初めてのeラーニング

初めてのeラーニング
 

用語集目次一覧

用語集目次一覧

用語集目次一覧
A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K | L | M | N | O | P | Q | R | S | T | U | V | W | X | Y | Z
あ行 | か行 | さ行 | た行 | な行 | は行 | ま行 | や行 | ら行 | わ行 | 0~9

 

[A]
  • ADL(Advanced Distributed Learning)
     1997年に設置された米国の国防総省系組織。企業や団体として法人格を有している組織ではなく、国防総省の内部組織として、eラーニング規格の標準SCORM(Sharable Content Object Reference Model)を提唱し、世界にその採用を促している。
    ADL Webサイト: http://www.adlnet.org/
    【関連用語】 SCORM

  • AEN(Asia e-Learning Network)
     2000年10月、日中韓・ASEAN経済閣僚会合で、日本の平沼経済産業大臣(当時)が「アジアIT共通スキル標準化イニシアティブ」を提案し、翌2001年9月、アジアの経済開発と人材育成を目的とした「アジアeラーニングイニシアティブ」を提案、承認された。これに基づいて日中韓とASEAN10カ国が「アジアeラーニング ネットワーク」(Asia e-Learning Network、以下「AEN」という。)を形成した。
     AENの具体的な活動は以下の3点である。

    1) e-Learningに関する最新動向・技術情報等の情報共有
    2) e-Learningにかかわるシステム・コンテンツの相互運用性を確保するためのコンセンサス形成
    3) e-Learningの利用促進、啓蒙・普及について継続的な協調

     2002年度~2004年度の間に「AEN国際カンファレンス」や相互運用性の実証実験、国際ワーキング・グループ活動が開催され「eラーニングに関る技術情報等の交換」や「標準規格に則ったeラーニングシステムやコンテンツの開発/提供」など種々の成果を収めた。
    AEN Webサイト:http://www.elc.or.jp/aen/content/japan/index.html

  • ASP(Application Service Provider)
     業務アプリケーションソフトを提供する事業者のことであり、ソフトを販売せず必要な機能だけをインターネットなどの通信回線を利用して貸し出す。ホームページの閲覧に使うブラウザさえあれば、いつでもどこからでも利用できるので、ユーザーは自社でサーバを立てる必要もなく、ソフトウェアを導入する必要もない。また、運用管理もすべてプロバイダが行うので、ユーザーは自社で運用・管理の手間をかけることなくシステムが利用できる。

  • ASSUREモデル
     インストラクショナルデザインの際に有効なプロセス。Robert Heinich, Michael Molenda, James D. Russell, Sharon E. Smaldinoによって書かれた「Instructional Media and Technologies for Learning」で紹介されており、以下の6項目の頭文字によるものである。
     Analyze learners(学習者の分析)、State objectives(目的の明確化)、Select methods media and materials(方法やメディアの選択)、Utilize media and materials(メディアや素材の最適化)、Require learner participation(学習者の参加要求)、Evaluate and revise(評価と改編)

  • ASTD(American Society for Training Development)
     ASTDは、1944年に設立された非営利団体で、「全米人材開発機構」と訳される。毎年、米国内の都市で世界最大の人事学会を開催しており、世界各国からトップ企業の人事担当幹部、大学や研究機関の人事研究者が集い、最新の事例やツールの情報交換が行われている。 2008年、日本支部であるASTD International Japan が設立され、日本におけるASTDの情報発信などを含めた各種の活動をボランティアで行っている。
    ASTD International Japan:http://www.astdjapan.com/

    [
    PAGE TOP]
[B]
  • Beyond e-Learning
     米国のトレーニングのマネジメントコンサルタント、マーク.J.ローゼンバーグが2006年10月に著した書籍。ICTを活かして仕事の生産性を上げることが重要となる時代にふさわしいeラーニングを実現するための理論をまとめている。
     ローゼンバーグは、これまでのeラーニングは構造化された知識を学習者に伝える機能に留まっていて、本来の持てる機能を発揮しているとは言えないと指摘する。学びが仕事の遂行に貢献するためには、仕事の中で必要な情報すべてを必要な形で入手できることが重要だと述べ、それを実現するために検索エンジン、ネットでのコミュニケーションに使われるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの活用が必要と主張している。これまでの集合教育の代替手段的な見方をされてきたeラーニングを超えて、仕事に役立つラーニングになるには、いわゆるフロー情報といわれる種類の情報とコミュニケーション機能を扱うことが重要であると説いている点が新鮮である。
    【関連用語】 SNS
[C]
  • CALL(Computer Assisted Language Learning)
     コンピュータを使った語学学習(Computer Assisted Language Learning)のこと。CALLの概念には、教室授業において利用されるものも、自宅での自己学習に利用されるものも含まれる。教室授業においても、近年、コンピュータ・ラボを使った外国語学習クラスなども、極めて当たり前の情景として見られるようになった。国内外を問わず、CALLに関する学会やワークショップも数多く開催され、活発な議論が展開されている。

  • CGC (Consumer Generated Content)
     1997年に設置された米国の国防総省系組織。企業や団体として法人格を有している組織ではなく、国防総省の内部組織として、eラーニング規格の標準SCORM(Sharable Content Object Reference Model)を提唱し、世界にその採用を促している。
    【関連用語】 UCC

  • Community of Practice(実践コミュニティ)
     あるテーマに関する関心や問題、熱意などを共有し、その分野の知識や技能を、持続的な相互交流を通じて深めていく人々の集団のこと。現代社会で言えば、職場や学校がこれに当たる。「状況的学習法」を確立させるための構成主体を指して、この「Community of Practice(実践コミュニティ)」という言葉が使われている。「Situated Learning(1991)」の著者、Jean LaveとEtienne Wenger両氏は、「学習者は、この実践コミュニティに参加(正統的周辺参加)することで、単にそこで知識や技能を学ぶのではなく、外部環境と学習者間の関係が変化すること、学習者の内部環境の変化そのものが学習となる」と言っている
    【関連用語】 状況的学習法
[D]
[E]
  • e-Book
     電子化された情報のこと。携帯電話をはじめとする情報携帯端末の画面上で読めるデジタル化された情報群を指す。日本では小説のようなアミューズメントコンテンツの電子化イメージが強いが、e-Book先進国では、科学論文、書籍、マニュアル類など業務や研究に活用するコンテンツの活用や新しい産業としての発展が期待されている。電子ブックリーダーは、各社から発売されているが、独自の規格を利用していたため、互換性がなく普及に足かせとなっていた。近年ソニーが、大手出版各社で組織されるInternational Digital Publishing Forumが推奨するEpub形式を受け入れるなど、各社の独自形式からオープン化への動きが進んできている。また、米アマゾン社が2007年に発売した電子ブックリーダー「Kindle(キンドル)」は、米国内で爆発的な売り上げを記録するなど、今後の電子ブック業界の発展が注目される。
     書籍情報の電子化に早くから取り組んでいるアメリカなどでは、電子化された専門書やマニュアルをエンタープライズ・ナレッジ・プラットフォームに搭載し、検索エンジンで業務に必要な情報を提供するサービスもある。e-Bookは狭義のeラーニングのコンテンツと非構造化情報のコンテキストとの中間に位置する専門知識の提供手段であり、将来は発展可能性のあるビジネスモデルである。韓国の行政機関ではeラーニングの重要な発展分野として注目している。
    【関連用語】 エンタープライズ・ナレッジ・プラットフォームコンテキスト

  • e-Japan戦略
     すべての国民が情報通信技術を活用できる日本型IT社会を実現するための構想で、2000年9月21日に森喜朗首相(当時)が所信表明演説で打ち出した。 全国民がITのメリットを享受できる社会を実現し、それによって産業分野での国際競争力の強化や経済構造の改革、国民生活の利便化などを成功させることを目的に、国家が中心となって情報技術の普及に取り組み、高速で安価なインターネット通信網の整備などにより、2005年までに世界最先端のIT国家となることを目指した。具体的な目標は、

    2001年=すべての国民が安価でインターネットに常時接続することを可能にする
    2002年=電子商取引の制度基盤と市場ルールを整備する
    2003年=電子政府を実現する
    2005年=米国水準を上回るIT技術者の確保ができるよう人材育成を強化し、同時に超高速アクセスが可能なインターネット網を整備する
    ――など。

    【関連用語】 e-Japan戦略Ⅱ

  • e-Japan戦略Ⅱ
     「2005年までに世界最先端のIT国家となる」ことを目指したe-Japan戦略に続き、「2006年以降も世界最先端であり続ける」ことを目標に掲げるIT戦略で、2003年7月に発表された。
     e-Japan戦略から2年半、各種施策を実施してIT基盤が整備されてきた第1期を受け、第2期IT戦略として、IT利活用のための方策を示した。 「社会全体が元気で、安心して生活でき、新たな感動を享受できる、これまで以上に便利な社会」の実現に向け、医療、食、生活、中小企業金融、知、就労・労働、行政サービスの「先導的取り組み7分野」の推進と、新たなIT社会基盤を整備するための方策などが盛り込まれた。
    【関連用語】 e-Japan戦略

  • eLC
     特定非営利活動法人日本イーラーニングコンソシアムの略称。呼称は「エルク」。
    【関連用語】 日本イーラーニングコンソシアム

  • eLP資格制度
     日本イーラーニングコンソシアムが実施する「eラーニングプロフェッショナル」(e-Learning Professional)資格制度。日本でのeラーニングの速やかな普及と、企業や高等教育の現場での有効な活用促進のため、ユーザー、ベンダー双方のeラーニングプロフェッショナルの育成を目指している。
     基礎となる『eLPベーシック』、7つの職種で構成される『eLPプロフェッショナル』、更に上位資格の『eLPシニア』、『eLPマイスター』で構成されている。
     資格取得のための研修コースはeラーニング戦略の策定から学習の実施、評価に関する実務面まで、系統的、継続的に構成されており、研修コースに参加することでeラーニングに関する最新の知識、スキルを習得できる。
    【関連用語】 日本イーラーニングコンソシアム

  • e-Learning(eラーニング)
     パソコンとインターネットを中心とするIT技術を活用した教育システムをeラーニングと呼ぶ。米国をはじめとして世界各国で研究が行われていたCAI(Computer Aided Instruction=コンピュータの支援による教育)は、当初、教材をCD-ROMなどで配布する形体が主流だったが、配布コスト、配布後の内容修正の困難さ、学習進捗の一括管理の難しさなどの問題があった。
     その後、インターネットの普及や企業内ネットワークの広がりによって、教材をインターネットで配信する「WBT」(Web Based Training)や、学習者のコンテンツ管理やスキル目標の設定、学習の進捗状況などを一元的に行う「LMS」(Learning Management System=学習管理システム)を使用したシステムが主流になってきた。
     講師と学習者が教室に集まる集合教育は時間や場所が制約されるが、ネットワーク化の進展によって、コンピュータとネットワークさえあれば、そうした制約を受けず、いつでもどこでも学ぶことができるという大きなメリットを獲得した。
     その他のeラーニングのメリットとしては、以下の点がある。

     ・講師の質の違いに学習者が影響されない
     ・個々の学習進捗状況に合わせて、何度でも繰り返し学習ができる
     ・学習者の理解度に合ったきめ細かな学習の設定ができる
     ・最新の内容を早く、安価に配信できる
     ・多くの学習者に同一の教材を一律に提供することができる
     ・職場を離れずに学習できるので、集合研修より時間・間接コストの削減ができる

     しかし、集合研修がすべてeラーニングに置き換えられるわけではない。ブレンディッド・ラーニング(Blended Learning)と呼ばれるeラーニングと集合研修を組み合わせた学習形態は、eラーニング単独の場合より教育効果が高いという例が多く報告されている。eラーニングに適した学習と適していない学習を見極めて、それに応じた学習の形態や方式を使い分けることが重要になる。また、eラーニングは、特に企業で、教育ツールとしてだけでなく、ナレッジマネジメントやパフォーマンス・サポートのインフラとしても期待されている。
    【関連用語】 LMSブレンディッド・ラーニングナレッジマネジメントパフォーマンス・サポート

  • e-Learning World
     国内最大のeラーニング専門イベントで、日本イーラーニングコンソシアムが特別協力している。毎年7月下旬~8月上旬の水・木・金曜の3日間、開催される。来場者数は3万人前後で、150以上の企業・団体が出展する。
     併催イベントに、政府・関係省庁、海外ゲストによる「基調講演・特別講演」、eラーニングを対象とした国内唯一の賞「日本e-Learning大賞」の選考と表彰、eラーニング活用事例や運用、システム技術の紹介からビジネス動向まで、最新の情報を提供するカンファレンス(e-Learning Conference)がある。
    【関連用語】 日本イーラーニングコンソシアム
  • ERP(Enterprise Resource Planning)
     人材、資産、情報など企業内の様々な経営資源を有効利用し、統合的に管理、最適に配置する経営手法のこと。国内外のシステムベンダーがERPのためのパッケージソフトウェアを発売している。
[F]
  • FAQ (Frequently Asked Questions)
     一般的には、多くの人から、頻繁に出される質問という意味で使われるが、Webサイトなどでは、多く寄せられると予測される質問、あるいは実際に問い合わせが多かった質問などをまとめ、回答とともに掲載する質問回答集をいう。eラーニングでFAQは学習者の質問へのタイムリーな回答方法として活用される。従来の集合学習や、CAI(Computer Aided Instruction)などを利用した学習では、質問者に速やかに回答しにくいという問題があるが、FAQを活用することで、学習者のニーズをある程度満たすことができる。 また、学習者の満足度を上げ、ドロップアウトを防ぐ方法としても、eラーニングにおいてFAQは欠かせない存在になっている。
  • FD (Faculty Development)
     Facultyは大学の学部や学部の教授陣を指す言葉で、FDは教員が授業内容・方法を改善し、向上させるための組織的な取り組みの総称。取り組みは極めて広範にわたるが、具体的な例としては、教員相互の授業参観の実施、授業方法についての研究会の開催、新任教員のための研修会の開催などを挙げることができる。

  • Flash
     Macromedia社(現Adobe Systems社)が開発した、Webコンテンツを作成するソフトウェアの名称。Flashによって作成されるFlashコンテンツをFlashと呼ぶこともある。
     Flashでは、動画や音声などのメディアが埋め込まれたり、テキスト、イラスト、写真などのオブジェクトがアニメーションしたりする表現力豊かなコンテンツを比較的容易に作成することができる。コンテンツをAction Scriptと呼ぶオブジェクト指向スクリプト言語で記述すれば、ゲームのようなインタラクティブなコンテンツを作成することもできる。
     作成したFlashコンテンツは、Flash Playerで再生することができる。Flash Player は、WindowsやMac OSなど様々なOSで利用でき、Internet ExplorerやFirefoxなどの代表的なWebブラウザの中でプラグインとして動作する。
[G]
  • GBS(Goal Based Scenario)
     プロフェッショナルなサービスを提供するための学習に向く学習法。認知心理学と教育経験に裏付けされたシミュレ-ション学習プログラムであり、認知心理学者ロジャーシャンクが提唱した。
    この教育プログラムを開発するCognitive Arts(アメリカ NY)はこの学習に対する考え方を「Learn By Doing」と表現している。
     同社ではレクチャーを聴いているだけの受身の学習は学習をしていることにならないし、経験から学ぶ、やってみることによって初めて自分のものになり、指導されたことを実際に応用してみることが重要であると考えている。
     具体的な学習環境として現実に添った「シミュレーション」環境をコンピュータ上に作成し、その中で現実の職場で起きる様々な問題や課題を経験し解決していく。
     このシミュレーションプログラムで選択した自分の仕事の結果で、学習者は思っていたことと違うことが起こったときに最も自分に適した学びを得ることが多い。コンピュータ上で失敗をすることで、自分の中からの「真の質問」が出てくる。また失敗は、自分のゴールに達しなかったことであり、これは学習の動機になっていく。
     シミュレーションで学習中、困った時、間違った時にメンターがコーチングするが、原則的にはニーズがある時のみに指導するという役割になる。
     Cognitive ArtsはGBSの教育コンテンツを開発する企業で主要なクライアントは、GE Capital、Johnson & Johnson、IBM、アクセンチュアー、ノーテルなど大手のユーザーを抱える。教育の目標である行動変容を身につけるために、知識を学んでから行動変容ができるようになる通常の教授法に比べ、学習効率は4倍~15倍程度効率的になるといわれている。
     ただし、教育プログラムの開発には一般的に1年、1億円かかると云われ、大規模なプロフェッショナル教育に向くという理由はそのスケールの大きさにも理由がある。
    【関連用語】 シミュレーション
  • Global
     Globalを辞書で引けば"全世界的な、全体的な、世界的規模、大域、グローバル、地球規模"というような訳が出てくる。eラーニングの世界でGlobalという意味は、ひとつの企業もしくは組織が世界中、同じ理念、コンセプト、商品、サービスをひとつの仕組みのなかで活動していくことで、世界をひとつと見て,地域別のオペレーションを排除した企業活動や組織活動を指す。ここに至る以前のマルチナショナルとかインターナショナルと称していた時代もあったが、この時代の多くは世界の各地で様々な仕事をしているということを指し、グローバルに至る以前の状況であった。
     ICT業界の最大手企業や製造業でもグローバルな活動をしている企業や組織は、地域の法律に個々に対応することの違いはあっても、基本的理念、価値観、活動方針などは統一されている。世界をひとつの理念で結ぶためにはICTの活用による教育活動は不可欠な存在になる。eラーニングでは数十カ国の言語に対応するために"ダブルバイト"を採用して、6万5536種類の表現を可能にしているのが一般的である。
  • GLOBE(Global Learning Object Brokered Exchange)
     2004年9月に結成された学習コンテンツ共有再利用のための国際ネットワーク。
     以下の世界5地域の学習コンテンツ共有再利用コンソーシアムおよび国立中核機関の連携により創設された。

