでいます。若しくは、夜間コースを持っている学校が学生数減少によ り必要に迫られて2013年~導入する・・と言ったケースも報告されていますので、eLC会員の皆様としては、積極的に提案をされていくのが良いと思いま す。
 既に大手グループでは、e-learningを試験導入しており実証を行っている学校もありますので。

専門学校における通信教育導入・単位制導入は、『中核的専門人材の育成』『東日本大震災からの復興人材の育成』など、文部科学省の指針を踏まえた戦略的事業です。当然通信制学科の導入は個別の学校法人に任されていますが、このような背景を外して考える事はできません。
今後、専門学校が担う人材育成にはこの通信制学科は無くてはならないものであり、浸透していくものでしょう。
ただ、個々の学校法人では体力にも大きな開きがありますので、押し並べて一斉導入と言う事はできません。
学生数が10,000人単位の学校法人では、独自のLMSやContentsを開発する事はできても、学生数500人前後、またはそれ以下の学校法人 ではできない事は明白です。このような状況を打破するのは、やはり47都道府県の専修学校各種学校協会や(一財)職業教育・キャリア教育財団などの団体で はないでしょうか?
 このような公的団体が共通のプラットフォームや基礎カリキュラムを安価で提供する事により、通信教育(e-learning)の普及スピードは倍加されると思います。どの様に団体が動くのか・・は今後も注目です。

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