    1、ARIADNE(EU)
    2、education.au limited(オーストラリア)
    3、eduSourceCanada(カナダ)現在は、LORNET
    4、MERLOT(米国)
    5、放送大学学園 ICT活用・遠隔教育センター(日本)

     2006年秋には、学習コンテンツに関する検索項目情報を共有し、利用者がそれぞれの地域を越えて全世界から必要なコンテンツ情報を横断的に検索できるサービスを実現した。その後、KERIS(韓国)、European Schoolnet(EU)、LACRO(ラテンアメリカ諸国)、COSL(The Center for Open Sustainable Learning,Utah State University、米国)、III(Institute for Information Industry、台湾)、ISKME(米国)が加入し、11団体になっている。
[H]
  • HCM (Human Capital Management)
    HRD (Human Resource Development)
    HRM (Human Resource Management)

     HRM、HCMは、従業員の能力を企業の重要な経営資源ととらえ、各従業員のビジネス活動の成果から人材開発による能力向上までを統合的に把握し、従業員の能力を最大限に活用するとともに、継続的な人材開発を進める人事管理手法。 HRMでは、情報システムを活用することで採用、評価、育成、配属、昇進昇格、給与に関する情報の統合的な管理が可能になる。従業員ごとに成果やスキルアップに対する評価を統合的に把握する点がポイントで、給与や福利厚生を管理する従来の人事情報システムとは大きく異なる。また、従業員のスキルを管理・分析し、それぞれの職務に必要な研修を実施することで効果的な人材育成も可能になる。人材育成はすべての従業員が対象になるので、その推進にはeラーニングを活用するのが効果的と期待されているが、情報システムの導入だけではHRMを実施したことにはならない。評価の指標や内容を明確にして、全従業員が納得できるようにすることが必要である。
     これらを実現する具体的な人材開発活動のことをHRDという。
[I]
  • ICT(Information and Communications Technology)
     情報通信技術を表す。IT(Information Technology)に加えて、コミュニケーションが具体的に表現されており、今後、日本が目指すユビキタス社会に適合した表現といえる。総務省より出された「IT政策大綱」も2004年度より「ICT政策大綱」に改称されている。
     海外では、ITよりもICTのほうがよく通る名称として使われており、日本においても高等教育では広義のeラーニングとして、教育改革や授業改善にICTを活用した教育が広がっている。

  • Information Repository(情報リポジトリ)
     一般的にはコンピュータデータの収容されている部分を指すが、eラーニング分野で最新の話題から見るInformation Repositoryとは業務を遂行するプラットフォームのコンピュータデータの収容スペースを指す。
     ローゼンバーグが"Beyond e-Learning"という著書で、構造化された情報以外の非構造化情報の活用が新しい学びに不可欠である、という新しい学びのコンセプトを発表した。その概要は業務に使われる情報に検索エンジンを装備し、学習者が必要な情報を容易に入手できるような環境が、人材を早期に育成し、オフィスの生産性を上げる、という内容であるが、Information Repositoryとは、業務に使われる情報をストックするコンピュータのデータ格納部分を指す。
    【関連用語】 Beyond e-Learning
[J]
  • Job aide(ジョブエイド)
     業務遂行に役立つ情報を使いやすい形で、情報を必要とする人に提供するアプリケーションシステム。複雑なプロセスを間違いなく作業させるための方法で、銀行の窓口での業務支援、顧客に対応するコールセンターでの情報提供、組み立て工場でのパーツ供給―組み立て手順支援、などがある。
[K]
  • KJ法
     文化人類学者の川喜田二郎氏が考案した情報整理と発想のための方法で、創始者のイニシャルからKJ法と名付けられた。グループディスカッションやブレーンストーミングで、参加者から出された意見をカードに書き込み、関連する内容のカードをグループ化し、タイトルをつける。これを繰り返すことで小さなグループから大きなグループまでを意味のあるかたちに分類し、これを図解化し文章化することでディスカッションしたことの結論を共有できるようにまとめる方法。
    【関連用語】 ブレーンストーミング
[L]
  • Learning Outcomes
     学習カリキュラムを決めるに際し、何のために、何を目標に学習をするのかを明確にすることが極めて重要であるという認識への気づきが最近話題になっている。
     企業内教育では実務に貢献する教育、高等教育では社会人基礎力など社会に出たときの社会生活の対応力などがテーマになっている。
     Learning Outcomesの直接的意味は学習成果を表す言葉で、進捗状況、成長過程なども含め、具体化しづらい項目でも、評価指標を定め、的確な説明で成果を表現していく。 ユネスコやOECD(経済協力開発機構)では、大学が提供する教育の質を保証するためのガイドラインを示して、各国政府や大学などに対し、その実施を呼び掛けている。
    企業内教育ではオフィスの生産性向上や個人、会社業績への貢献度が指標になる。  

  • Learning&Performance Architecture
     学ぶという機能に職場の生産性の向上、仕事のスピードをアップなど、業務のパフォーマンスを上げるための機能を持たせた組織、システムの総称。一般的には従来のeラーニングプラットフォームに、プロジェクト別、職種別、役職別などのグループごとの「コミュニケーション機能」や、社内の電子化されたあらゆる情報(インフォメーション・リポジトリー)や社外の情報(ソーシャル・インフォメーション)から、自分の仕事の文脈に沿った情報が検索できる「情報共有システム」を加えて構成されるものを指す。日常の業務環境にeラーニングやブレンディッド・ラーニングの機能を持たせ、さらにコミュニケーション機能と情報共有機能を持たせることで、人材育成とパフォーマンス・サポートの実現を目指している。   
    【関連用語】 ブレンディッド・ラーニング

  • Lerner Centric(学習者中心の学習モデル)
     学習者を中心にして学習することをコンセプトとした学習モデルを指す。社会人など成人が学ぶ学習モデルで最も学習効果を上げられる要因は、学習者が学習をする目的を明確に認識しており、かつ学習者の経験や理解度にふさわしい知識や指導が学習者の求めに応じて提供され、学習者が大人であることの尊厳をいささかも冒されないことであるとされている。
     私達がこれまで馴染んできた教授法、"Pedagogy"は本来、子供の教育法として研究されてきた教育学であるとされ、指導者が教育という刺激を与え、学習者の行動の変容を期待する教育方法で行動主義とも云われている。
     まったくの白紙の子供を教育していくために普遍的に行われている教育方法であるが、大学や高等教育での教育や社会人の教育にもこの教育方法しか適用してこなかったことに反省がでてきている。
     この対極にある教育学として成人教育学、"Andragogy"が最近話題になっている。
     成人教育学の原理は前述の説明のとおりであるが、このような学習者個人の学習目標、学習能力、学習進度に合わせ、学習者中心の教育を対面授業で展開することは不可能で、ICTやWebテクノロジーを活用することが不可欠になってくる。またICTやWebの活用のみならず、多様な人間関係によるコミュニカティブな学びも加わり、学びの情報源は極めて多様になる。このような学びの方法は社会的構成主義とも云われ、学習者が学びの中心になって学ぶ新しい教育方法とも云える。
    【関連用語】 行動主義社会的構成主義

  • LMS (Learning Management System)
      eラーニングの運用に必要な機能を備えた管理システムのこと。学習管理システムとも呼ばれる。LMSには、一般的に次のような機能を備える。

    ・学習者の登録、変更、削除
    ・教材の登録、学習者への教材の割り当て
    ・学習者個人の学習履歴、学習進捗状況、成績の管理
    ・成績集計、統計分析機能
    ・情報共有用の掲示板の設置や、学習者に対するメール送信

     システムによっては、学習者の行動を把握して教材の改善に役立つ分析機能や、学習意欲を維持、向上させるための機能などを備えるものもある。また、異なるLMSでも同じ教材が利用できるように、SCORMと呼ばれる標準化がなされている。標準化により、高品質な学習教材が安価に提供されるようになると期待されている。
    【関連用語】 SCORM

  • LOM(Learning Object Metadata)
     Learning Object(LO)に関するメタデータをいう。メタデータとは「データに関するデータ」で、対象となるデータの性質を記述するために用いる。LOMの場合、対象となるデータ(LO)は、教育・研修に使用されるデジタル、非デジタルリソースで、eラーニングコンテンツ、マルチメディアデータ、教育用ソフトウェア、教科書、問題集、集合研修など、教育・研修に利用可能なあらゆるものが対象となる。
     このようなLOの性質を記述するために、LOMは以下のようなデータ項目から構成されている。

    ・一般:
    LOのタイトル、内容記述などの一般的情報

    ・ライフサイクル:
    LOの経歴状況やバージョン情報、LOの作成者の情報

    ・メタメタデータ:
    メタデータ自体の作成者や更新履歴の情報

    ・技術的事項: LOのデータ形式など技術的な特徴や実行環境条件などの情報

    ・教育的事項:
    LOの難易度、想定学習者、タイプ(解説文・図表・演習)など教育的特徴に関する情報

    ・権利:
    LOの知的所有権や利用条件の情報

    ・他オブジェクトとの関連:
    他LOとの関連(前提・部分・派生、など)の情報

    ・注釈:
    LOの利用におけるコメントおよびコメント作成者・作成日に関する情報

    ・分類体系:
    LOがある特定の分類体系のどこに属するかの情報

    LOMを使って、上記のような項目からなるLOデータベースを作成しておくと、必要な教育条件に合ったLOを検索・抽出することが可能となる。LOMの応用として、カリキュラムや育成体系の記述、LO再利用のためのリポジトリの構築、LO流通のための属性情報記述、などを挙げることができる。
    【関連用語】 分散リポジトリラーニングオブジェクト

     

[M]
  • MOODLE (Modular Object-Oriented Dynamic Learning Environment)
     オープンソースで公開されているソフトウェアの一種で、インターネット上で授業用のウェブページを作るためのeラーニングプラットフォーム。このようなシステムはLMS (Learning Management System)やCMS (Content Management System)とも呼ばれる。
     MOODLEは、コピー・利用・修正することが可能だが、ソースコードを公開し、元のライセンス表示を削除・修正することなく、同じライセンスをMOODLEから派生したソフトにも与えなければならない。
     MOODLEは、1999年にMartin Dougiamasによって開発され、現在も彼のリーダーシップの元、全世界のユーザー(大学・高校・中学・小学校、非営利団体、企業、個人)やエンジニアによるフィードバックや議論により、進化を続けている。
    【関連用語】 LMSコンテンツ管理システム
[N]
  • NGN(Next Generation Network)
     インターネット・プロトコル(IP)技術をベースにした次世代ネットワークサービスの略称。NGNは従来の固定電話網がもつ信頼性、安定性、安全性を確保しながら、インターネットが持つ柔軟性と経済性を備えており、従来のインターネットでは実現できなかった安定した音声通話や、高速広帯域の保証により、品質の高い高精細の動画配信などの新しいサービスが実現できる。
     NGNには、通信品質を保証する技術、電話番号やIPアドレスで発信者を認証して、なりすましや不正なアクセスを防止する技術、ネットワークに障害が発生した場合でも通信を維持するよう信頼性を確保する技術などが含まれる。
     これまでのベストエフォートのひかり通信とは異なり、通信速度を家庭用でも100Mbpsというような高速通信を保証するので、eラーニングの分野でも映像コンテンツなどをストレスなく活用でき、eラーニング発展のために期待できる次世代ネットワークサービスといえる。2010年には現在の光サービスと同様なエリアで利用できるようになる。
[O]
  • OCW(Open Course Ware)
     OCWとは、大学等で正規に提供された講義とその関連情報のインターネット上での無償公開活動を言う。
     本活動は、2001年に高等教育の教材情報をネット上に無償で公開するOCWプロジェクトがマサチューセッツ工科大学(MIT)で開設されたのがきっかけであり、2007年11月には、約1,800もの科目教材がMITのOCWのサイトで公開されており、その内容は、シラバス、講義ノート、講義動画、試験等多彩である。また、現在、国際OCWコンソーシアムも立ち上がっており、全世界で190校ほどの大学がOCWに取り組んでいる。日本でも20校ほどの大学で構成される日本オープンコースウェア・コンソーシアム(JOCW)http://www.jocw.jp/がスタートしており、OCWの国内での普及が期待されている。
     以下がJOCWによるOCWの定義である。

    ・OCWとは大学等で正規に提供された講義とその関連情報のインターネット上での無償公開活動です。

    ・「正規に提供された講義」とは、大学、大学院に在籍している学生の単位取得の対象として実施された講義のことです。基本的に学期単位あるいは通年単位のコースとして提供されたものです。

    ・「正規に提供された講義」以外に公開講座やその他の特別講義などがありますが、正規に提供された講義のみを提供するものではありませんので付加的にこれらの情報を公開することも含みます。

    ・「知の集積拠点」である大学等がその蓄積された知の典型的な体系化された情報である「講義」の公開を通じて一層の社会貢献を目指していこうということを基本的な狙いとした取り組みです。


  • Off-JT(Off the Job Training)
     業務を離れて研修を受け、必要な知識や技術を習得すること。OJTと並んで企業の従業員教育の2本柱とされている。企業内の研修・人材開発担当部門が実施する社内研修、外部の機関が作成した研修コースやセミナーを受講することで、業務の遂行能力向上を図る。
    【関連用語】 OJT

  • OJT (On the Job Training)
     業務に必要な知識や技術を、業務を行いながら習得すること。現場の上司や同僚と一緒に業務を行う中で習得する方法がよくとられる。研修のために業務を離れるOff-JTと違って、業務に密接して行われるため、きめ細かな指導が行いやすいという利点がある一方、習得までに時間がかかる場合も多く、上司・同僚など指導者による実施方法のばらつきなどの弊害も指摘されている。
     長く終身雇用を前提としてきた日本の企業では、業務遂行能力の向上のためにOJTが多用されてきた。
    【関連用語】 Off-JT

  • On Demand Platform
     一般的には必要なリソース機能を必要なときに必要なだけ利用することができるオンライン上のプラットフォームのことを指す。ビデオ動画のオンデマンド配信のニーズは確実に高まっているが、それ以外でもソフトウェアの利用、サーバの運用、監視、セキュリティなど、多岐に渡ってオンデマンドによるサービス利用が見受けられるようになった。
     最新かつ広義のeラーニングではラーニングプラットフォームで取得できる情報を従来の構造化されたコンテンツのみならず、非構造化情報や知恵を取得する機能を備えるようになってきた。業務を遂行する支援機能として、SNSを活用したコミュニティ・オブ・プラクティス支援機能、必要な情報を検索する検索エンジン、エキスパートを探し出すKnow Whoエンジンなどを備え、必要なときに必要な情報を入手する機能を持つラーニングプラットフォームをエンタープライズ・オンデマンド・ナレッジ・プラットフォームなどという。必要なときに必要な情報を必要な形で入手できることが、これからの学やオフィスワークには最も重要なことということからOn Demandは新しいキーワードである。
    【関連用語】 Beyond e-Learning
[P]
  • PaaS(Platform as a Service)
     プラットフォーム一式をサービスとして提供するビジネスモデルを言う。一方、ネットワーク経由でソフトウェアアプリケーションを提供するサービスは、SaaS(Software as a Service)と呼ばれる。たとえば、Google社は、自社の巨大なデータセンタを利用し、「Google App.Engine」という「PaaS」を提供している。
     eラーニングではユーザーが利用する期間毎に比較すると、ユーザーアクセスのばらつきが極めて大きいために、従来は操作の快適性を確保するために過大なデータベースを用意する必要があった。若しくはユーザーの利用パターンを厳しく制御する必要があった。最近は大きなデータベースを時間単位で借りることのできる仮想技術を活用したクラウドコンピューティングを活用することで、低廉な費用と迅速なスピードで容易にデータセンタの容量を増やせるようになった。このクラウドコンピューティングの普及で過大なデータセンタへの投資が避けられるビジネスモデルが普及の兆しを見せ始め、PaaSが急速に注目されはじめた。
    【関連用語】 SaaS

  • PDCAサイクル
     業務の実施に際し、計画を立て(Plan)、実行し(Do)、その評価(Check)にもとづいて改善(Action)を行う、という工程をループ状に繰り返す考え方で、業務の品質維持・向上や業務改善を推進するマネジメント手法として広く用いられている。PDCAサイクルを回すというのは品質管理の基本的な考え方であり、品質管理のオーソリティーのデミング博士の名前をとり、デミングサイクルとも呼ばれる。

  • Peer To Peer
     ネットワーク上で対等な関係にあるコンピュータ間において、相互に直接接続、データを送受信する通信方式のこと。また、そのような方式を用いて通信するソフトウェアやシステムの総称である。P2Pと表記されることも多い。この通信方式の最大のメリットは帯域幅である。通常、アクセス数の多いウェブサイトは、高スペックのサーバ、太い回線、広い帯域幅を用意する必要があるが、Peer To Peerにおいては、アクセスが一つのサーバに集中することはなくネットワーク上に分散するPeer同士でアクセスが発生するため、帯域の負担を一箇所で負う必要はない。特定の利用者間をつないで1対1で音声通話やメッセージの送受信を行うインターネットやメッセンジャー機能、ファイルの送受信など、eラーニングにおいても活用の期待が持たれている。

  • Podcast(ポッドキャスト)
     ポッドキャストは、Apple社の携帯メディアプレイヤー「iPod(アイポッド)」と放送を意味する「Broadcast(ブロードキャスト)」を合わせた造語である。ポッドキャストの概念は、単にネット上にある音声や動画のメディアデータをアップロードもしくはダウンロードするということでなく、RSS(RDF Site Summary)を利用することにより、常に最新のデータを配信、もしくは購読できることである。一般的にはポッドキャストとは、メディアの種類は問わず、そのコンテンツ自体もしくはRSSから指定のファイルを得られる仕組みそのものを指すようになった。
     アメリカではeラーニングユーザーの15%はiPodをメディアとしたeラーニングを活用しており、日本でのiPod活用とは一線を画した活用レベルである。
     eラーニングの活用がよりラピッドeラーニング化している現在では2008年にモバイルラーニングがiPodによるポッドキャストを抜いたが依然としてモバイルラーニングでは重要なツールである。
[Q]
  • QTI (Question and Test Interoperability)規格
     SCORM規格などと並ぶeラーニングに関する標準化規格のひとつ。演習問題、試験問題などテスト用のコンテンツの相互運用性を向上させることを目的として、研究・提言活動を推進してきた米国のコンソーシアム「IMS」が制定した。出題形式、解答形式、演習問題のグルーピングの方法などを定めている。
     しかし、SCORM に準拠した LMSやコンテンツは広く普及しているが、QTI に準拠したLMS はほとんどないのが実状で、今後の普及に向けて、実際の研修に役立つ機能の実現に向けた検討や実証が期待されている。
    【関連用語】 SCORM
[R]
  • ROI(Return On Investment)
     投資(Investment)に対する利益(Return)のことで、投資対効果、投資収益率などと訳される。
     eラーニングのROIは、2~3年ほどのある期間内でeラーニングを導入することで得られる利益を、eラーニングにかかったコストで割ることで簡易的に求められる。企業活動は、ビジネスで収益を上げることが目的で、eラーニングは収益を上げることを効果的に補完する手段のひとつにすぎない。eラーニングの導入も、研修出張費の削減といった部分的な最適化でなく、ビジネスで収益を上げることに対する戦略的な意思決定として行われるべきだと言われるようになった。
     このような企業全体を経営的、財務的な観点から見る際にROIは有効な指標になる。eラーニングへの投資がどれだけ経営利益や収益に結びつくのかを評価し、投資の戦略的な意思決定を行うためにROIが重要なテーマとなっている。投資対効果の評価に熱心なアメリカでは、教育の投資効果の事例研究が発表されており、今後は日本でもeラーニングのROIがより大きな関心を集めるようになると考えられる。
[S]
  • SaaS (Software as a Service)
     ネットワーク経由でソフトウェアアプリケーションを提供するサービスのこと。従来のユーザーは、ソフトウェアをパッケージ商品として購入し、自己のコンピュータにインストールして稼動させていたが、このSaaSの概念では、インターネットなどのネットワーク経由でサービスを利用し、そのサービス利用に対して料金を支払うことになる。このSaaSのユーザー側の利点としては、利用した期間・量だけのサービス料金で済む、コンピュータの管理が最小限で済む、常に最新のソフトウェアを利用できるなどがあげられる。eラーニングではこれまでのパッケージでLMSやコンテンツを販売するモデルから自社にパッケージを所有せず、コンテンツやLMSを必要なだけ利用するだけの契約によるASP(Application Service Provider)がこれまでのビジネスモデルであったが、さらに運営に関するサービスまで付加したSaaSが最近のビジネスモデルになってきている。
    【関連用語】 PaaS

  • SCORMアセッサ
     日本イーラーニングコンソシアム(eLC)が認定するSCORM規格と相互運用性ノウハウに習熟したコンテンツ開発技術者をSCORMアセッサといい、eLCが運営するSCORMアセッサを認定する資格制度をSCORMアセッサ資格制度という。eLCでは、SCORMアセッサを対象とした講習の実施やSCORMアセッサ認定を行っている。
     SCORMコンテンツの認証では、まずコンテンツ制作ベンダーが自身で、そのコンテンツがSCORMに適合しているかどうかを検査する。検査に合格すればeLCに認証申請し、それを受けてeLCが「SCORM適合コンテンツ」として認定する。また、相互運用性問題が発生した場合にはSCORMアセッサが対処することになっている。
     このため、SCORMアセッサには、SCORM適合コンテンツを作成するのに必要なJavaScriptやXMLなどについての知識、SCORM適合コンテンツの申請方法などのほか、相互運用性を向上させるためのポイントの理解、相互運用性問題が発生した場合の対処方法などの知識が必要とされている

    アセッサ資格保有者一覧URL: http://www.elc.or.jp/kigyou/kigyou_scorm_shikaku.html#assess
    【関連用語】 eLCSCORMSCORM適合コンテンツ

  • SCORMエンジン
     eラーニングでは、通常のWebサイトのようにHTMLで画面を表示することに加え、学習の時間や演習問題の採点状況、学習時間などのログ(記録)を取る機能が必要となるが、SCORM規格に基づいたこれらの機能を実現するプログラムをSCORMエンジンと呼ぶ。実際に学習を実現するには、エンジンとしての機能のほかに、学習者情報の登録や、学習状況を閲覧するような学習管理系機能が必要となる。LMSは、これらのエンジンとしての機能と学習管理系機能から構成されている。
     たとえば、SCORM2004学習エンジンは、SCORM2004に対応した教材コンテンツの配信を行い、同規格に定めるシーケンシング機能(コンテンツの学習順序制御)や学習履歴情報通信機能を提供する。
    【関連用語】 LMSSCORM

  • SCORM適合コンテンツ
     SCORM規格に適合したコンテンツをいう。米国では、SCORMを制定したADLがLMSとコンテンツそれぞれについて、SCORM規格を満たしているかどうかを判定し、適合製品には認証を与えている。日本でもeLCが2002年にLMSの認証を、2004年にコンテンツの認証を開始し、認証された商品には、認証マーク、認証番号を交付している。
     コンテンツの適合認証では、適合のレベルを3段階に分けている。具体的には、レベル1は、そのコンテンツが使用しているSCROMの機能で「必須機能のみ」、レベル2は「いくつかのオプション機能を使用している」、レベル3は「全オプション機能を使用している」である。なお、レベルに関する情報は公開されている。認証商品はパンフレットなどに明示して標準規格製品であることを宣伝できる。また、認証商品は利用者にも安心感がもたれる。
     コンテンツ制作ベンダーがコンテンツの認証を受ける場合は、自身で自社のコンテンツがSCROMに適合しているかどうかを検査し、検査に合格していればeLCに認証申請する。eLCでは、それを受けて「SCORM適合コンテンツ」として認定する。ただし、申請できるのは、SCORMアセッサに限られるので、申請を希望する企業は、自社内にアセッサ資格者を置かなければならない。
    【関連用語】 ADLSCORMSCORMアセッサ 

  • SLA(Service Level Agreement)
     コンピュータシステムなどを利用するとき、利用者に提供されるサービスの品質のことを一般にサービスレベルと呼び、サービス提供側とサービス利用者側で、そのサービスレベルの達成目標について合意することをサービスレベル・アグリーメント(SLA)という。 ITや通信業界ではSLAとして、例えばシステム利用時の平均応答時間や利用可能時間などのサービスの品質について保証項目を決め、契約に盛り込むことが行われており、eラーニングのサービスでも、受講可能な時間や応答時間などのサービスの品質について提供側と利用側でサービスレベルについて合意することは有益と考えられている。
     もともとSLAは、高レベルのサービスの維持、サービスレベルを明確にすることによる利用側の利便性の向上、サービス提供側と利用者側それぞれの責任範囲の明確化などが目的だった。だが、さらにサービスレベルに見合ったコストの明確化、システムの持つ課題の明確化とその改善検討などにも有益と考えられるようになった。今後はeラーニングのサービス提供においてもSLAは普及するとみられる。

  • SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
     人と人とのコミュニケーションを促進・サポートするネットワーク上のコミュニケーションサービスで、特定のグループの中でのコミュニケーションをサポートする。
     eラーニングの世界では、最近活用され始めたコミュニティ・オブ・プラクティス(状況的学習法)のツールとしてSNSを活用することが増えている。
     SNSを使った学習方法としてコンテンツから構造化された知識を学ぶだけではなく、学習する仲間同士で教えあったり、相談したりしてコミュニカティブな学びの場を提供する。
     このような仲間同士の情報交換により学び合うのはPeer-to-Peer Learningと云われ、ここで交換される情報が学習者の目線でやりとりされるため、学習の継続や理解向上に有効であると云われている。
    【関連用語】 状況的学習法
SCORM (Sharable Content Object Reference Model)
 eラーニングのプラットフォーム(LMS)とコンテンツの間のインターフェースやデータ形式を規定した標準規格、でアメリカのADLという団体が作成した。最新版はSCORM2004(2009年3月時点)である。
 eラーニングでは、通常のWebサイトのようにHTMLで画面を表示することに加え、学習の時間や演習問題の採点状況や学習時間などのログ(記録)を取る。これらの機能を実現するプログラムをLMSと呼ぶが、開発者によってLMSの仕様が異なれば、他のLMSに学習教材(コンテンツ)を移植することが困難となる。
 このような問題点を解決し、より共有化を進めるために、学習教材を作るとき、各教材に共通する機能と、それぞれの教材ごとに固有の機能を分離し、共通部分をLMS(Learning Management System)に載せ、固有の部分を教材コンテンツとして開発する、という発想が生まれた。LMSとコンテンツが分離していれば、コンテンツ部分だけを開発するだけでよくなり、出来上がったコンテンツは別のLMSに載せることができる。LMSとコンテンツを分離するには、両者間のインターフェースやデータの形式を規定しなければならない。SCORMはLMSとコンテンツの間のインターフェースやデータ形式を規定した標準規格で、アメリカのADLという団体が作成した。
 SCORMでは、コンテンツはLMSに読みこまれる階層型コース構造、Webクライアント上で実行されるSCO(Sharable Content Object)、および、コース構造に付属するメタデータから構成されており、コース構造のXMLによる表現方法、および、SCOとLMSの間で演習問題の結果や学習経過時間を通信するためのデータ形式が規格として定められている。
 SCORM規格が普及すれば、利用者側は多くのコンテンツベンダーの教材を自分のLMSで使用することができ、逆にコンテンツベンダーにとっては、自社のコンテンツが他のベンダーのプラットフォームでも使えるようになるため、コストをかけずにコンテンツの販路を拡大することが可能になる。このように標準化は、低コストで高品質なeラーニングサービスの実現に必須の要素となっている。

SCORM詳細URL:http://www.elc.or.jp/kigyou/kigyou_scorm.html
【関連用語】 ADLLMSコンテンツベンダー

[T]
[U]
  • UCC(User Created Content)
     UCCとは、ブログ・SNSやYouTubeなど動画共有サイトなどのサービスを通じて、従来のユーザー層が独自に生成したコンテンツの総称。UGC (User Generated Content) と呼ばれることも多い。
     情報化社会が進化することで世の中がフラット化し、従来の情報の流れは上から下へ、もしくはプロフェッショナルから素人へという流れであったが、最近は情報が階層の段差を流れるのではなく、同じ層を横に流れる傾向が強くなってきており、この流れが新しい潮流を起こしている。eラーニングの世界においても、Peer2Peerやコミュニティ・オブ・プラクティスのように学習者同士が相談しあったり、教え合ったりすることで自主的な学びが継続するという考え方に共通項が見受けられる。また、一般のユーザー(eラーニングでは学習者自身)が発信する情報が大きな機会を生み出したり、新たな傾向を加速するという意味で注目されている。
    【関連用語】 CGC
[V]
  • VOD (Video On Demand)
     視聴者の要求に応じて、見たいときに見たい番組を見ることができる動画配信方法。視聴者がセットトップボックス等の専用の機器やパソコンなどから見たい動画番組を選択すると、サーバから選択された動画の配信が開始され、テレビやパソコンなどですぐにその動画を見ることができる。
     放送とは異なり、一時停止・巻き戻し・早送り等ができる。個人のペースで動画の見たい部分を繰り返し見ることができるため、近年、学習用教材などに広く使われ始めている。
[W]
  • Web2.0
     AJAX・RSSなどの技術により、新たなリッチ体験が可能となった、新しいウェブ構築技術の概念。この技術により、従来のウェブサービスに比べ、ブログ・SNS・オンラインアルバム・ソーシャルブックマークなど、よりユーザー参加型のサービスが普及した。「Web 2.0」という概念が広まったのは、2005年オープンソース運動を推進していたティム・オライリー氏が論文『What is Web 2.0』の中で紹介してからである。Web 2.0系サービスの普及により、ネット上で発言したり書き込みをしたりというユーザー同士のコミュニケーションが活発化され、Web 2.0技術を利用したeラーニングサービスも次々と誕生してきている。

  • WiMAX (ワイマックス:Worldwide Interoperability for Microwave Access)
     高速無線MAN (Metropolitan Area Network) のひとつであるIEEE 802.16規格のこと。MAN(Metropolitan Area Network)とは、都市程度のエリアをカバーするネットワークのことである。WiMAXは、ブロードバンドの無線通信によって都市程度の広範囲なエリアをカバーすることを意図している。
     WiMAXの主な規格としては、IEEE802.16-2004とIEEE802.16e がある。IEEE802.16-2004は、固定無線アクセスのために作られた規格であり、半径約50kmの広範囲なエリアを伝送速度は75Mbps程度で結ぶことが可能とされている。
     一方、IEEE802.16e は、IEEE802.16-2004を拡張したもので、移動体通信に使われることが期待されている。伝送距離が 5?7Km程度、最大伝送速度が 30Mbps程度とIEEE802.16-2004には劣るが、基地局をまたいで移動しながらの高速データ通信が可能になる。「Mobile WiMAX」とも呼ばれることもある。スマートフォンやミニノートパソコンの普及でモバイルラーニング普及のインフラとしても期待できる。

  • Work Flow Learning(ワークフロー・ラーニング)
     これまでの人材育成の手段である集合研修などは、研修に参加するために仕事を外れなくてはならないが、Work Flow Learningとは、仕事を外れることなく仕事をしながらでも学習できる職場環境で学習することをいう。
     Work Flow Learningを目指した職場にあるコンピュータプラットフォームでは仕事に必要な情報を得ることができ、必要なアドバイスを受けることや仲間と相談をすることができるような機能を持ち、そのような環境で仕事をしながら成長のできる組織で学習できる状況を指す。具体的には業務を行うコンピュータプラットフォームに狭義のeラーニング機能、SNS、情報共有のための検索エンジン、同じ目的や成長目標を持つ仲間がネットワーク上で集えるコミュニティ・オブ・プラクティス、学習履歴などを備え、各個人が自分のコンピュータ機能を自分の仕事や成長目標に合うように設定できるポータルサイト上で仕事をしながら学べる職場環境で仕事をすること。情報化社会で情報が非常に重要なリソースに変化してきているパラダイムシフトを反映した社会人の学習法である。
[X]
  • XML(eXtensible Markup Language)
     XMLはHTMLのようなマークアップ言語の一種でマイクロソフト社の2007シリーズのアプリケーションで全面採用になり、普及の度を早めた。ユーザーから見た顕著な特徴はあらゆる種類のアプリケーションの検索を可能にする検索性の高さにある。eラーニングの世界ではSCORM2004はXMLの特徴を活かすに都合の良い標準化規格である。
     また広義のeラーニングでは業務用のコンピュータリポジトリーから必要な情報を検索するのにXMLで記述された情報がもっともよく検索機能を発揮する。
     XMLは、テキスト形式で記述されており利用者が自由にタグを定義することができる厳密な文法を持っているためにプログラムで扱いやすいだけでなく、わかりやすい名前のタグを定義することにより、人間にとっても理解しやすいデータ構造を定義することができる。アプリケーション間のデータ交換や、異なるプラットフォームのシステム間でメッセージ交換に用いられることが多い。
     コンピュータグラフィック、数式、地理情報、書誌、企業間取引など、多くの分野で独自のタグが定義され、広く利用されている。
[Y]
  • YouTube
     アメリカのYouTube社が提供する2005年にスタートしたインターネット上の動画共有サイト。Youは「あなた」、Tubeは「ブラウン管(テレビ)」という意味であり、YouTubeには、あなたが作るテレビという意味が込められている。2006年10月にGoogle社が16億5,000万ドルで買収、Googleのグループ会社となる。著作権等の問題を含みながらも、毎日35,000もの動画がアップされるなど、その利便性から同様のビデオ共有サイトの中でも圧倒的な人気を集めている。単にビデオを投稿もしくは閲覧という行為のみならず、ビデオに対してコメントをつけられるなど、SNS的な機能を持ち合わせていることも人気の一因。
     また、YouTubeから生まれた有名人(YouTubeセレブリティーズと呼ばれる)も数多く生み出されるなど、社会的な影響力も見逃せない。アメリカのカリフォルニア大学バークレー校がYouTube上に公式チャンネルを設置したのをはじめ、日本でも京都大学がYouTubeに「オープンコースウェア」を無償で公開するなど、教育への活用も確実に浸透してきている。アメリカではYouTubeから講義を学び単位を取得できるという大学も存在する。
[Z]
[あ行]
  • アクセシビリティ(Accessibility)
     アクセシビリティとは、様々なシステムへのアクセスしやすさ、接近可能性の度合いを示す言葉である。日本では、「ユーザビリティ(usability):使いやすさ、利用しやすさ」に近い言葉としてICT分野で利用されることが多い。また、ウェブアクセシビリティとは、障がいの有無や年齢などの条件に関係なく、誰もが同じようにインターネット上で提供される情報を利用できることをいう。eラーニングにおいても、学習者を考慮したアクセシビリティの向上を図ることが重要である。たとえば、聴覚障がい者も学習できるようにナレーション付の学習コンテンツであれば画面上に音声の字幕を表示したり、視覚障がい者のために学習コンテンツの説明を音声で聞ける機能も付加するなどの配慮をする。また、海外からの就労者のために画面に表示する文字をローマ字にしたり、高齢者のために画面に表示する文字サイズを大きくしたりすることもアクセシビリティ向上に役立つ。
    【関連用語】 ICT

  • アセスメント(Assessment)
     アセスメントとは、評価のことを指し、様々な場面で利用されているが、教育における評価とは、単なる試験だけでなく、その結果に対するフィードバックや教育的な指導を含み、学習者の能力を把握して次の学習につなげる一連の過程をいう。
     教育におけるアセスメントはアセスメントの内容と方法の厳格性が特に求められるため、適切な評価尺度の設計やアセスメントを実施する者の技術力が重要である。
     また、アセスメントには単位認定試験など結果が学習者に重要な影響を及ぼす「ハイステークス・アセスメント」とコースの事前ないし途中で知識やスキルの確認などのために行われる「ローステークス・アセスメント」がある。eラーニングの普及に伴い、ハイステークスやローステークスのアセスメントをオンラインで実施する機会も増えており、オンラインアセスメントを実施する際の運営に関するISO規格もある。

  • アップロード(Upload)
     クライアントコンピュータに保存されているファイル、画像、音声、LMS用に作成された教材データなどを、ネットワークを介して、WebサーバやLMSサーバなどのサーバに転送すること。転送プロトコルとして、FTPまたはHTTPが使われることが多い。

  • アンドロイド(Android)
     Google(グーグル)社、クアルコム社、Tモバイル社などが中心となって設立された団体OHA(Open Handset Appliance)が、2007年に発表した携帯端末用のオペレーティングシステム、ユーザーインターフェースその他の機能などを含んだオープンソースのプラットフォーム。現在SDK(開発キット)もGoogleから無償提供されている。2008年10月には、世界最初のアンドロイドを搭載したスマートフォンがTモバイルUSAより発売された。
     eラーニングの世界ではモバイルラーニング分野での活用に、その多機能性、オープンソース性、グーグル発という先進イメージでその活躍が期待されている。
    【関連用語】 スマートフォン

  • 暗黙知
     情報化社会における企業の競争力を上げるには、組織的な知識創造力が重要な経営資源になるとピーター・ドラッカーやアルビン・トフラーなどの経営学者が指摘している。彼らは経営資源として知識の重要性を挙げ、その知識を暗黙知と形式知に分けた。暗黙知とは、働く人、一人ひとりの経験により築き上げられた個人的な知識や知恵であり、仕事のノウハウ、人脈、心情、信念、考え方、直観的判断力など無形の要素を含んだものであり文字化して表わすことのできない重要な知識群である。これが情報化社会での競争力の強化にきわめて重要な経営資源となると著者は指摘している。
     進化したeラーニングシステムでは構造化されたコンテンツの提供のみならず、ソーシャルネットワーク(SNS)などを通じて暗黙知に近い情報の共有を図ることで、新人を早期に中堅レベルの業務能力を持つ人材へ育成する仕組みを有するようになってきている。
     これらの学習法はコミュニティ・オブ・プラクティス(Community of Practice=CoP)と云われ、実践的な状況対応能力を学べることから状況的学習法と訳されている。
    【関連用語】 状況的学習法

  • インストラクショナルデザイン (Instructional Design=ID)
     eラーニングの導入計画およびコンテンツ開発における教育設計手法。IDはもともと米軍で兵士教育のコース設計のために開発されたが、その後米国の企業内教育の教育設計手法として普及した。現在米国の多くの企業がコンテンツ開発などにIDを用いている。IDは学習効率向上のためのシステム工学的手法であり、主な効果として、

     1、学習範囲の明確化などによる学習時間の短縮
     2、習得度の向上
     3、より正確な学習効果の測定
     4、均質で質の高いコンテンツ開発
     ――が挙げられている。

     IDの一般的な開発ステップと各ステップでの主な作業項目は下記のとおりであるが、実際には作業項目はもっと細かく規定されている。
    ステップ 主な作業項目
    1、分析 対象業務の分析、対象学習者の分析
    2、設計 習得目標の明確化、学習内容と提供順序の設定、提供手段と評価方法の整理
    3、開発 習得項目の設定、教材の作成とテスト
    4、提供、実施 メディアの作成・配付、学習の実施
    5、評価 テストなどによる習得度評価、活用度の調査、業績への貢献度評価
    6、改善 評価結果に基づくコンテンツの改善

     

  • インストラクショナルデザインプロセス
     システム工学的な教育設計手法に基づいて教育や研修を計画・実施するためのステップ。

  • インストラクショナルデザイナ
     インストラクショナルデザインの専門家。日本では、インストラクショナルデザインと呼ばれるシステム工学的な教育設計手法に基づいて教育や研修を計画・実施する取り組みが遅れており、今後インストラクショナルデザインの考え方が普及することに伴い、インストラクショナルデザイナの育成が急務となると想定される。
    【関連用語】 インストラクショナルデザイン

  • インフォーマルラーニング
     研修のようなフォーマルな学びではなく、実際の職場でなされる業務を通じた学び「ワークプレイスラーニング」や、Googleのような検索エンジンを利用して、自分に必要なものを学ぶ検索エンジンの活用といった、インフォーマルな学習全般のこと。
    【関連用語】 ワークプレイスラーニング

  • インプロビゼーション(Improvisation)
     本来は演奏や演劇で台本に捉われずに即興で作り上げていく音楽や動きを指しているが、人材開発においては即興力に引き出す手法として考えられている。知識やスキルを教育するだけならば従来のように決められた手順やマニュアルに沿って進めることができたが、現在のような不確実な環境に対応するためには定型どおりの知識やスキルだけでは通用しないため、状況に合わせて即興で考えさせて行動させるといった教育方法が必要になってきた。即興力を引き出す教育では予め用意した答えを探すのではなく、正解のない課題を与えて自分で正しいと思うことに対して省察させることが中心となってくる。

  • ウィキバーシティ(Wikiversity)
     自分自身が学び、かつ他人の学習を支援するオンライン上の学習コミュニティ。ウィキバーシティでは、あらゆる種類の学習教材を探すことができるのみならず、お互いに同じテーマに興味を持つ他人と教えあうことができる。ウィキペディアの運営元であるウィキメディア財団によって運営されている。英語版は2006年8月にスタート。日本語版は現在ベータ版として運営されている。

  • ウィキペディア(Wikipedia)
     Wikimedia Foundation(ウィキメディア財団)によって運営されているオンライン百科事典のこと。「ウィキぺディア」とは、ウェブブラウザを利用してウェブサーバ上のデータを書き換えるシステム「ウィキ」と、百科事典の意味である「エンサクロペディア」の造語である。
     ウィキペディアは、2001年1月に英語版、同年5月に日本語版がスタート。2009年1月現在、ウィキペディアは260言語、総項目数は1,000万以上に及ぶ。
     各国で、コピーライト(著作権)における紛争や、個人に対する誹謗・中傷、情報の信頼性そのものなど、ウィキペディアに関する議論は事欠かない。2005年に科学誌「ネイチャー」が、「ブリタニカ百科事典」と「ウィキペディア」の科学用語における掲載項目を比較したところ、ウィキペディアのほうが誤りは少なかったという発表をした。そのほかにも、ウィキペディアの情報精度を肯定する複数の研究発表もあり、一定の評価が得られている。
     ウィキペディアのようなサービスの出現により、簡単に情報収集ができるようになった反面、ネット上から安易にコピー&ペーストしたレポートを作成する学生が出現するなどの問題も起きている。情報技術を駆使したeラーニングでは、その利便性は高まる一方だが、それが間違った方向で使われないよう道徳的な指導も同時に必要と言えよう。

  • ウェブサーバ(Web Server)
     WWWシステムで情報送信を行なうコンピュータ。また、WWWによる情報送信機能を持ったソフトウェア。
     Webサーバは、HTML文書や画像などの情報を蓄積しておき、Webブラウザなどのクライアントソフトウェアの要求に応じて、インターネットどのネットワーク通じて、これらの情報を送信する。eラーニングに用いるWebサーバでは、要求に応じてプログラムを実行し、結果をクライアントに送信する動的ページ生成の機能や、データベースと連携する機能が必須となる。この機能を実現するために、Java言語を利用したJavaサーブレット、JSP、およびMicrosoft社独自の技術であるASPなどを利用することが一般的になっている。
     Webサーバソフトウェアで最も人気があるのは、全世界のボランティアプログラマが共同開発しているフリーソフトウェアApacheで、インターネット上のWebサーバの過半を占めるといわれている。企業内のイントラネットはMicrosoft社のIISが人気である。

  • エレクトロニックライブラリー (electronic library)
     紙媒体で流通していた図書や資料を電子化してサーバ上に保管し、ネットワークを介して利用者が参照できるようにしたサービス。電子図書館と呼ばれることも多い。
     ネットワークを介してアクセスできるので、地理的、時間的な制約が少なく、利用者の利便性が高い。映画のようなマルチメディアコンテンツも保管の対象としているところもある。
     一般に、図書の各ページをスキャナなどで読み込み画像データとして保管したり、文章を抽出してテキスト形式のデータとして保管したりする。図書検索は、従来の図書館で行われていた書誌情報による検索に加え、テキスト形式のデータを利用して図表のタイトルなどを含む文章全体からの全文検索が可能である。
    【関連用語】 全文検索

  • エンゲージメント (Engagement)
     会社に対する愛着心のことであり、自分の目指す方向や目標に向けて努力することが会社のビジョン実現に貢献できると思う社員が多いことをエンゲージメントが高いという。このような職場の尺度となるのがエンゲージメントレベルである。エンゲージメントはタレントマネジメントと目指す方向性は似ており、各社員の才能を活かし、組織の成長につなげることでエンゲージメントレベルを上げることができる。
    【関連用語】 タレントマネジメント

  • エンタープライズ・ナレッジ・プラットフォーム (EKP)
     これまでの業務系基幹システムが主としてデータを扱うのに対し、情報=インフォメーションを扱う情報系基幹システム。企業の情報(インフォメーション)をひとつのプラットフォーム上に統一し、様々な情報ソースを統合し、情報を登録、管理、および配信するプラットフォームのこと。このモデルを利用すると、技術的なシステム境界を越えて、ユーザーは文書と情報を交換することができるようになる。また、このような情報環境を構築するプラットフォームをエンタープライズ・ナレッジ・プラットフォームとしてSaaS (Software as a Service)で提供することで、情報技術力のあまり高くないユーザーでも最新の情報環境の構築が可能となる。また、情報システムを運営する側でも、ビジネスアプリケーションやコンテンツマネジメントを単一プラットフォームで管理できるメリットがある。このプラットフォームに検索エンジン、情報共有機能、コミュニティ・オブ・プラクティス機能などを持たせることで集合知を高め、その知恵や情報を共有することで情報化社会の人材を育成し、組織の生産性を上げることが目標となる。
     広義のeラーニングのプラットフォームである。
    【関連用語】  SaaS

  • エンプロイアビリティ (Employability)
     個人の"雇用され得る能力"のことで、Employ(雇用する)とAbility(能力)を組み合わせた言葉である。エンプロイアビリティで求めている内容は、知識や技能にとどまらず、個人の行動特性、思考特性、価値観といった内面的属性も含んでいる。
     昨今のように労働環境や産業構造が激しく変化する中で、継続的な自己研鑽によって、個人が自己の価値を高め、所属している企業で評価されること、また、速やかに転職や異動できる能力を身につけることは重要である。
     また、エンプロイアビリティの高い人材が辞めずに定着してくれる企業のことをエンプロイメンタビリティ(Employmentability)「(企業の)雇用する能力」といい、このような企業はeラーニング等の教育やOJTにより従業員のエンプロイアビリティを高めていくことに熱心であることが多い。

  • オーサリングツール(Authoring Tool)
     Webホームページのようなデジタルコンテンツの編集・作成するソフトウェアを一般にオーサリングツールと呼ぶ。eラーニングの場合もコンテンツを作成するソフトウェアをオーサリングツールと呼ぶ。オーサリングツールは、LMS提供ベンダーが自社のLMSと連携可能なものを提供している場合が多いが、SCORM規格によるLMSとコンテンツの標準化が進んできているので、SCORM対応のLMSで共通に利用できるコンテンツを作成するオーサリングツールも登場している。
     文字が主体のシンプルなeラーニング用コンテンツなら、専門知識がなくてもオーサリングツールに付属しているテンプレートやサンプルを利用して比較的容易に作成できる。しかしアニメーションやナレーションが利用できるFlashと呼ばれる形式を使う場合は、専用のツールを用いるため、専門的な知識が必要になる。また、PowerPointやPDFなどのプレゼンテーションやWordなどで作成したファイルをeラーニングコンテンツに変換する機能を持つオーサリングツールもあり、目的や用途に合わせて選択することが重要である。
    【関連用語】 LMSSCORM

  • オンライン大学
     インターネットを利用して授業を行う大学の俗称で、インターネット大学とも呼ばれる。主として、通信課程(通学ではない大学の通信教育)において、インターネットを活用するケースを指す。2004年4月、日本における最初の本格的なオンライン大学として八洲学園大学がスタート。その他では2007年にスタートしたサイバー大学などがある。完全にインターネット配信のみ、という大学だけでなく、通学課程のほかに一部をインターネット授業にした通信課程を併設した大学や、通学課程の授業を補完する目的でインターネットを活用する大学も増えてきている。日本で最初のインターネット授業を行ったのは、1999年の筑波大学と言われている。
     また、1997年より、WIDE University、School on the internet (SOI)という、デジタルテクノロジーとインターネットを利用した大学環境を提供していく目的をもった活動が慶應義塾大学を始めとするいくつかの大学で行われている。

[か行]
  • 階層別研修
     新入社員、中堅社員、管理職、経営幹部などのある特定の階層に対して必要な知識やスキルを修得させるために行う研修。入社時期や立場によって責任や果たすべき役割が違うため、研修内容は各階層によってかなり異なる。たとえば、新入社員教育であれば、ビジネスマナー、組織人としての心構え、基本的なICT教育など、会社の一員として仕事をするうえで最低限必要な知識やスキルを修得することを目的とするが、管理者教育であれば、マネジメント能力養成、部下の育成方法など管理者として必要な知識やスキルを修得する研修内容となる。

  • 学習組織(ラーニング・オーガニゼーション)
     学習組織(ラーニング・オーガニゼーション)はマサチューセッツ工科大学のピーター・M・センゲ(Peter M.Senge)により提唱された。
     ピーター・M・センゲは来るべき社会を見据えて「来るべき社会は人々が継続的に能力を広げ、必要な情報を創造し、新しい考え方やより普遍的な考え方を育て、人々が互いに学びあうような場」「人々が強い意欲を持ち、コミュニケーションの方法を学びながらシステマティックなアプローチによって共通のビジョンの実現を目指すチーム組織」が重要であると説き、これからの組織はソリューションの創案に強い組織に変化することが重要であるとしている。ソリューション創案のためには顧客ニーズを把握し、課題と解決策を創案する能力を持ち続けるために継続的な学習が必要であると説いている。センゲはそのために著書「The Fifth Discipline」で5つの組織能力の必要性を挙げている。

    1、システム思考(systems thinking)ビジネスにおいて組織関係を制御する能力
    2、自己マスタリー(personal mastery)自己を常にプロモーションする意欲
    3、メンタル・モデル(mental models)ひとの意見を活かせる自己制御力
    4、共有ビジョン(shared vision)組織のビジョンへの理解と共有力
    5、チーム学習(team learning)実践的学習能力

     中でも最も重要であると指摘しているのがシステム思考で、組織の持つ機能・関連を良く把握し、他の4つの能力を統合し、成長し続ける組織を創ることが重要であると提言している。

    出典:「最強組織の法則――新時代のチームワークとは何か」ピーター・M・センゲ著・徳間書店

  • カークパトリックの4段階評価法
     アメリカの経営学者のカークパトリック博士が1959年に提案した教育の評価法のモデル。教育の評価は、教育プログラムの改善や教育品質、効率向上のために重要であり、カークパトリックの4段階評価法が世界的に定着している。4段階モデルとは、

    ・レベル1:Reaction(反応)
    受講直後のアンケート調査などによる学習者の研修に対する満足度の評価

    ・レベル2:Learning(学習)
    筆記試験やレポート等による学習者の学習到達度の評価

    ・レベル3:Behavior(行動)
    学習者自身へのインタビューや他者評価による行動変容の評価

    ・レベル4:Results(業績)
    研修受講による学習者や職場の業績向上度合いの評価

    で、レベル1、2は多くの企業が研修実施時に評価を実施し、評価結果を次回の教育プログラムの改善や効果測定に役立てている。eラーニングシステムは一般に、レベル1、2の評価支援機能を備えており、効率的に評価ができる。
     一方、レベル3、4はそのプログラムを継続するかどうかを決めるときの統括的評価に用いられる。しかし、レベル3、4は評価を行うために、技術と経験が必要なため、アメリカでも実施している企業は少ない。今後、インストラクショナルデザイン技法の利用などによる評価の実施が望まれている。
    【関連用語】 インストラクショナルデザイン

     

  • 学習進捗管理
     LMSの機能の1つで、管理者側と学習者側のそれぞれの機能がある。
     管理者側の機能としてはLMSに登録された学習者の記録を参照して、学習の方針や計画を立てたり、学習を促したりする機能がある。学習者側では自分のペースで学習を行う非同期型(オンデマンド型)の学習ができる。また、LMSに学習者の学習履歴が保存されるので、学習者は自分の学習進捗状況を確認しながら学習を進めることができる。また、学習管理者はLMSのデータを見て、学習者1人1人の学習進捗状況や成績を把握・管理できる。LMSによっては、学習者1人1人の学習進捗状況に合わせて学習計画を立て、学習者が一定の進捗状況を保てる機能を持っているものもある。
    【関連用語】 LMS

  • 学習の動機付け
     学習者が学習に取り組もうとする心理的な動き、それを促すこと。モチベーションともいう。
     非同期型学習のように、学習者が自分のペースで学習を行える形式の学習形態の場合、受講を継続するには学習者自身のやる気の持続が必要になる。学習者のやる気を持続させるためには、メンタリングやチュータリングが有効であるが、さらに企業では経営トップ層、所属上長、同僚などのいろいろなレベルからの動機付けも重要になる。例えば、経営トップ層からは職員全体に向けた講話などによる動機付け、所属上長からは学習者に対する受講促進の働きかけなどによる動機付け、同僚の場合は、グループ内での進捗度確認などの動機付けなどが考えられる。
    【関連用語】 同期型学習/非同期型学習メンタリングチュータリング

  • 画像・アニメーション・ビデオ

    <画像>
     2次元平面上に描かれた絵のこと。デジタルデータとしてコンピュータで管理するには、多種の形式がある。eラーニングコンテンツでは、GIF、JPEG、PNGなどWebブラウザで表示が可能でインターネットでよく用いられる形式を使うことが多い。写真、イラスト、図表などが表現できる。

    <アニメーション>
     動作や形が少しずつ異なる複数の静止画像を連続的に表示することで、ものが動いているように見せる技法。eラーニングコンテンツでは、Flashで作成されたアニメーションが使われることが多い。

    <ビデオ>
     風景、人物など実物を撮影した動画のことをビデオまたはビデオ映像と呼ぶことがある。eラーニングでは、ビデオ映像をストリーミングと呼ばれる配信形態で配信することがある。講師の実在感のある映像コンテンツによる学習が実現でき、学習者を飽きさせない。

     画像・アニメーション・ビデオを使うことで、文章だけでは表現しにくい内容を視覚的に分かりやすく表現することができる。特に、eラーニングコンテンツでは、文章だけで書かれたものに比べて、より学習者の理解を深めることができる。
    【関連用語】 Flash

  • 企業内教育の目的
     企業内教育は、企業が事業を進めていく上で不足する人的能力を開発するために実施される。従来、企業内教育は、OJTや階層別研修を中心に行われており、職務に必要な知識や技術を上司や教育担当者が教えるというアウトサイド・イン型が中心であった。このため、訓練という色合いが強く、受動的な教育となり受講した内容の応用性や汎用性が低いという欠点があった。
     現在、企業で求められている人材はグローバル社会で活躍できたり、事業にイノベーションや価値を創造できる人材である。このような人材を育成するために企業内教育も社員の主体的・能動的学習意欲を高め、実践的な学習の機会を重視したインサイド・アウト型への変革が求められている。インサイド・アウト型の教育形態として、社員が自己の能力やキャリアプランにあわせ、いつでも学習できるeラーニングは教育コスト削減や教育機会の均等化など企業側のメリットも高く、活用が広がっている。
    【関連用語】 OJT階層別研修

  • 教育効果
     一般に教育することによってもたらされるアウトプットを教育効果と呼ぶ。企業内教育では、これまで教育そのものを目的として、その効果を具体的に検証しないという傾向があったが、成果主義の導入とともに教育を投資あるいは手段として捉え、その効果の数量的な検証が不可欠との認識が生まれてきた。その考えに立てば、教育の目的は「経営課題の遂行のために必要な人材の開発」であり、そのために必要な教育テーマが選ばれる。そして、教育の実施後に所期の目的が達成されたかどうかを測定、検証する。検証には、アンケートやインタビュー、モニタリングなどの手法がある。測定する項目は、業績の向上が教育によってもたらされたのかどうか、どの程度向上したのかが中心になる。企業内教育をeラーニングで行う場合、対象者全員が短期間に一斉に学べるというメリットがあり、また学習者ごとに異なる内容を学ぶことも可能なので、より個人や組織の状況に応じた教育効果が期待されている。

  • 教育モデリング言語
     学習活動には,独習・講義・ゼミなどの形態があり、講師と学生がどのような学習資源(教材やコミュニケーションツールなど)を用いて、どのようなやりとりを行うか、様々なバリエーションがあり得る。学習目標を効果的に達成するための望ましい学習形態は、インストラクショナルデザインや実践を通じて設計・検証される。
     教育モデリング言語は、このような様々な学習活動の形態や順序をフォーマルに記述し、効果的に学習目標を達成するための学習方法の再利用を支援するためのものである。
     たとえば、Open University of Netherlands が各種教授法の分析から開発したOUNL EMLでは、先生、生徒などの「役割(Role)」を演じる「人々(Person)」が学習資源などの「環境(Environment)」を活用する「学習活動(Activity)」の集合として、教授学習過程を表現する。IMSではOUNL EMLをベースにLD(Learning Design)という標準規格を策定している。

  • 協調学習(Cooperative Learning)
     学習者がグループ活動の中でお互いの学習を助け合い、それぞれが学習に対する責任を果たすことで、グループとしての目標を達成していく、協調的な相互依存学習のこと。まわりの学習者からの刺激による学習モチベーションの向上、また他人との相互学習により理解を深めたり整理したりする効果があると言われている。具体的には、人に教えることによって自分の理解を深める、人の誤りを診断することで理解を深める、人との議論によって思考を高め理解を深めるといった考え方である。この「協調学習」をコンピュータ上で実現する手段として、wikiやブログ、SNSなどの活用も期待されている。
    【関連用語】 SNS

  • 草の根eラーニング
     企業の枠を超え、未就労者も対象とした広範な産業人材の育成を目的としたeラーニングサービスの総称。人材育成が十分行われていない企業で働く社員や、フリーターや非正規社員など企業内での人材育成の対象とならない個人の自主的な能力開発を支援することを目的としていた。
     政府は2004年に「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太方針2004)」で「草の根eラーニングシステム」の整備を進めることを掲げ、経済産業省、文部科学省、厚生労働省が連携して、「若者自立・挑戦プラン」の一環として、コンテンツ開発やモデル事業を進めた。
     経済産業省の「草の根eラーニング研究会」の中間報告(2004年10月)では、提供すべきサービスとして、企業での経験や学校での学習機会が少ない人を対象とした「基礎スキル習得支援プログラム」や、社内教育を十分受けられていない人を対象とした「ビジネススキル支援プログラム」を挙げている。また、サービス提供者として、ジョブカフェのような公的機関、NPO、大学、教育サービス業者などを挙げ、今後、具体的なサービス内容や提供方法の検討が必要とされている。


  • クラス管理
     研修を効率的、効果的に行うため、学習者を所属組織、階層、学習目的などでクラスに分けて管理すること。通常の集合研修では、教室の定員などによっておおまかなクラス分けしかできないが、eラーニングでは学習者ごとに学習計画を立てたり課題を設定したりできるので、適切なクラス分けできめ細かな管理を行うことができる。例えば、事前テストの得点に応じてクラス分けし、それぞれの理解度に応じた教材を提供することで学習効果の向上を図ることができる。
     またeラーニングでは、学習者1人1人の学習進捗度を管理できるが、クラス分けして集団として把握する方が管理は容易になる。最近は、eラーニングの申し込み受け付けやクラス分け、進捗度に応じたメールでの受講促進などをシステム側で行い、学習管理者の負担を軽減するLMSも提供されている。

  • 形式知
      形式知とは暗黙知と対局に位置する情報の種類で、自分の頭のなかにある考え方や判断基準などの情報や知識を文書や言葉にして情報伝達が可能な形にした知識や情報のこと。実務能力を育成する教育の世界では、仕事で使う情報や知識は電子データ、電子ドキュメント、音声データなどの形式知にされていると、ICTシステムやeラーニングシステムなどにより情報や知識の蓄積、伝達、検索が容易にできるようになり、実務能力育成に極めて有効な働きを果たすと期待されている。代表的なシステム名としてはパフォーマンス・サポート・システムやナレッジ・オン・デマンドシステムとして商用化されている。
     知識を暗黙知と形式知に分類し、その活用法を説く知識経営論で有名な一橋大学名誉教授の野中郁次郎教授が提唱した考え方が、主として教育や情報共有の世界で発展している。
    【関連用語】 暗黙知

  • 形成的評価と総括的評価
     教育の評価・改善の方法論である。
     形成的評価とはカークパトリックのレベル1およびレベル2の評価項目により、教育結果を評価し、改善すべき点を教育目標、教育内容、教育材料、教育運営など教育企画以降のプロセスに反映させ、教育コースの改善のサイクルを廻すための評価プロセスである。 対して総括的評価とはこの教育プログラムの存在価値を評価するという視点からの評価法である。具体的にはカークパトリックのレベル3およびレベル4から評価項目が決められ、主としてこのプログラムは役に立つ場面はあるのか、そして教育の結果、組織に貢献するパフォーマンスを果たせるのかという視点で評価する。 別の言い方で云えば、教育プログラムで教えていることが現場で使うことがない、若しくは学習しても狙いとする成果が上げられないということであればその教育プログラムを存在させる意味は無いのであって、教育プログラムそのものを削除するというような評価プロセスである。 ただしこの形成的評価と総括的評価による評価法は企業内教育の中堅教育やエキスパート教育に適用する評価法であって、高等教育のリベラルアーツの教育や企業内教育の新人教育に適用する教育評価法ではない。
    【関連用語】 カークパトリックの4段階評価法

  • 検索エンジン
     インターネットで公開されている情報からキーワードなどを使って目的とする情報を探し出すソフトウェア。GoogleやYahooなどの検索エンジンが著名。
     eラーニングでは、業務の遂行に必要な情報を入手するには検索エンジンを活用するのが最も効率がよいといわれる。従来のeラーニングで提供される情報は構造化された基本的な知識で、すぐに業務に役立つとはいえないものも多い。学びを業務に役立てるという機能にまで広げるには、仕事の中で必要な情報を企業内のあらゆる電子化情報から検索できるようにすることが必要になる。現代のワーカーは業務時間の25%近くを情報検索に費やしているといわるが、効率的な情報検索能力を備えた業務、学習環境を整えることで、増加する情報、変化する情報にも対応できる情報活用ができ、企業が変化に対応する能力を持つことが出来ると考えられている。このような環境を整備することで業務のスピードが上がることに企業トップが注目し始めている。


  • 構造化情報
     一般的に教育に使う情報の内容を"コンテンツ"というが、教育の世界での"コンテンツ"とは人に教えるように、デザインされた情報の内容という意味で使われる場合もある。即ち教科書やeラーニングコンテンツの中に盛り込まれた情報の内容である。教育目標に合うように情報をデザインした情報、即ち教育目標に合うように構造化した情報とも云える。
     一般的にこのような情報は基礎知識であって社会人が業務を実践する場合にはこの基礎知識だけでは不十分な場合が多い。この言葉の対局にあるのが非構造化情報で、社会にある情報として存在するあらゆる情報を指すのが非構造化情報で仕事を遂行するための情報や知恵というような情報を含んでいる。
    【関連用語】 

    非構造化情報
  • 行動主義
     行動主義は教育工学のワトソン(J.B.Watson)によって1912年に提唱された教育理論である。行動主義は人間の行動を予測し、制御し、説明することを目指す実験心理学の一種である。即ち教育対象である"人"にどのような刺激(学習内容)を与えればどのような反応(行動)をするかということを研究する心理学に起因している。
     従って最も昔からある教育法であって、1930年頃になって期待する行動をより確実にする動因(ドライブ)などを研究する新行動主義などがハル(C.L.Hull)やトールマン(E.C.Tolman)などにより行われた。
     この教育法は一般的には初期レベルの知識習得の教育法としては良いが、教育関係者の理解不足により、本来ならば自分で学習目標を定めなければならないような社会人の中堅やエキスパートへの教育や高等教育にもこの行動主義的教育法を適用しているために、極めて効果の期待できない教育が実践されていることで反省材料になっている教育法である。

  • コース管理システム(CMS:Course Management System)
     eラーニングやブレンディッド・ラーニングの支援を行うためのソフトウェア。
     通常、WWWサーバとして動作し、利用者はWWWブラウザを用いてCMSを利用する。CMSでは、学習カリキュラム、学生や講師などの利用者情報、学習履歴情報が管理されている。学生は、学習カリキュラムに従って学習を行い、CMSを用いてテストを受けたりレポート提出を行う。講師は、CMSを用いて学生の進捗状況やテストの結果などを確認して、成績評価を行う。上記のほか、コンテンツ配信機能、掲示板・SNSなどのコミュニケーション機能、ピアアセスメント機能、アンケート機能などを有し、外部の校務管理システムと学習者情報や成績情報をやりとりできるようになっていることが多い。LMS(Learning Management System)と、ほぼ同義に用いられるが、コースカリキュラム管理よりも、個々のコンテンツ配信に重きが置かれている場合 LMS と呼ぶ場合が多い。
    【関連用語】 LMSブレンディッド・ラーニング

  • コーチング(Coaching)
     部下やクライアントのやる気を引き出し、適切なアドバイスをすることにより、自発的な行動と問題解決を促すことをいう。コーチングのモデルとして一般によく知られているのが、GROWモデルと呼ばれているものである。これは、GOAL「目標の明確化」、REALITY「現実把握」、OPTIONS「選択肢の創造」、WILL「目標達成の意思」のそれぞれのステップで助言を行うものである。

  • コンテンツアグリゲーション(Content aggregation)
     社内外にある各システムやデータベースに格納されているコンテンツをポータル等の同一画面上に個別フレームとして取り込み、新しいサービスとして全体一覧画面を生成し表示する機能。コンテンツの権利を所有するコンテンツベンダーからハイクオリティのコンテンツを集め、コンテンツアグリゲーションサービスを提供する事業者(コンテンツアグリゲータ)も増えている。
     SCORM1.2では、コンテンツアグリゲーションを行うための規格も規定している。
    【関連用語】 SCORM

  • コンテンツ管理システム(CMS:Course Management System)
     コンテンツ管理システム(Content Management System。以下、CMSと呼ぶ。)のこと。 eラーニングのみならず、あらゆるコンテンツ管理において利用されている用語であり、コンテンツに利用されるテキスト、写真、イラスト、動画、音声、レイアウト情報等を一元的に管理し、実際のコンテンツの構築や編集・更新を効率的に行うためのシステム。CMSには、詳しいウェブサイトやプログラミングの知識がなくてもコンテンツの制作・編集が行えるようなしくみが施されており、その導入メリットは少なくない。近年では、IT業界以外における企業のウェブサイトでもCMSの導入は進んでいる。
    【関連用語】 LMS

  • コンテンツ認証制度
     日本イーラーニングコンソシアムが設けたSCORM規格に適合するコンテンツを認証する制度。SCORM規格や相互運用性の問題に習熟したコンテンツ開発者としてeLCが認定したSCORMアセッサが検証し、SCORM規格に適合したと認定したコンテンツを認証する。
     eラーニングの普及、促進のためには、流通する教材コンテンツの種類、量の拡大と価格低減による流通促進が重要であり、技術的にはLMS(Learning Management system) と教材コンテンツの標準的技術による相互運用性の確保が必須となる。eLCでは、LMSと教材コンテンツの相互運用性を高めるために、「SCORM アセッサ資格制度」を制定し、技術者の育成を促しており、これまでに100人を超えるアセッサを認定している。
    【関連用語】 SCORMSCORMアセッサSCORM適合コンテンツ

  • コンテンツベンダー(Contents Vendor)
     eラーニングのコンテンツを提供し、コンテンツにかかわるサービスを行う事業者のこと。コンテンツベンダーが扱うコンテンツの種類は、既存にあるレディーメイドコンテンツとクライアント毎に作るオーダーメイドコンテンツがある。また、内容の分類として「ITコンピュータ」、「ビジネス基礎」、「社会通念」、「経営管理」などがある。ユーザーの約7割が企業内教育といわれている。
    【関連用語】 自社コンテンツ/オーダーメイドコンテンツ

  • コンテキスト(context)
     文脈、前後関係、周囲の状況をいう。eラーニングでは「仕事を遂行する中で必要とする情報」を指すことが多い。これまでのeラーニングのコンテンツを「構造化された情報」とすれば、コンテキストは「構造化されていない情報」、動いている情報群ともいえる。
     コンテンツがeラーニングのコースプログラムの構造化された情報群であるのに対し、コンテキストはサーバやインターネットの各種サイト、電子ドキュメント、コミュニケーションシステムの中に流通する非構造化情報である。

    コンピテンシー(Competency)

  •  ある職種や状況で、恒常的に高い業績や成果に結び付けることのできる個人の行動特性、思考特性、知識、技術、能力など。学習によって習得することができる。
     コンピテンシーという用語は、人事管理や人材の評価、育成の場面でよく使われる。発祥は1970年代に米国のマクレランド教授らが外交官の適性を判断する研究である。現在は、企業の採用活動や異動配属、人材ポートフォリオの作成などの場面でも活用されている。

  • コンピテンシーディクショナリー(Competency Dictionary)
     それぞれの職種に必要なコンピテンシーを列挙したもので、コンピテンシーの発現度合を具体的なレベルで定義している。それぞれの職種で高い業績を上げている人にインタビューなどを行って、その職種で業績を上げるために必用なコンピテンシーを抽出し、項目ごとに列挙する。
    【関連用語】 コンピテンシー

  • コンピテンシーマネジメント(Competency Management)
     企業の業績向上を目的に社員1人1人の能力(コンピテンシー)を把握し、向上させるために企業内教育を運営、管理する手法。
     実施にあたっては、ある職種において高い業績を上げている人にヒアリングなどを行い、その職種に必要なコンピテンシーを抽出する(コンピテンシーディクショナリーの作成)。コンピテンシーディクショナリーを用いて社員1人1人の評価を行い、各人に不足しているものは何か(コンピテンシーギャップ)を抽出する。ギャップを各人に認識させ、不足しているコンピテンシーだけを学習させることができるので、意欲的で効率的な学習が可能になる。コンピテンシーマネジメントとeラーニングシステムを連携することにより、より効果的な企業内教育マネージメントシステムを構築できる。
     各職種への社員の任用は勤続年数に関係なくコンピテンシー評価で実施できるので、コンピテンシーマネジメントによって適切な任用や抜擢が可能になる。コンピテンシーに基づいた人事・評価制度は成果主義が浸透している米国で導入が進んでいる。
    【関連用語】 コンピテンシーコンピテンシーディクショナリー

  • コンピテンシーモデル(Competency Model)
     プロフェッショナル教育の目標設定や評価・育成の基準となるコンピテンシーの集合。職種や職位ごとに重視されるコンピテンシーは異なるので、職種や職位ごとに、より成果に結び付くコンピテンシーを定義するのが一般的である。
    【関連用語】  コンピテンシーコンピテンシーディクショナリー

  • コンプライアンス(Compliance)
     法令、ルールや企業倫理(企業や組織活動においても個人、市民として順ずべき道徳規範)を順守すること。多くの企業では、コンプライアンスの専門部署を設け、倫理規程の制定、マニュアルの作成や研修を行っている。また、不正行為や違法行為の発見や防止のために内部通報制度を設けている。公益通報者保護法の制定(2004年6月)、施行(2006年4月)を機に内部通報制度の設置をする企業も増加している。また、経営トップに直結する企業倫理に関する相談、通報窓口(ヘルプライン)を弁護士事務所などに設けているケースもある。ただし、経営者や社員の意識改革が不十分なため、各業界でさまざまな偽装やインサイダー取引、談合、個人情報の流出や不正な持ち出し、非食用米の不正販売などの不祥事や法令違反が起きている。法令や倫理に反する行為は市場などの評価が厳しいため、企業のイメージダウンやトップ交代にとどまらず、倒産や廃業に追い込まれるところも出ている。
     このような背景もあり、コンプライアンスに対する教育を自社従業員のみならず、派遣社員やアルバイト、および関連会社まで広げて実施する企業や団体が増えており、法令内容の徹底や事故防止等のためにeラーニングを使って、関係者全員を対象に教育し、コンプライアンス意識を高めている企業等も多い。
    【関連用語】 企業内教育の目的
[さ行]
  • 自社コンテンツ/オーダーメイドコンテンツ
     自社用にカスタマイズしたeラーニングコンテンツをいい、カスタマイズコンテンツ、オリジナルコンテンツとも呼ばれる。
     自社コンテンツは、企業独自の知識、スキル、コンピテンシーなどを社員に普及、浸透、理解させる狙いで作られ、「自社の商品知識」「自社の人材マネジメント方法」「独自の商品開発手法」などの分野が多い。一方、パソコン操作法の習得など、広く知識の共有や標準化が進んでいる分野の学習には、市販の汎用コンテンツやパッケージコンテンツの利用が適している。
     また、作成するコンテンツの内容が複雑な場合や、動画などの難しい技術を利用する場合も、オーダーメイドコンテンツとしてコンテンツベンダーに開発を委託する場合がほとんどである。コストは高くなるが、完成度が高く、わかりやすいコンテンツが作れる。
    新商品や新技術の解説など、短時間で開発して提供することが求められるコンテンツは、自社内で作成する方が適しており、自社で利用しているLMSに対応したオーサリングツールを利用し、スピーディに自社開発することで他企業との差別化や企業内教育の強化が可能になる。
    【関連用語】 コンピテンシー

  • 事前テスト/事後テスト
     社内研修やeラーニングコースで、学習者が学習コースを受講する前に行うテストを「事前テスト」、受講した後に行うテストを「事後テスト」と呼ぶ。
     事前テストは、学習者が学習コースを受講するのに必要な知識を持っているかどうかを確認するためや、学習者の知識レベルを確認するために行われる。学習するコースの理解に必要な知識を持っているかどうかを測定する場合や、学習を効率的に行うために学習者をレベル別に分けるために実施する場合もある。
     事後テストは、事前テストの問題と比較し、学習者が学習によってどの程度の知識が定着したかを測定するために、事前テストとのセットで行われる。効果的な測定を行うために、事前テストと事後テストで同じ問題を出題したり、学習定着度が定量的に測定できる問題にしたりすることが重要である。
     eラーニングでは、Web上でのテストの実施や評価結果の閲覧、また事前テスト結果により知識レベルに対応した学習内容を自動的に提示することも可能である。

  • シミュレーション(Simulation)
     物理的あるいは抽象的なシステムに対して事前にモデルを使って実験を行い、分析・予測する手法のこと。模擬実験とも呼ばれる。実際に模型を作って行う物理的シミュレーションと、数学的モデルをコンピュータ上で扱う論理的シミュレーションがある。
     シミュレーションは実際に行う事が困難、不可能、または危険である場合や多岐にわたる選択条件を事前に検証する場合、現象の特定要素を変形させて検証する場合などに用いられる。
     eラーニングでは主にコンピュータを活用することで、費用や時間、労力を最小限に抑え、安全性や経済性の高い学習結果を短時間で得ることができる。。

  • 社会人基礎力
     職場や地域社会の中で多様な人々とともに仕事をしていくために必要な基礎的な力。
     近年のビジネス環境の変化と教育を巡る変化を背景として、経済産業省は平成17年7月に産官学からなる有識者を集めた「社会人基礎力に関する研究会」を設置した。平成18年4月に6業種320社、平成19年3月に9職種684社を対象に、これら社会人基礎力に関する企業ニーズ調査が実施され、製造業では、「考え抜く力」が、建設業では「チームで働く力」がそれぞれ特に重要であるとの結果が得られている。

  • 社会人大学院
     既存の大学院に社会人が通学しやすいような設備、施設、構成を用意している大学(大学院)をいう。大学側も少子化などの影響で定員割れを起こしているケースもあり、大学入学の対象者を社会人(現役就労者、退職者、主婦など)にも広げ、経営を維持していきたいという背景がある。社会人が教育に興味を持ち、継続して通学できるよう、教育内容も社会人のニーズに対応した専門コースを用意したり、就業者の仕事が終る夜間に授業を行うケースもある。また、社会人が自宅で大学の授業を受けられるようにeラーニングの活用も積極的に行われている。

  • 社会的構成主義
     教育工学を構成する教授・学習システムも時代とともに進化している。明治以来の一斉指導による教育刺激から期待される反応行動を行わせるこれまでの行動主義から、情報技術や情報インフラの発展と社会情勢の進化から能動的な学習観に立つ学び方が台頭してきた。進化した情報環境のなかで、学習者が能動的学習をすることを社会的構成主義という。社会的構成主義では教育システムの中心は学習者であり、学習者が広く社会・文化・組織のなかで、自己の学習目標に照らして学習行動を選択し、能動的に学習活動を続けることを支援する。具体的には学習目標を決めた後の学習のための情報取得は学習者が自ら取捨選択し、学習行動を続けることである。学習活動のために必要な情報を必要なときに、必要な場所で入手し、場合によっては周囲の人達との情報交換・指導も必要である。そのために優れたヒューマンネットワークを含めた優れた情報環境を必要とする。社会活動に必要な情報が多い情報化社会で、中堅以上のレベルの学習者の教育法に有効な教育方法である。
    【関連用語】 行動主義

  • 集合知
     集合知とは、多くの人々により集積された大量の知識や情報が集まり、その集まった情報を組織が活用するときに持つ組織の"知"のこと。ICTやWebテクノロジーの発展により、知識や情報を集積しやすくなり、かつ検索エンジンで必要な情報を簡単に引き出せ、かつネット上で情報を共有するソーシャルブックマークなどにより情報の集合と共有が容易にできるようになり、その組織に属する人々の知識レベルが上がることから注目されている。

  • 修了率
     学習コースを最後まで受講した学習者の割合。非同期型の学習の場合、学習ペースを学習者の自発性に任せると、期間内に修了しないことが多かったり、全く学習を行わなかったりする場合がある。未修了を減らし、修了率を高めるには、進捗の遅い学習者に上司が学習を促すなどの働きかけを行うことが重要である。LMSには、進捗の遅い学習者に自動的にメールを配信して受講を促進する機能を持っているものがある。また、ASPの場合でも、メンターが学習者の進捗状況を監視し、学習が遅れた場合に、適切なアドバイスや激励メールを送付するサービスを提供するベンダーもある。
     修了率を向上させるには他に、メンタリング、チュータリング、ヘルプデスク、Q&Aなどによる受講支援や、コースの単元を短くし、業務の合間も受講しやすくするなどの工夫が必要である。
    【関連用語】 ASPメンターメンタリングチュータリングヘルプデスク

  • 受講後アンケート
     研修や学習が終わった後、コース内容などについて学習者の意見や感想を収集する方法で、コース評価のために多く実施される。
     集合教育では、アンケート用紙を配って学習者に書かせるが、eラーニングでは、Web上でアンケート項目を表示し、学習者に入力させる方法が一般的。この場合、アンケート集計を自動化し、集計結果を即座に見ることができるような仕組みもできる。自動集計の場合、回答を単一選択や複数選択の形式にするとやりやすい。 LMSによっては、アンケート項目の作成、データ入力、集計機能を有するものもあり、効率化が図れる。

  • 状況的学習法 (Situated Learning)
     様々な社会的活動に関わることを通じて学ばれるスキルやナレッジ(知識)の習得のことを指して言う。具体的には職場や学習の場で、特定の目標を持つ者がコミュニティを形成し、ネットワーク上やリアルな場で、情報交換,情報共有をしたり、教え合ったりする学習法である。1991年、人工知能研究者であるJean Lave氏と、人類学者であるEtienne Wenger氏のよる著書「Situated Learning - Legitimated peripheral participation」の中で主張されている。両氏は、学習とは共同体への参加の過程であり、その場合の参加とは、初めは正統的で周辺的なもの(正統的周辺参加)だが、次第に関わりを深め、複雑さを増してくるものだとしている。最近は企業でのSNSなどの活用が増えている状況から注目されはじめた学習法である。
    【関連用語】 Community of PracticeSNS

  • 情報共有
     実務のできる人材を育成するためには、教科書やeラーニングコンテンツにあるような構造化された基礎知識だけでは不足であると企業内教育のエキスパートは指摘している。実務で使われる情報は構造化された情報が約20%、構造化されていない非構造化情報や知恵が約80%という比率であり、さらにこの非構造化情報が年に60~80%増加を続けると云われている。
     そのような状況から実務に役立つ教育を実践するためには、実務に関連する非構造化情報やエキスパートの持つ知恵を共有することが重要であるという認識から、教育環境の中にICT環境を構築して情報共有をする情報環境を構築するというのが、eラーニングの世界でいう情報共有である。
     具体的にはこれまでの認識のコンテンツで学ぶeラーニングや集合教育で基礎教育を習得した後は、実務で使われているコンピュータリポジトリーの中にある検索エンジンで業務に必要な情報を入手したり、必要な情報を持つエキスパートにアクセスして聞いたり、SNSなどによりプロジェクト仲間から情報を得たりして、早期にエキスパートに成長することを支援するeラーニング環境の機能のひとつである。
    【関連用語】 SNS

  • ストリーミング (Streaming)
     音声や動画などのマルチメディアファイルを、ネットワークを通して転送しながら再生をする方式のひとつ。ストリーミングでは、動画などのマルチメディアデータを視聴するときに、クライアントがサーバからのマルチメディアデータを受信するとすぐにその受信したデータの再生を始めることができる。すなわち、データのダウンロード終了を待たずに動画などの視聴を開始することができる。そのため、ファイルをダウンロードしてから視聴する方式に比べ、視聴開始までの待ち時間が大幅に短縮できる。

  • ストリーミングサーバ(Streaming Server)
     映像や音声などのマルチメディアデータをストリーミングで配信するためのサーバ。
     ストリーミングサーバでは、データ量の大きい動画や音声を複数のクライアントに対して同時に配信する必要がある。そのため、Webサーバ等に比べ、高速アクセスが可能な大容量のストレージを持ち、高速なアクセス回線に接続されていることが多い。

  • スマートフォン (Smartphone)
     携帯電話と携帯情報端末を融合させた携帯端末のこと。通常の音声通話のみならず、ネットワークを活用した多種多様なサービスを利用することが可能な端末。iPhoneやブラックベリーがその代表例。日本の携帯電話は、早くから多機能化が進められていたため、スマートフォンという概念は、欧米に比べると見えにくくなっている感があるが、パソコンにも匹敵しつつあるその多機能性は、モバイルラーニングのプラットフォームとして、その将来性に大いに期待が寄せられている。

  • セカンドライフ(Second Life)
     アメリカのリンデンラボ社が運営するインターネット上の仮想世界空間。ソフトを立ち上げると画面の中に都市や観光地などの3Dの世界が広がっていて、ユーザーはアバター(分身)を通して、いろいろな場所を訪ねたり、人と交流したりすることができる。セカンドライフ内でeラーニングによるスクールや公開セミナーを開催している機関もあり、利用者はアバターにより動画やパワーポイント画像、音声チャット機能などを使った講義を受けたり、他の利用者との意見交換をすることもできる。

    ASPLMS

  • セキュリティ管理
     コンピュータを利用する上で不正アクセスやデータ、ホームページの改ざん、外部からの攻撃によるシステムのトラブル、人的要因による情報漏洩など個々の問題に適切な対策を行い、組織としてのリスク評価、明確なセキュリティポリシに基づいて情報を管理すること。受講履歴などの個人情報を扱うLMSでは、ネットワークセキュリテイポリシーに従ったファイアウォールでの保護やLMSに対する厳重なセキュリティ管理、SSLと呼ばれる暗号化通信の利用、適切なシステム管理者やASPベンダーの選定が必要である。
    【関連用語】 
  • 全文検索
     ファイルや文書に含まれるテキスト全体を対象とする検索のこと。 従来のシステムでは情報の内容を示す情報であるメタデータを検索するシステムが多かったが、メタデータでは情報を完全に検索できなかったり、メタデータ作成に手間が掛かるなどの弱点を抱えていた。最近は、XMLという言語の普及や新しい検索エンジンの登場で、全文を検索できるようになり、検索の便利さが飛躍的に高まった。

  • 相互運用性
     複数のシステムやデータを接続したり、組み合わせて運用したりする場合でも動作することをいう。
     日本国内では、どのメーカーの電気製品の電源プラグをどこの家庭のコンセントに差し込んでも使用することができる。この場合、電源プラグとコンセントの間に相互運用性があるという。同様にeラーニングでは、あるLMSで複数ベンダーのコンテンツを実行できる、あるいは、あるコンテンツを複数ベンダーのLMSで実行できる状態を「LMSとコンテンツの間に相互運用性がある」という。相互運用性のある製品の数が多くなれば、利用者は製品の組み合わせを気にすることなく、自分の目的やコストに適した製品を自由に選択することができる。また、ベンダーは相互運用性を満たした上で、さらの付加価値のある製品を販売することで、新たな市場を狙える。
     相互運用性を確立するには、相互のシステムやデータの間の、インターフェースややり取りするデータ項目を取り決める必要がある。このような取り決めが標準規格で、標準化団体が標準規格を取り決めている。標準化団体には、対象となるシステムの開発ベンダーや利用者が参加する標準化コンソーシアム、国の代表が参加する国際標準化機関などがある。標準規格によって相互運用性を確立するためには、必要な機能が十分に満たされていることはもちろん、制約条件を多くしないことが必要である。しかし、機能を高めることと制約条件を少なくすることは相反する場合が多く、これが標準規格を決める際の技術課題となる。また、標準化団体に参加するベンダーや国は、自らが有する技術や内部規格を標準規格として認めさせようとするので、参加者の間での利害調整が必要となる場合もある。
    【関連用語】 LMS
[た行]
  • ダイバーシティ(diversity)
     多様な人材を活かす戦略のこと。企業内や社会における従来のスタンダードにとらわれず、多様な属性(性別、年齢、国籍など)や価値・発想などを積極的に取り入れることでビジネス環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業の成長と個人の幸せにつなげようとする戦略。この考え方はアメリカで生まれ、日本ではまず女性活用から始まった。その対象が外国人や高齢者、若者、障がい者などに広がりつつある。女性などに雇用機会を均等に与えるのが第一段階。それが現在では、多様化する市場にグローバル競争を勝ち抜くために多彩な人材を活かす第2段階を迎えた。その推進には経営トップの理解とリーダーシップがかかせない。


  • タレントマネジメント(Talent Management)
     現在及び将来の組織の目標を達成するために必要なスキルや資質を持った人材を見つけ出し、採用から配置、育成、自社への定着といった一連のプロセスを統合的に行うことによって一人ひとりの才能(タレント)を最大限に発揮させて成果に結びつける総合的な人材育成戦略。
     多くの日本企業では人事部が採用を一括で行い、育成は現場の上司や社内の研修部門に任せるといったように部門間で別々で行っていることが多い。タレントマネジメントの概念を取り入れ中長期で人材開発を行うことで、企業の業績につなげる人材育成を戦略的に行うことができる。

  • 知恵社会
     情報化社会になり情報の重要性が増している。情報化社会では社会は多様化し、その多様化につれて顧客のニーズも多様化してくる。その多様化するニーズに的確に応えていくためには多くの上質な情報とプロフェッショナルな人的素養の相乗でニーズに応えるソリューション(知恵)が創案される。情報化社会が進化すると上質な情報やニーズに合う創案を素早く創造できること(知恵)が競争力のポイントとなる。このことばが多く語られるのはマーケティングマネジメントの世界が多いが、ニーズに応える創造力が競争力のポイントとなる、と言う意味では産業界全般にも普遍性のあるワーディングである。

  • チャンク(Chunk)
     本来は「塊、ひとまとまりの意味を形成する単語群」という意味だが、eラーニングでは、短い学習時間で学べるコンテンツという意味で使われる。1回あたりのeラーニングコンテンツとしては10分ぐらいが適切といわれており、学習者の集中力が持続する時間内でコンテンツをまとめることが重要といわれている。コンテンツをチャンク化することで必要なものだけを、必要なときに、必要な人に提供できるようになり、その効果として仕事の内容とタスクに合わせた学習活動ができるようになる。

  • チュータリング(Tutoring)
     チューターは家庭教師、個人教師の意味で、チュータリングは家庭教師のように、学習に関する指導やサービスを行うことをいう。通常は、担当講師が行う採点や解説、質問への回答などの学習支援を指す。学習内容がわからないまま、指導やアドバイスが受けられないと学習者の士気は低下するが、チュータリングによって、これを防ぐことができる。メンタリングと同様に学習の継続に有効な手段と考えられている。チュータリングを実施する際は、適切な学習支援ができる講師の確保が重要になる。コンテンツベンダーによってはチュータリング付きのコースを設けている。
    【関連用語】 メンタリング

  • 著作権
     著作権は知的財産権の権利の一つであり、著作者が自分の著作物(音楽、絵画、小説、映画、コンピュータ・プログラムなど)を独占的に利用できる権利である。著作物を利用する際にはその著作物の著作権者の利用許諾が必要となるが、デジタル化によって、著作物が簡単に複製できるようになり、無断複製などが社会問題になっている。
     eラーニング用の教材コンテンツはオーサリングツールを用いると比較的容易に制作できるため、コンテンツ制作の際には著作権を侵害しないように注意する必要がある。著作物の利用は学校教育や私的な利用の場合、一定の条件下での複製が認められているが、企業用のコンテンツを制作する場合、他者の著作物を一部でも利用するときは、著作権者に利用許諾をとる必要がある。
     関連用語】 オーサリングツール

  • デジタルデバイド(Digital Divide)
     インターネットやパソコンへのアクセスする機会の多寡、ITを活用する能力の差などによって、個人が持つ情報量に生じる格差。所得、年齢、また居住地域におけるインフラ整備の違いなどにより発生すると考えられる。
     デジタルデバイドは、もともと貧富や機会の差が激しいアメリカで問題となり、2000年夏の沖縄サミットの議題として取り上げられるなど、地球規模の新たな問題として注目されている。デジタルデバイドは、年齢差や職場のIT環境の格差などによって、企業内や企業間でも引き起こされる。

  • データベースサーバ(Database Server)
     データベース管理システム(DBMS)を格納したサーバ。
     LMSを使って、学習者の学習履歴を管理するには、データベースを活用するが、Webサイトなどネットワーク上で運用する場合は、DBMSをサーバマシンに格納する必要がある。これにより、インターネットを使って学習している学習者の学習履歴をデータベースサーバに集め、保管できる。また、LMSの機能を使えば、データベースサーバの情報を使ってコンテンツや各種のレポートなどを利用者のPCに表示できる。
    【関連用語】 LMS

  • 電子掲示板
     電子掲示板は、学習者同士の交流や学習者と管理者が質疑などのやり取りを行う場で、一般に内容はすべての学習者に公開される。掲示板を利用してフリートークやディスカッションを行うと、他の学習者と共に学んでいるという意識が高まるので、学習意欲が高まり、学習の継続を促す力になる。また、コース内容などに関する学習者の質問と、インストラクターなどの回答を掲載することで、FAQとして使われ、学習者の理解を助けることができる。

  • 同期型学習/非同期型学習
     同期は作業などを同じ時間に合わせて行うこと、非同期はそれぞれ勝手な時間に行うこと。eラーニングにおいて同期型学習とはインターネットテレビ会議などのリアルタイムで行われる双方向システムを用いた学習を指し、また非同期型学習とは自分のペースで学習することで、学習の進捗状況はネットワークを通じた学習管理システムで自動的に把握できるといった学習を指している。
     同期型学習は、衛星通信を利用した多地点を結んだ学習の発展した形である。インターネットを用いたシステムでは出席者の姿を動画で配信したり、アプリケーションを双方向で共有したりするコラボレーション機能を備えたものもあり、集合研修と同様のリアルタイム性とインタラクティブ性の高いeラーニングを実現できるようになっている。
     非同期型学習では、学習者は自分に合ったペースで学習し、学習管理者は学習進捗度などの情報をほぼリアルタイムに把握できる。多くのeラーニングベンダーが非同期型学習を実現するLMSと多様なコンテンツ(ITスキル、資格取得、経営管理系など)を提供しているので、単にeラーニングと言ったときは非同期型学習を指すこともある。
     非同期型学習では、自分のペースで学習できる反面、意欲の低い学習者の学習を持続させることが難しい。一方、同期型学習は、集合研修と同様、多くの学習者に同時に臨場感のある学習を提供できるが、運用上の制約(すべての学習者を同時刻に参加させるなど)やネットワークの制約(動画や音声を送るための広帯域のネットワークの整備など)を受けるという短所がある。2つの学習方式の特徴を理解し、学習の目的によって使い分けを図ることが必要である。
[な行]
  • ナゲット(Nugget)
     日常職場などで発生する情報や知恵、もしくは教育コンテンツでも数分で終わるような小さな単位の情報をいう。講師は、受講者の理解、定着を進めるために、情報を細分化したり、体系化したり、たくさんの演習問題を与えたりする。適切なサイズの情報を受講者に与えることは、受講者の知識習得に有効といえる。
     学習単位である「ラーニングオブジェクト」もナゲットといえる。
     同じような意味の用語として、チャンク(Chunk)やコンテキスト(Context)がある。
    【関連用語】  チャンクラーニングオブジェクト

  • ナレッジマネジメント(Knowledge Management)
     知識や情報を組織で共有し、有効に活用することで、企業戦略に生かしていこうとする経営手法。「知識経営」と訳される。
     個人の持つ技能や経験や勘に基づくノウハウなどを、明確な言葉や数字などを用いて表現することで知識の体系化を行い、それを元に新たな知識や価値を創造していく。
     このプロセスを繰り返すことにより企業の成長を目指す。
     ナレッジマネジメントをサポートするツールとしては、知識の共有や活用を容易にするためのグループウェアやナレッジベースがある。

  • 日本イーラーニングコンソシアム
     正式名称は、特定非営利活動法人日本イーラーニングコンソシアム。呼称は「eLC(エルク)」。
     eラーニングの普及促進を目的に発足した団体で、SCORM標準規格等の標準化の推進とLMS及びコンテンツに関する認定、eラーニングプロフェッショナル資格制度の運営、eラーニング関連情報の提供、eラーニングシステムの構築や運営管理に関する教育などを活動の柱としている。
     当サイトや毎夏冬に開催する「e-Learning Conference」を通じ、eラーニングに関する様々な情報の発信を行っている。
    【関連用語】 eLC
[は行]
  • バーチャルクラスルーム(Virtual Classroom)
     受講生同士がチャットや掲示板でコミュニケーションしたり、Webブラウザ上でライブの授業を受けたりする機能を持つ仮想的な教室をいう。eラーニングでは、ひとりで学習しているとモチベーションが下がりやすく、学習の継続が難しいことがあるが、バーチャルクラスルームで他の受講生とコミュニケーションしながら学習することで、社会的な相互作用による学習効果を高めることが期待される。バーチャルクラスルームは集団での学習ともいえるので、協調学習の考え方とも関係する。
     バーチャルクラスルームが実現されると、決まった時間に教室に行く必要はなくなり、通学が難しい社会人の学習の機会が増え、留学しなくても海外の大学の授業も受講できる。しかし、従来のFace-to-Face(対面)コミュニケーションの併用が不可欠という指摘もあるほか、学習効果の上がるバーチャルクラスルームの実現には、コミュニケーションを促すオーガナイザーやメンターの導入が必要といわれ、運用面での工夫も重要である。
    【関連用語】 メンター

  • パフォーマンス・サポート(Performance Support)
     個人や組織がパフォーマンスを発揮しやすくするための仕組みのこと。ナレッジマネジメントやeラーニングにおいて、より高い効果を求めるために用いられることが多い。
    【関連用語】 パフォーマンス・マネジメント

  • パフォーマンス・マネジメント(Performance Management)

    1) 人間の行動を科学的な観点から着目し、問題解決を志向するマネジメント手法。行動分析学を主にビジネス分野で活用しようとした際に用いられる。人間の行動を科学的に分析し、何らかの問題解決を志向したときに有効となる行動を明らかにする。

    2) 従業員の業績管理手法の一つ。目標管理制度との対比で用いられる。組織からの一方的な要求に対し、個人が目標を設定するといういわゆる目標管理制度では、個人が何を成果として捕らえるかが曖昧になったり、極度に短期的な思考に陥ってしまうという弊害があった。そこで、組織と個人の関係は対等と捉えた新たな考え方として、パフォーマンス・マネジメントが提唱された。組織から個人に対しては、求める成果や能力を明示すると同時に、どのようなスキルが身につくか、どのような経験ができるかといった個人に提供できる価値を提示。一方、個人は組織に対して、自らの目指すキャリア目標を明示すると同時に、どのようなスキルや経験を保有し、どのような価値を組織に提供できるかを提示。この両者をすり合わせる場を組織的につくることで、組織と個人のパフォーマンスを最大化しようとする考え方である。

    3) 日本イーラーニングコンソシアムでは、特に従業員(エンプロイー)のパフォーマンスについて研究する「エンプロイー・パフォーマンス・マネジメント研究会」を定期的に実施している。

    【関連用語】 日本イーラーニングコンソシアムパフォーマンス・サポート

  • 汎用コンテンツ/パッケージコンテンツ
     既製品コンテンツのことで、汎用コンテンツ、パッケージコンテンツのほかレディーメイドコンテンツとも呼ばれる。知識の共有や標準化が進んでいる分野の製品が多く、ITスキル系(エクセル、ワード、プログラム言語など)、ビジネススキル系(経理、営業、戦略立案など)、語学系などに大別できる。多くの企業が同じような内容の研修を行う新人研修や管理職向けマネジメントなどのコースもある。汎用コンテンツは、量販できるためカスタマイズコンテンツに比べて価格が安いというメリットがある一方、ユーザーが希望するコンテンツとのギャップが存在する場合がある。
     汎用コンテンツは、コンテンツベンダーが開発・販売している場合と、LMSを提供するシステムサービスベンダーが自社のLMS用に供給している場合とがあり、同じコンテンツが複数の販売チャンネルで流通している場合もある。汎用コンテンツの利用を検討しているユーザーは、サービスの提供形態がASPなのか、ライセンス販売(eラーニングシステムに組み込むタイプ)なのかを検討する必要がある。
    【関連用語】 ASPLMSコンテンツベンダー

  • 非構造化情報
     非構造化情報とは教育の世界では教えるためにデザインされた構造化情報(コンテンツ)以外のすべての情報を指す。
     一般的に特別に活用場面の意図を反映しない加工のされていない情報を指し、情報が発生したメディアの中に加工されていない状態で収まっている。
     情報化社会では情報の爆発的増加が特徴で、IDCの調査によれば、世界で発生する情報量は2007年に281エクサバイト(1EB=10億ギガ)であったものが2011年には1.8ゼッタバイト(1ZB=1000EB)に増えると予測されている。これだけの多くの情報の80%は非構造化情報であり、この非構造化情報が年率80%近く増加すると云われている。eラーニングの世界ではこの非構造化情報を"コンテキスト"といい、構造化された情報の"コンテンツ"とは区別している。情報化社会で情報が爆発する中で,社会の進化に合う実務能力を身につけて行くには、当然このコンテキストを如何に活かしていくかが職場にとっても、個人にとっても重要な課題となってくる。eラーニングの新しいコンセプトでは必ずと言っていいほど非構造化情報を活かすコミュニティ・オブ・プラクティス、検索エンジン、コミュニケーション支援などのツールなどで、このコンテキストの活用手段が盛り込まれている。
    【関連用語】 コンテキスト構造化情報非構造化情報

  • フィードバック(forum)
     「これから行う行動を導くためのこれまでに行ったその行動についての評価や記録」(杉山ら、1998)、「パフォーマンスを変化させることが可能な、過去のパフォーマンスについての情報」(Daniels、1989)と定義される。eラーニングによる学習の場合は、講師が学習者のテスト結果や学習時間などを見て、適切なメッセージを学習者に伝えることなどをいう。
     講師がテスト結果を見て学習者にメールで「テストの結果がよくない」とだけ伝えても、それは情報を伝えたにすぎず、フィードバックとはいえない。学習者側も、わかっていることを伝えられただけでは、行動を起こそうとはしない。しかし、講師が学習者に対し「点数は悪いが、数値計算問題の成績は平均より高いです。法律の問題やインターネットの基礎知識が弱点領域なので重点的に学習してください。」と伝えることで、学習者が学習意欲を高め、弱点克服に取り組んだとしたら、有効なフィードバックをしたといえる。フィードバックはタイミングも重要で、学習者の結果や状況が判断できた段階で即座に行うことが大切である。

  • フォーラム(forum)
     ひとつの話題を中心として討論する会。公開討論会。しばしば雑誌の名に使われる。もともとフォーラムとは古代ローマの公共広場のこと。
     現在、eLCで開催しているe-Learning Conferenceも以前はe-Learning Forumという名称で開催していた。

  • ブレーンストーミング(Brain Storming)
     参加者が自由に創造的アイデアを述べ合い、つぎつぎに連想を促進、発展させていく集団思考法またはその会議形式をいう。基本ルールには「質よりも量を重視する」、「他人のアイデアに耳を傾け便乗してもよい」、「アイデアを評価、批判、コメントしてはならない」、「自己検閲を行わない」、「思い込みを捨てる」などがある。基本ルールを参加者全員が理解し、楽しく実践できる環境を整えることが重要になる。
    従来、ブレーンストーミングは集合研修だけで行われたが、eラーニングを活用することで遠隔地の受講者同士がブレーンストーミングをすることも可能になった。同期型eラーニングシステムであれば、遠隔地間で臨場感のあるブレーンストーミングができる。

  • ブレンディッド・ラーニング (Blended Learning)
     集合研修とeラーニングを組み合わせ、双方のメリットを活かした研修や学習の方法。学習の動機付けやスキルの習得を集合研修で行い、知識の習得はeラーニングで実施するのが一般的である。研修の時間や経費の削減だけでなく、それぞれの手法の特徴を活かした効果的な研修が可能になる。
     たとえば、新人教育にブレンディッド・ラーニングを導入する場合、最初に業界知識や製品知識をeラーニングで自己学習させ、その後に集合研修を実施して社員としての動機付けを行ったり、マナーや実務スキルを教えたりするという方法になる。
     集合研修とeラーニングの組み合わせには、以下のような多様な形態が考えられる。

    1) eラーニング+集合研修
    (事前学習を済ませた後、教室でインタラクティブな学習を実施する)

    2) eラーニング+集合研修+双方向eラーニング
    (事前学習と教室研修、その後のバーチャルクラス)

    3) 集合研修+eラーニング
    (集合研修後のフォローアップのために自己学習を実施する)

     この場合のeラーニングには自己学習だけでなく学習者同士のディスカッションやバーチャルクラス、チュータリングやメンタリングも含まれる。

    【関連用語】 バーチャルクラスルームチュータリングメンタリング

  • ブロードバンド(Broad band)
     高速で大量の情報を送受信できるインターネット接続のこと。ナローバンドの対義語。
    ADSL、 CATV、 FTTHなど、1Mbps以上の速度を持つ通信回線を指すことが多い。ダイヤルアップ接続やISDNは、一般にナローバンドと呼ばれる。
     ブロードバンドでは、高速で大容量の情報を伝送することが可能なため、従来の低速な回線では困難だった音楽や映像を含むコンテンツを快適に利用することができる。ブロードバンドの普及とともに、動画情報を活用したeラーニング用コンテンツが広く活用されるようになった。

  • 分散リポジトリ
     リポジトリ(repository)は集積所、貯蔵庫などを意味する単語で、IT関係ではデータやプログラムなどを整理して保管する場所をいう。ネットワーク上に分散して存在するリポジトリを分散リポジトリという。コンテンツの検索、流通、再利用のための標準規格としてLOM(Learning Object Metadata)規格があるが、LOM規格は単にコンテンツの属性を記述するためのデータ項目、フォーマットを決めただけのものである。実際にコンテンツを再利用するためには、LOM規格だけでなく、必要とするリソースを分散リポジトリから取り出すための仕組みが必要になる。具体的には、複数のリポジトリを横断的に検索し、検索条件に合致するリソースの物理的な位置を特定し、それを配信するという動作を実現することが必要になる。近年、このようなコンテンツ提供の統合的な仕組みを提供しようとする活動が盛んになってきている。2004年9月には、学習コンテンツの国際的な横断的検索を実現することを目的として各国の中心的な教育情報ポータルにより、GLOBE(Global Learning Object Brokered Exchange)が結成され、日本の放送大学(旧メディア教育開発センターからの承継事業)のほか、北米(4)、中南米(1)、欧州(2)、アジア(4)、大洋州(1)の12機関が参加している(2009年5月現在)。 また、IMS Global Learning Consortium Inc.では、2007年9月からLODE(Learning Object Discovery and Exchange)というプロジェクトを進めている。
    【関連用語】 ADLGLOBELOM

  • ヘルプデスク(Help Desk)
     利用者がサービスを受けたりする時に抱いた疑問や不明点について問い合わせる窓口。eラーニングでは、パソコンの基本的な使い方や、ブラウザやネットワークの問題などのITリテラシー的なものから、学習する時の画面操作の方法などの学習者の疑問にメールや電話で回答する。また、コースの学習内容に関する質問の回答などチュータリングをヘルプデスクで行う場合もある。
     ヘルプデスクには、多くの初歩的な問い合わせが寄せられることが多いため、事前の学習者へのお知らせや、FAQなどを設置するなどの工夫が必要。外部のASPを利用する時などでも、ヘルプデスクで答えられないものを次の問い合わせ先に転送する(エスカレーション)を社内で受けてすばやく対応する体制を作る必要もある。
    【関連用語】 ASPチュータリング

  • ポータルサイト(Portal Site)
     ポータルとは玄関の意味で、ポータルサイトはあるジャンルにおいて多種多様な情報をひとつに束ね、そこから関連する情報やサービスにアクセスすることができるWebサイトをいう。
     eラーニングのポータルサイトでは、eラーニングに関する製品情報、イベント情報、書籍情報などさまざまな情報提供および検索サービスにより利用者が目的とする情報をナビゲートする機能やコンテンツサンプルで学習体験ができる機能を持っているサイトがある。
     ポータルサイトはデザインや検索性だけでなく、利用者に役立つ情報が豊富で、常に新しい情報が掲載され、また利用者が迅速に情報を検索できることが重要である。また、eラーニングの知識が学べる学習情報や講演記録などを掲載することで、利用者を引き付ける工夫をすることも重要な課題である。

  • ポートフォリオ(Portfolio)
     学習者の学習活動の履歴を集約したものであり、試験の結果だけでなく、レポート、プレゼンテーション、調査文献など学習過程で含まれる様々な情報が含まれる。最近ではeポートフォリオ(学習者の学習経験およびその結果を身につけた能力などの証拠となる、学習者が作成した一連のデジタル形態の学習成果物)が注目をあびており、今後の学習の方向性を示すための指標として研究・活用されている。
     また、IMS(IMS Global Learning Consortium)では、このようなポートフォリオをシステム間、組織間でやりとりすることを狙いとしたePortfolio規格を開発している。
[ま行]
  • メタヴァース(3D仮想空間)
     インターネット上に存在する電子三次元(3D)仮想空間のこと。メタヴァースの概念は、ニール・スティーブンスンが、小説「スノウ・クラッシュ」の中で表現した、超越を意味する「メタ~」と世界を意味する「ユニヴァース」の造語である。「サイバー・スペース」「ヴァーチャル・リアリティ」とほぼ同義語として利用されることが多い。利用者は、この仮想空間の中で、「アバター」と呼ばれる自分の化身を操作する。そして他の利用者とともに、実社会に似た社会活動を営むことができる。「セカンドライフ(Second Life)」が、その代表格として有名。教育(eラーニング)への活用も大いに期待されている。
    【関連用語】 セカンドライフ3Di

  • メタデータ(Metadata)
     あるデータそのものでなくデータに関連する情報をいう。たとえば、データの作成者、作成日、データ形式、タイトルなどがメタデータに相当する。文書や画像などを保存するファイルでは、ファイルの先頭にメタデータを持っている場合が多い。メタデータは情報検索システムなどで利用されており、たとえば、ある特定の動画ファイルを検索する場合は、動画ファイルの動画内容ではなく、動画ファイルのメタデータと検索対象のキーワードを比べることで検索効率を向上している。

  • メンター(Mentor)
     後輩や部下の相談にのり、引き立ててくれる人、また賢明で信頼でき、後輩や部下の精神的な支えになってくれる人をいう。ギリシャ神話に登場するオディッセウスがわが子の教育を託した教育者の名前に由来する言葉で、信頼のおける助言者という意味。
     メンターが受講者に行う支援をメンタリングという。
     eラーニングは、学習者が1人で学習をするのが基本だが、モチベーションを高くして学習を継続するためには、メンターの役割が重要になる。メンターはeメールで支援することが多いが、時には電話や直接会って対話し、学習者と密接なコミュニケーションをとることも重要といえる。
    【関連用語】 メンタリング

  • メンタリング(Mentoring)
     メンタリングとは、知識や経験が豊かな人(メンター)が、若年者や未熟者(メンティー、プロテジェ)と基本的には1対1で、継続的、定期的に交流して信頼関係を築き、若年者や未熟者の心理的・社会的な成長の支援及びキャリアアップの支援をすること。eラーニングにおいてはeメールを通して学習者への動機付けやスケジュール管理を行うことで、学習の継続やコースの修了に大きく寄与する。
    【関連用語】  メンター

  • モバイルeラーニング
     モバイル端末(特に携帯電話)を使って、外出先のどこでも学習が可能な学習システムのこと。ちょっとした空き時間を知識習得に活用でき、どこにいても学習可能などのメリットが注目されているが、一方で、画面が小さくて見づらい、携帯電話では集中できない等、デメリットを指摘する学習者コメントもある。但し、モバイル通信端末がほぼ一人一台の割合で普及していることを考えれば、そのポテンシャルは計り知れないと言えよう。
[や行]
  • ユーザビリティ(Usability)
     ソフトウェアやWebサイトの「使いやすさ」をいう。さまざまな機能をなるべく簡単な操作で使えることや、使用上、操作上のストレスや戸惑いを感じないことなどが優れたユーザビリティの条件になる。国際規格のISO 9241-11では、ユーザビリティを「特定の利用状況において、特定の利用者によって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、利用者の満足度の度合い」と定義している。

[ら行]
  • ラーニングオーガニゼーション(Learning Organization)
     「学習する組織」という意味合い。所属するすべてのメンバーが「ビジョンや目標を達成するために、自分自身を変えること」を目指して、情熱をもって共に学び、オープンに意見交換をし、貢献し合う企業や集団のことを意味する。

  • ラーニングオブジェクト(Learning Object)
     動画や音声、テブジェクトをデータベース化してライブラリに使用することもでき、需要に合わせて簡単にコースカスタマイズキストなどを組み合わせたマルチメディアファイルを使ったこま切れの研修コンテンツでありコンテンツやテストを含んだ学習教材を構成する情報群の基本単位。eラーニングでは学習コースの中の各章を独立した教材として提供し、受講者は自分が必要なものだけを学ぶ。 また、ラーニングオブジェクトをデータベース化してライブラリに使用することもでき、需要に合わせて簡単にコースカスタマイズすることが可能である。

  • ラーニングコミュニティ(Learning Community)
     企業内のナレッジワーカーが集まるネットワーク上のコミュニティであり、意欲をもった者が集まる場である。ナレッジワーカーとは、自主的な知識の習得、創造、共有に努め、情報を活用する能力と創造的な提案能力を持った人材のことである。

  • ランタイム(Run-time)
     アプリケーションソフトを実行する際に必要となるソフトウェアモジュール(部品)をいう。SCORMでは、ランタイム環境を有しており、LMSとコンテンツ間のインタフェースの規定を定めている。
    【関連用語】 LMSSCORM

  • リテンション(Retention)
     ハイ・パフォーマー(優秀な人材)の囲い込み戦略、または人材流出の防止策をいう。
     不況等の原因でリストラによる社員の削減を行うと、優秀な人材ほど退職するケースもある。また、よりよい仕事や職場環境を求めて自発的に退職、転職する人も増えている。会社にとって優秀な社員を失うことは、補充社員の広報や育成コストの増加だけでなく、退職した社員が関係をもっていた顧客や保有していた企業ノウハウ・秘密情報の流出といった損失もある。よって、コア人材リテンションのために有効な対策を立案し実行することは、会社の事業を成長させるためにも非常に重要である。コア人材リテンションを成功させるためには、金銭的な報酬や成果主義の徹底だけではなく、やる気を起こす場の提供、継続的な教育の提供、権限委譲、職場環境の改善、風通しのよいコミュニケーションシステムの構築等の組織文化の改善も必要となり、eラーニングを使った学習機会の提供も有効なツールといえる。

  • リファレンス(Reference)
     参照、照合という意味。たとえばプログラム言語処理系のリファレンスマニュアルなら、言語仕様を一覧にしたものがリファレンスマニュアルとなる。また使い方として、ハードウェアやソフトウェアの機能一覧を解説したマニュアルの意味としても使われる。

  • ロールプレイング(Role Playing)
     従来のWBT(Web Based Training)に加えて、ネットワーク上のバーチャルな世界に、想定される仕事の状況を作り、仕事を疑似体験すること。eラーニングでのロールプレイングを通じ、業務に活かせる知識やスキルの学習が可能になる。顧客訪問などのロールプレイングを自分のパソコンと対話しながら体験することで、各場面で必要なスキルを学習することができる。
[わ行]
  • ワークパラダイムシフト(Work Paradigm Shift)
     社会が工業化社会から情報化社会に進化して行くにしたがい、働くというパラダイムが変化し、工業化社会ではものを作り、身体を使って労働するというワークが価値を生み出していたことに対し、情報化社会でのワークのアウトプットはソリューションの創出であり、働いて価値を生み出すパラダイムが変わってきていることの気づきを指摘した言葉。情報化社会では価値を生み出すワークが情報をリソースとしてソリューションを創案することにシフトする、という考え方である。情報化社会へのワークパラダイムの変化の中で、仕事の中で個人が必要な情報を取得でき、創案活動のできる環境が必要になっている。eラーニングは従来のeラーニングプラットフォームを核にしてSNSによるコミュニケーション機能や検索エンジンを備えた情報共有機能を統合した情報基幹システムに成長していかなければならない、という考え方である。

  • ワークプレイスラーニング(Workplace Learning)
     社会人が学習活動を行う際に、職場を離れて仕事を中断したりせずに、仕事を遂行しながら学習活動ができるという学習活動のコンセプト。2002年位から先進企業ではこのような学習環境の試験的導入がはじまり、2007年にアメリカのマークJ.ローゼンバーグが著書"Beyond e-Learning"を発表したことにより、このコンセプトが広く認知された。社会人が仕事をするには専門的知識や仕事に関連する情報、知恵などを活かすことが重要であり、情報化社会になると必要とする情報量が莫大になり、かつ情報の変化も業務遂行のなかで適切に活かす必要がある。
     そのために生涯学び続けることが必要であるという認識が広まり、そのために職場を離れず、仕事を中断しないで必要な情報を入手できる学習環境を構築しようというコンセプトである。ワークプレイスラーニングにおける環境では、これまで馴染んできたeラーニングコンテンツをICT環境で学ぶ従来のeラーニングに加え、ネットワークで情報交換をするSNSや必要に応じ実務情報を検索して入手できる情報共有機能を備えている。また、人に教えるように加工されていない非構造化情報を入手して、仕事をしながら新しい職務内容や仕事に必要な情報を学べる職場環境であり、学びながら仕事ができ、かつ成長のできる情報環境に裏付けられた学習環境である。
    【関連用語】 Beyond e-LearningICTSNS

  • ワーク・ライフ・バランス(Work Life Balance)
     日常生活において勤務先などでの仕事の遂行と充実した生活との両立を図ること。 仕事と生活を切り離し、充実した生活を過ごすことが仕事における生産性を高めるとともに、仕事での充実感が生活の質をさらに高める。この好循環が企業経営を支える。企業がワーク・ライフ・バランス推進に取り組むきっかけとなったのは、2005年全面施行の次世代育成支援対策推進法。少子化対策として企業に子育て支援策の充実を求めた。国は2007年12月に「ワーク・ライフ・バランス憲章」を掲げ、就労による経済的自立が可能で、健康で豊かな生活のための時間の確保、多様な生き方、働き方が選択できる社会を目指すとしている。
[0~9]
  • 3Di(3D Inter-verse)
     「メタヴァース(3D仮想空間)」同士がつながり、様々なメバヴァースを自由に行きできるネットワーク上の仕組みのこと。これにより、個々に存在しているメタヴァース間に相互関係が生まれ、様々な相乗効果が期待される。次世代通信の発展により、コミュニケーションは、メタヴァースからさらにインターヴァースへと進化していくことが予想され、ビジネス・教育への活用も大いに期待されている。
    【関連用語】 メタヴァースICTSNS


  • 3.9世代
     第3世代携帯端末の通信規格「CDMA」や「W-CDMA」の拡張版である3.5世代の「CDMA 1X WIN」や「HSDPA/HSUPA」をさらに発展させた通信規格のこと。Long Term Evolution (LTE)と呼ばれる。データの通信速度は、下り100Mbps以上、上り50Mbps以上と言われている。これにより、外出先や移動中でもパソコン並みの高速インターネット接続や大容量動画コンテンツの視聴が可能となり、携帯端末上でのeラーニング利用が期待されている。第3世代、第3.5世代とも、日本独自に発展してきた経緯があり、3.9世代こそは海外も視野に入れた普及が期待されている。